17 街へ出かけます②
お腹も膨らんだし、そろそろ行こう。
そう思い、再び動き出した。さすがにお腹いっぱいなので走るのは遠慮しとこう。
それにしても、すごい人だなぁ。右も左も人、人、人だ。案の定、私も進行方向になかなか進めずに苦戦している。
まあ、でも前世のスーパーのタイムセールに比べればこんなの大したことはないわ。そう思ってはいるものの体が小さいせいかなかなか前に進まない。
すると突然誰かに手を掴まれた。私は、とっさだったが、普段からの護身術の成果で腕をひねりあげることに成功した。
「……痛い。」
あれ?この声は
「ミル?もう、さっきは急にどこ行って…」
「危ない。」
そう言い、私は、ミルに抱きしめられた。なんか、ミルってすごくたくましい体つきだな。なんか、凄く安心できる感じだ。なんかこれじゃあ、私が変態みたいじゃないか。自分でも顔が赤くなっているのがわかる。
「ごめん。…でも、馬車が…」
そのミルの一言で現状を把握できた。どうやら、人通りが多い中だが、馬車は通るようであと一歩遅かったら轢かれるところだったらしい。
少したったところで私は開放された。はぁ、危ない。心臓さんに重い負荷をかけてしまった。私は、少し距離をとることで、落ち着くことに成功した。
「…これからどこへ行くの?」
「え?王立図書館だよ。」
そう答えたら、いつの間にかミルに手を繋がれ歩き出していた。あれ?ミルさん。急にどうしたのかな。
「…送る。」
「大丈夫だよ。私もう子供じゃないもの。」
そう私の中身は16歳。一人でお出かけが怖い年頃はとうの昔に過ぎ去っているのだ。
「…心配だから送る。」
あー、これは完全に気を使われちゃってますね。まあ、でもさっきはミルがいなかったら結構危なかった。今、私が言っても説得力ないか。
そう思い、素直について行くことにした。
あれから、ほんの15分足らずで目的地に着いた。
そこで、ミルにお礼を言い、私は王立図書館に足を踏み入れた。
うわぁー、公爵邸より大きい。ほんとにこれ、図書館?
しかも、2階まであるよ。
とりあえず私は、魔法に関しての本を探し始めた。
しかし、思った通りにはいかないものでなかなか見つからない。
2階を探してみようかな。そう思い、今度は2階を探索し始めた。植物の本、哲学、歴史、やっぱりないのかな?
結構熱中して探してしまったので暗くなってしまった。そろそろ帰ろうと思っていると、上の方の棚から1冊落ちてきた。
見事に私の頭にクリーンヒットし、激痛が走る。まあ、当然といえば当然か。
あれ?そういえばこの色、前に私の部屋にあった鍵付きの本と同じ色だ。
しかも、これにも鍵がついてて中が開けられない。
え、またこのパターン?勘弁してよ。せっかく情報が得られそうなのに。
でも、もしかしたら、私の持ってる鍵で空くかもしれない!と思い、司書さんとの手続きを済ませて借りることに成功した。
帰りは、さっきよりさらに暗くなってしまった。これは、怒られるかもしれない。と思い、焦って図書館を出ると、既にそこにはアスガルド家の家紋が入った馬車が止まっていた。
「お嬢様お迎えにあがりました。」
よっしゃ。ラーナナイスタイミング!
そう思い、急いで乗り込んだ。
「全く護衛や侍女も連れずに1人でお出かけするなんて正気ですか?次からは誰でもいいので1人での行動はしないようにしてくださいね。」
と、馬車に乗って開口一番に怒られた。
まあ、それは確かにおっしゃる通りだ。
「ごめんなさい、ラーナ。だって護衛や侍女がいると息苦しいんだもの。でも今日はすごく楽しかったわ。今度はラーナなら一緒に行ってもいいかもね。」
そう言うと、ラーナは微笑んで
「はい。行きましょう。」
と、素直に返してくれたのが嬉しかった。その日の帰りの馬車は穏やかな雰囲気で過ごすことが出来た。
ところが、家に帰ると
そこには大激怒した鬼お母様がいらっしゃいました。ああ、これはやってしまった。
「リーン!あなた一人で街に行くなんて何考えるの?あなたは将来王太子妃になりこの国を担う支えとなる人になるのよ!それなのになぜ誰も連れていかないの?私がどれだけ心配したかわかってるの?大体あなたはいつも、
……………………………………」
この鬼お母様のお説教は3時間に渡り、リーンはその間正座をさせられ聞いていたそうだ。そして、今度は絶対に1人では行くまい。そう決心をしたリーンであった。




