16 街へ出かけます。①
あー、いつも以上に今日の午前中は大変だったな。
まあ、でも剣術を習えるようになったし、結果的にはOKだわ。
午後は、確かもう何も予定がないんだよね。
よし、それじゃあ街の王立図書館へ行ってみよう。そこなら、何か魔法についての本があるかもしれない。
よし、そうと決まればまずは服装を変えないとね。
そう思い、私は1度自分の部屋に戻ることにした。
クローゼットの中を開いてみると、見事にドレスばかりだ。うーん、これだと目立ちすぎるんだよね。どーしようかな。
そう思い、悩んでいると
「お嬢様!そこで何をなさっているのですか?」
いいタイミングでラーナが来た。
「街に行きたいんだけど、ちょうどいい平民の服装ない?」
「それならありますよ。ここの棚の奥の左から2番目の棚の中です。」
そう言って、ラーナに取りだしてもらったワンピースを着て、冬だからということで、ちょっと地味だが温かいコートを着た。一応、念の為お金を持っていくことにした。
「それでいってまいります!」
「いや、お嬢様お待ちください。護衛か、せめて侍女をお連れになってお出かけください。って、お嬢様ー!!!!」
というラーナの叫び声を聞きながらも全速力で私は走り
何とか1人で公爵邸をあとにした。
ラーナや護衛につかまらないように全速力で走って出ちゃったから場所が分からなくなっちゃった。えーと、王立図書館てどっちにあるんだっけ。確か、街の方だよね。よし、出発ー!
歩くと時間がかかると思い、私は、引き続き走って街まで行った。
わぁー!すごい賑わってるな。あっちも、こっちも屋台が出ていてまるでお祭りみたいだ。
グゥ〜。あ、お腹の音が鳴っちゃった。そーいえば、お昼食べてない。よし、なんか食べよう。
何食べようかな。ん?なんかいい匂いがする!!
あ、クレープだ!!スイーツしばらく食べてなかったから恋しかったんだよね。
すごい行列だなぁ。並ぶの面倒くさそうなんだけど、
うぅ、でもいちごのクレープめっちゃ美味しそうなんだよね。
そう思い、列の最後尾に並んだ。あれ?この前に並んでる背の高い赤い髪の毛の人?
「もしかして、ミル?」
「え?」
そう言って、振り返ったのはやっぱりミルだった。
「甘いもの好きなんですか?」
「うん!好き」
え、可愛いー!!ギャップ萌えがすごいわ。これは、そこんじょそこらの令嬢なら確実に落ちるな。
「私も好きなんですよ!特にいちごが一番好きで、ここのクレープもそれを食べたくて並んでるんです。ミルはなにがすきですか?」
「………チョコレート。」
「チョコレート美味しいですよね。」
「……うん。あの甘さがたまらない。」
おおー、会話してくれてる。嬉しい。まあ、若干のタイムラグはあるけどね。
そんな形で私とミルはクレープを待つ間、主にスイーツの会話をしていた。30分くらい待ってようやく自分の番が来た。
「いちごホイップクレープひとつください。ミルは何頼むの?」
「…トロピカルホイップチョコレートスペシャル。」
おぉー、名前だけですでにだいぶ甘そう。
「お会計500ジェニーになります。」
私は、お金を払うために財布を取り出し、払おうとしたら、ミルは私の財布に手を置きフルフル首を振った。
そして、もう片方の手で自分の懐からお金を出し、2人分はらってくれたのだ。
「ご馳走になっていいの?」
そう、聞くとコクンとうなづいたのでここは素直にご馳走になろうと思った。
「ありがとう。」
そう、お礼をいいクレープを受け取った。
近くにちょうど2人がけのイスがあったのでそこで食べることにした。
いちごの甘さと生クリームの美味しさが絶妙にマッチして本当に美味しい。生きててよかったぁー!
ミルはというと食べるのに集中している。あ、ほんとに名前の通りすごい甘そうだな、と思い見ていると突然目の前にミルのクレープを差し出された。
「これ、食べていいの?」
そう聞くと、コクンとうなづいたのでここは1口いただくことにした。
んー、甘いけどチョコとトロピカルスイーツの酸味がマッチしていて美味しい。
ミルにお礼を言おうと思ったら、何故かミルの顔が真っ赤になっていた。
「どうしたの?もしかして、寒いから熱でも出た?」
そう思い、おでこを触ろうとするとものすごい勢いで避けられた。
そんなに避ける?ちょっと、傷つくよ。
「ごめん。」
そう行ってミルは走ってどこかに行ってしまった。なんだったんだろう。急用でもあったんだろうか。
とりあえず、私は、クレープをたべよう。




