11 初めての親子喧嘩①
コンコン。
あー、やってしまった。怒りのままお母様に言い放ってしまった。頭に血が上ると思ってることそのまんま口に出すのが私の悪い所だ。
でもでも、お母様だって絶対に悪いところはあったはず。
なんでもかんでも、叱れば子供は成長するわけじゃないもの。
コンコン。…………………ドンドン。ドンドン。
ん?なんか、うるさい!鳴っちゃいけない音が鳴ってる気がする。そう思いふと、音のする方を見ると、人影が見える。え、変質者か、なにか?
「おい!リーン開けろ。」
なんか、聞いた事のある声がする。しかもつい最近聞いたような。近づくと月明かりの下で金髪と青色の瞳が輝き、カッコよく見えた。間違いない!なぜか、ここにいるはずのないジンがいる。
「いいから、早く開けろよ。冬なんだぞ、寒いだろう。」
「何しに来たんですか!?」
「また来るって言っただろう。」
「え!来るタイミング今?だって夜だよ!」
「いつ来るかは俺の自由だ。」
なんて、自由な人なんだ。この人、暇人なんだろうか。
「いや、俺はもう今日の公務を終わらせて来たから暇人ではないな。」
え?もしや何?エスパーか、なにかなのかな。
「ついでにエスパーでもない。」
「エスパーじゃん!今思ってることまんまだし!」
「ふーん。やっぱりそう思ってたのか。わかりやすいやつ。」
うわぁー!可愛くない!もっと可愛げあった方がいいのに!
「もしかして、騙してたんですか?」
「さぁ?どうでしょう。それより、何かあったな?変な顔になってるぞ。」
「変な顔?女の子にそんなこと言うなんて!ひどい!」
「いや、待て。 その、変な顔って言うのは、つくりの話じゃなくて、昨日に比べるとなんか元気がないように見えたから。気になったんだよ!」
「なんで……」
「それは、リーンのことだから分かるんだよ!いいから話せ。」
昨日初めてあっただけなのに、ここでそんなストレートに言われると、なんていうか、相談したくなっちゃうじゃん。
そして、私らしくないが、これまでのお母様との仲と今日、お母様に反論してお稽古を逃げてしまったことを話してしまった。
「リーン、確かに公爵夫人にも悪いところはあったと思う。だけど本当は、わかってるんだろう。お前だって悪いと思ってることがあるんだろう。」
「うん、、、わかってる! …わかってるんだけど、今までの事を考えるとどうしても勇気が出ないの。」
ほんとにどうしてこんなに素直な気持ちをジンに、話せるんだろう。今まで誰にも話したことは無いのに。
「そーやって、母親からお前は逃げるのか。」
「別に、逃げてなんて…」
いや、ジンの言う通りだ。私は逃げている。だけど、、
あーもうーやめやめ!私らしくない!こんなウジウジしてるのなんて!よし、当たって砕けろ作戦だ。
「ありがとう!ジン!なんか吹っ切れた。」
そう、ジンにお礼を言うと、フッと軽く笑って私の頭をポンポン撫でた。
「ちょっと!髪の毛崩れる。」
「悪い悪い!」
全く、悪く思ってなさそうないたづらっこの笑みだ。
「じゃあ、俺は帰るから。ちゃんと仲直りしろよ。」
そう言って飛び降りてしまった。いや、ここ2階のベランダなんだけどな。やっぱり奇人だ。
よしー!気を取り直して今から話し合いに行こう。




