5 身体検査
宇宙ステーション
ヴァルナ・オービタルⅠ
検査エリア
「ハニーたち、さっさとここで、全部脱いじゃってちょうだい!」
凛々しい眉毛と、太くて浅黒い筋肉質な首に、艶やかで真っ黒な髪を短く刈り上げた大男が、まろやかな低い声で言った。口髭はピンと跳ね上がっている。
「ええと。こ、ここで?」ウェンが微妙な顔をして聞き返した。
「やっだ~もう! 冗談に決まってるじゃない。奥に脱衣所があるからそこでひとりずつ、そっちでスッポンポンになっちゃってちょうだいね。あと、これに脱いだ服とかアクセサリーとか入れておいて。ハニーたちが帰還するまで、このアタシが責任持って預かっちゃうから」
大男は厚手の白い布袋を彼らに手渡した。
「どうもありがとう」リゲルはペコッと頭を下げた。
「あーら、いい子ね! 無口なお父さんたちとは大違いね」
「いや俺とジスは別に……あの、そういうあれでは」ウェンは挙動不審になりながら後ずさった。
「からかわれてるだけですよ」
ジスが呆れたように言った。
「あら~めずらしい、あなたアルタリなのね? そうすると検査方法が通常と異なるから、あなたが一番最後にヤっちゃってちょうだいね」
「じゃあ、僕が一番だね!」リゲルが奥に進もうとすると、
「おい、リギーちょっとま……ぎゃああああ!」リゲルを追いかけて進もうとしたウェンの首根っこを、大男の太く逞しい腕がガッシリと捕らえた。
「ちょっとハニー、まだダーメダメん。『ひ・と・り・ず・つ』って言ったでしょ? それまでアナタはアタシと、ず~っとふたりっきりでここにいるのよ!」
大男は魅力たっぷりのウィンクをして見せた。
「やれやれ、ですね」ジスは小さくため息を吐いた。




