江戸城燃ゆ 上<序>
穢土夢幻城。
城内は上下左右が複雑に組み合わさり、魑魅魍魎が跳梁跋扈する。
赤鬼と青鬼が鎌を持って襲い掛かってくる。
球磨がその鎌を受け止める。
義の勾玉が橙色に光り輝き、流徹の持つ仁の赤い勾玉と悌の紫の勾玉へと光が伝わる。
流徹が青鬼と赤鬼を瞬時に斬った。
お町は細い通路を軽い身のこなしで襖から出現したぬらりひょんと白兵戦を繰り広げる。
その時、孝の勾玉が藍色に輝く。
お町の動きが数倍にも増し、ぬらりひょんを圧倒した。
菊三十兵衛が緑色に輝く忠の勾玉を握りしめて大太刀を振るう。
そんな菊三十兵衛目掛けて、雷獣は雷撃を放つ。
が、その雷を菊三十兵衛は斬った。
驚く雷獣に、一太刀を浴びせる。
トゲイが人面牛……件を軽やかな身のこなしで撹乱する。
件の肉弾攻撃が城内のあらゆるものを破壊するも、その攻撃は一度もトゲイには当たらない。
トゲイの黄色く輝く礼の勾玉がより強く光る。
件が吠えると隕石が落下した。それは複雑な構造の城を貫通して落ちてくる。
トゲイはそれを軽く避けると件の顔面に刀を突き立てた。
牛鬼と大蚯蚓が飛び出してきた。
荒伐は水色の信の勾玉を握り、斧を振るう。
「時間差割り」
大きく斧を振るうと、時間差で牛鬼と大蚯蚓を切り裂いた。
木造の地面からは突如泥が湧き、そこからは泥田坊や沼御前も現れる。
「不伝流居合術……」
宣以は刀に手を置く。
一撃に全神経を集中させた。
青く光る智の勾玉に力が収束する。
一閃。
泥田坊や沼御前が真っ二つに引き裂かれた。
ぬりかべ、化け狸、猫又、人面犬などの妖怪が次々襲い掛かるも、一行は次々と斬り伏せる。
迷宮と化した城を崩しながら進むでいだらぼっちが現れた。
音にもならない咆哮をあげ、一行の命を狙うも、彼らには通用しなかった。
球磨の刀がでいだらぼっちの一撃を防ぐ。
「煙玉!」
お町がでいだらぼっちの眼前に煙玉を投げつけた。
でいだらぼっちは視界を失い、混乱して辺りに攻撃を散らす。
送り狼の群れがお町へと迫っていた。
「まきびし!」
お町は即座にその送り狼の目の前にまきびしを投げつけ、動きを封じる。
そして、宣以が居合いでその送り狼を瞬時に処理した。
今まで以上に高度かつ繊細な連携となっていた。
決戦は始まったばかりだ。




