第肆歌<急>
流徹らは町長の屋敷で宴会をしていた。
流徹がふと、夜風に当たりに行くと、ふらふらと歩く男が目に映る。
「お前さんも泥酔か。大変だな」
男は虚ろな表情でお腹を押さえる。
「う、うぐ……」
無数の蜘蛛が男の腹を裂き、その蜘蛛が別の形へと変えていく。
それが骸骨妖怪へと変化していった。
流徹は一瞬で酔いが醒め、刀を抜き、居合一閃。
「見事な居合であった!」
宣以が称賛する。
しかし、その男と同じ状況に陥っている者が周囲にもいた。
「うぐ……」
次々と腹の中から無数の蜘蛛が湧き、それがのっぺらぼうや火車へと変貌していく。
「百鬼夜行だ!!」
宣以が居合いで妖怪を一刀両断する。
菊三十兵衛も異変に気付いたか、戦闘に参加した。
「なんでいなんでい! こんな事になっていようとはな!」
おっぱしょ石が跳ねながら押しつぶそうと迫る。
荒伐の斧が、おっぱしょ石を叩き割った。
「こりゃあ……ひでえな」
次々と人の腹から蜘蛛が現れ、無数の妖怪に町が占拠されている。
巨大な骸骨がぬうっと建物の隙間から現れた。
「がしゃどくろまで!」
がしゃどくろの腕が流徹に向かって振り下ろされる。
瞬間、球磨がその腕を弾いた。
そして、流徹ががしゃどくろを粉微塵に切り刻む。
瞬間、五人が逆さに落ち始める。
球磨が叫ぶ。
「いかん! 天邪鬼だ」
小鬼が宙に浮いていた。
彼が五人の重力を反転させたのだ。
刀を振り回すも、天邪鬼には届かない。
このままでは空に向かって落ちてしまう。
その時、お町の声がした。
「待たれよ!」
苦無が天邪鬼目掛けて飛ぶ。
天邪鬼は苦無の方向を反転させて防ぐも、背後から跳んだトゲイに斬られ、絶命した。
「へへっ!」
トゲイとお町は両手を合わせる。
術が解けた五人は地面に叩きつけられたが、すぐに体勢を立て直した。
「こいつは……」
目の前に迫るのは、感じた事のある気配だった。




