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『全力を尽くして、幸せにしてみせます』


「はぁ〜、結局、王道に戻ってくるよね」

アリシアが手にしている小説のヒーローは、優しくて品行方正の王子様キャラだ。


「誰にでも優しくて勘違いさせちゃうのはどうかと思うけど。その点アーロンは優しいけど、勘違いさせる感じじゃないから良いよね」


次に手に取るのは、俺様キャラがヒーローの小説だ。

『もう手加減しねえから』


「うわわ、アーロンこんな事言っちゃうかな…。言って欲しいような、でも本当に言われたら困っちゃうぅ…⋯っ」


わんこ、女たらし、ツンデレ、ヤンデレ、クーデレ、ドS、ドM⋯


「いやもうスッゴい、スゴすぎるわぁ⋯。世の男性陣はあの手この手で色んな愛をささやいては世の女性達をメロメロにしているのね」

のたうちまわりながら噛み締めるアリシア。絶賛仮病中。


「て言うか、ちょっと待って」


(アーロンって、口うるさい割に甘い言葉の1つもささやいた事がなくない?)


「⋯⋯⋯⋯、なんで?」


アリシアは自分が野ザルだと評されていることを知っている。

農作物が荒らされた時なんて「森の動物かアリシアか」と、ネタにされている事も知っている。


そんなアリシアが相手とはいえ、アーロンは婚約者なのだ。婚約者のはずなのだ。


「もしかして私って、妹とかペットとかそんな感じ⋯?」


でも、毎日会いに来てくれるし、手紙やプレゼントだって⋯


「⋯⋯家族…的、な?」

家族と婚約者の違いとは、何ぞや??


(そ、それこそ⋯胸をどうこう、⋯⋯みたいな?)


アーロンがそんな気持ちを私に抱くことはあるんだろうか?


て言うかアーロンってそういう事考えたりするの?

え??

いやでも健全な男の子だもんね?

でもでも真面目で口うるさくて堅物で優等生で石頭なアーロンが???


え、待って、そこにエロい要素が加わるとか。

うわ、やば、ちょっと待って想像したら⋯


『胸を触りた』うわわわわ


な、なんで今アレを思い出すかな。


『ムラムラする』うぎゃあああ


そこまでは求めてない!そんな刺激が強いのこっちの心臓がもたないから!!!


『セックスしたい』コンコン

「お嬢様、アーロン様がお越しです。お通ししても⋯」


「いやぁああああああ!!!」


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