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まず、何もしなければ誰の(どの生き物の)どんな言語も、アリシアには理解可能な言語として耳に入ってくる。


ただし、認識できる言語に聞こえるだけで、その単語の意味が理解できるか否かは別問題なのだ。

全くもってベス泣かせなスキル性能である。


なので本来ならば、アーロンがニャンニャン言葉を使おうがオネエ言葉を使おうが、アリシアの聞こえ方には変化はない。

ただただアーロンが恥ずかしい思いをするだけ。


それは、アリシアの望むところではなかった。

真面目で堅物な婚約者ではあるが、アリシアなりに憎からず思っているのだ。



なのでアリシアはアーロンの話すことを、自分にだけ変化して聞こえる違う言語、にした。


何がどうなってそうなったかは理解していない。

念じてみたらそのように出来た。

おねーさんスゴい。今度会ったらお礼を言おう。


実際のところは、アーロンに作用していると言うより、アリシアの耳に作用しているのだろう。

そして今度おねーさんに会う時は、再び転生する時である。




話はアリシア13歳の頃に遡る。


生クリームたっぷりのケーキに濃厚ハチミツをこれでもかと掛けるより激甘なアリシアの両親が、婚約者であるアーロンに丸投げと言うお願いをした事から「アリシア淑女への道、入門編」が始まった。

因みにいまだ入門編は卒業出来ていない。


「アリシア、きみの柔軟な発想は素晴らしいと思う。だが時と場合は考えるべきだ。」


(アーロンっていつも同じ事言ってるよなー、違う言語にしたらリスニング練習に使えるんじゃ⋯)

アリシアにしては、なんとも殊勝な心がけ。


しかし残念な事にアリシアの言語スキルは、本人が気付かない内に発動している自動翻訳機能付なので、リスニング練習は不要である。

とは言え、何かを習得する為に努力するのは良いことだ。


ところがアリシアは続かなかった。

すぐに飽きてしまった。


そもそもが、わけの分からない言葉の怒涛の畳み掛けにウンザリして、チート言語スキルを手に入れたような人間である。



そして次に考えついたことが、ろくでもなかった。


(なんか違う話し方で聞けば新鮮な気持ちで聞けるのかも!前世の言語もいけるのかな?大阪弁とか?恋人に話してもらいたい方言ランキングとかあったよね!!博多弁だっけ?京都弁とか?うわ、めっちゃ良い!)


「アリシア、ちゃんと聞いとー?また空想に浸っとろうが」

「!!!」


アリシアは楽しんだ。

日本全国の方言で楽しんだ。

出雲弁が気に入ったようだった。


味をしめたアリシアの遊び、もといスキル検証は⋯


刑事ドラマ風は暑苦しくて、親父ギャグはイラッとした。

稲◯淳二風は、真剣な顔で聞いてたかと思えば突然耳をふさいで怒られたし、ミュージカル調の時は、ついつい普段よりお茶を勧める回数が増えて不審がられてしまった。


原始人、宇宙人、ギャル語、厨ニ病風、極道風は意味がわからなかったので、原型を留めないパターンもあるらしい。

でもアーロンのお説教は「淑女マニュアル」なので、多少聞き逃したけど問題はなかったはずだ。



因みに、「イケボで」「超裏声で」は変化がなかった。

何がどうなってそうならなかったかは理解していないが、非常に残念だ。


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