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そう、アリシアは日本で生まれ育った転生者だった。


特筆することが大してない平凡な家庭で、穏やかに健やかに平凡な人生を送っていた女子大生。


初の海外旅行で、現地の子どもをかばって交通事故に遭ったのだが…

「#^@:+$/=@;^!!)={++{^;(_=\-!」


(え?)


「_@{@};)^&:;!!@/!*}^:@=!」


アリシアは転生前も賢くはなかった。ゆえに現地の言葉が全く分からなかった。

なぜそんな国を初の海外旅行先に選んだのか。何となく名前がかわいかったから。


「&:!!+^:+-+@/_:+^:;&・!!!」


(え、何?うるさい、耳元で喚かないで!え?感謝されてんの?文句言われてんの?分かんないって、こわいこわい!分かんないけどうるさい!頭痛い!うるさいうるさいうるさ…)


頭どころか全身が痛む中、わけの分からない言葉を聞きながら意識を手放すと、真っ白な世界に綺麗なおねーさんがいた。

そしてそのおねーさんの言うことには


「此度の貴女の勇敢で見事な行動に深謝申し上げます。貴女が助けたあの子どもは将来世界の貧困問題解決に光明を見出す次代を担う者なのです」


「え、何?うるさい、何言ってるか分かんない。こわい、うるさい、頭痛い」

再びである。


「彼を救った行いは即ち世界の光の一助となりましょう。したがって貴女に転生とそれに伴いスキルを恵与します。いかような要望も可能な限り…」


「わー!やだやだもうやめて、何言ってるか分かんないって!!頭痛いからもう本当やめて!私に分かるように言ってほしい!!」


「分かりました、言語に関するスキルですね。それでは良い転生を」


若干イラッとしたっぽい自称女神様。それでも感謝をしていたのは本当で、投げやりながらもしっかりとスキルを付与してくれた。




(会話が成り立たないおねーさんだったけど。こんなチート能力くれるなんて、実はキレイでやさしくてスゴい人だったのかー)


転生前も転生後も残念な頭のアリシア。

おねーさんは人ではなく神であるし、実はアリシアがスキルに気付くずっと前から、チート能力は発揮されていた。

国境を越えて領地に来る外国人の、言葉が理解できていたのだ。


ただ、あまりにも当たり前に理解できていたため、アリシアは他の皆も同じように理解していると思っていた。


また周りも、普段の残念な様子からまさかアリシアが外国語を理解しているなど、露ほども思っていなかった。


つまり本人含め誰1人として、アリシアのチート言語スキルに気付く者はいなかった。

全くもってチート能力の垂れ流し。無駄遣いもいいところである。



そんなこんなで、自分のチート言語スキルに気付いた在りし日のアリシアは、そのチート能力を活かして、……何もしなかった。もとい、何も出来なかった。


アリシアの残念な頭では、そのチート言語スキルの使い道を思いつかなかったのだ。

まさに豚に真珠猫に小判アリシアにチート能力、である。


とは言え、アリシアの無意識下でもチート言語スキルは発揮されており、ちょこっとした人助けをする事もあったのだが。


国を渡るラブロマンスに発展するだとか、古代の文書を読み解いて国家を揺るがすアレコレに発展するだとか、そんな事は勿論なかった。平和で何より。



もっぱらアリシアが意識して言語スキルを使うのは、アーロンによる説教タイムだ。

アーロンの説教は15分と決まっている、それ以上だとアリシアがもたないから。


まずアリシアの言動の何が悪かったか、どうするべきだったか。続いて淑女とは何ぞや。


これについてアリシアは、アーロンが「淑女マニュアル」なるものを自作して、丸暗記してるのではないかと疑っている。

いつ聞いてもどこで聞いても、判で押したように同じ内容なのだ。



なのでその時間を利用して、スキルで遊…、もとい、スキルの性能チェックに励んでいる。


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