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8話 マリア 学校入学準備

 私は6歳になった。

 この世界にも学校があり、貴族社会では人脈構築の機会として通っている。

 かく言う私も通うことになっている。

 いよいよ、本格的に貴族の社会に突入すると思うと、鬱になり気持ちが凹んでくる。

 取り敢えず前向きに学校に通う準備をしよう。


 私の住んでいるのはイスタール王国の東端に位置するマイスリー辺境伯が治めている街であり、10万人もの人が暮らしている大きな街である。

 また、魔の森に接しているので、冒険者もたくさん居り活気に溢れている。

 冒険者が移動してくるので商人も楽に来れる事から商業も盛んになっている。

 住んでいる人は10万人だが、冒険者や商人なども合わせると12、3万人くらいは居るらしい。

 そういった外から来る人が多い事から、税収も潤っており、街中もしっかり整備されており、王都の次くらいには発展している。

 この街にも学校はあり、騎士科、魔法科、経済科、冒険者育成科などある。

 学校では、6年間の前半3年間は総合で、隔たりなく学び、4年生から専門学科を決めることになっている。

 6学年終了する際には、特に優秀な成績を残した者には、更なる高みを目指すべく、王都にあるイスタール王国大学校にいき、高官僚になるか、研究員になっていくという道がある。

 学校は貴族だけではなく、平民にも入学の権利があり、入学した際には身分に関係なく活動できるように、罰則を設けている。3回警告を受けると退学処分になり、更にその家からは程度により入学を断るくらいの徹底ぶりである。

 なので、学校の評判もよく、生徒だけで1,000人規模の大きな学校になった。


 入試試験はそれほど難しく無いらしく、また、ある程度の入学金を支払えば試験は免除されるというので、入学は簡単にできる。

 ただし、年に4回ある診断テストにより、留年したり退学になったりするのでその点は注意が必要である。

 今までの転生人生の中で学校に通うのは初めてであり、不安はあるが楽しみでもある。


「アリス、頑張って学校に行くのよ。 まぁ、天才のアリスなら大丈夫だと思うけど、留年とか退学は絶対にダメですからね。」


 お母様に学校について一通り説明を受けて、最後に忠告された。


「もっ、もちろんです、お母様。家庭教師達は余裕って言ってました!」


 と張り切って答えてしまった。

 上位成績なんかで卒業すればまた、有名になり大変な目にあうのは、容易に思いつくので、調子に乗らないように注意しよう、とこの時は思ったが、まぁ主人公たるアリスには無理な話……。



 マイスリー領立学校に入学する時がやってきた。

 マリアはソワソワしており、大変に緊張している。なにせ転生するようになってから、初めての学校の入学式である。


「どうしよう、カリナ。 私やっていけるの? 勉強は足りてるの?」


 部屋の中を行ったり来たり……、腕を組み、顎に人差し指をあてながら、ソワソワしている。

「マリアお嬢様、そのように緊張なさらずとも、どこもおかしなところはございません。 ゆったりとお茶でも飲んでお時間までお待ちください。」

 そう言って、そそくさとお茶の用意を済ませ、カップを渡してくる。

「そう言っても、心配で……。」

「お嬢様もこんな時は年相応なんですね。いつもは皆がびっくりするくらい、博識でいらっしゃいますに…。」

「うるさい。仕方ない。 私は不安で仕方がないの!」


 涙目でほっぺを膨らませ、下を向き上目遣いをする。


「可愛いすぎですわ、お嬢様。 ダメです、同性の私ですら押し倒したくなるような事は、学校ではあまりなさらない方がいいですよ!」


 ベッドに押し倒してながら、そんな事を言ってきた。


「何する、カリナ! 私は訓練してるから、そんな簡単にやられないよ!」

「私にすら簡単に倒されているのに、心配ですわ。」

「ゔー☆$°€。」


 やっぱり涙目である。

 私って体は小さい気がするけど、そんなに力がないかな? お父は騎士だから私も少しくらい資質があるはずだよね、きっと…。


 しかしマリアには騎士の資質も素質もない事に気付くのは、割と近い未来なのだった…。

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