7話 魔道具作成練習
さっそくに部屋に戻り木桶に刻んでみようと思う。
まずは魔力の通りを確認してみよう。
「うう~ん。」
通らない、詰まった筒に息を吹き込んでいるようだ。
「えい!」
気合いを入れると大きな音を立てて木桶が割れてしまった。
割れた木桶で練習しよう。
木桶に刻むのは燃え盛る炎。
イメージは酸素たっぷり送り込んだ青白い炎。
桶片にエンチャントしてみると、茶色かった桶片が黒っぽくなってきて炎のような模様が刻み込まれた。
新しい木桶に水を入れ桶片を入れてみる。
当然何も起きない。
「あれ?」
エンチャントってどうやって発動するんだ? 魔力を込めるのかな?
手を触れてみるが反応がない。
家にある魔導コンロはスイッチを触っただけで温かくなったけど、ほかに何かあったかな?
魔石で魔力供給か、触って魔力を供給するかだと思うんだけど、どこから供給するんだろう。
電子回路と同じで、違いは電気の代わりに魔力なんだと思う。
という事は、今の状態は電球はあるが、電線もなく電池もない状態。
改めて桶片を取り出して、魔力を供給する線を、先程刻んだ炎と繋ぐようにエンチャントしてみる。
上手く繋がった感覚があったので、早速魔力を込めてみる。
凄い抵抗があるが少し温かくなった。
う~ん、魔力の通りが悪いのでは無く細いような気がする。
もう一度今ある線を太くするイメージをエンチャントしてみる。
今ある線が太く上書きされていく。
「今度こそ上手くいくかなぁ。」
魔力を込めてみる。
先程よりよく通り、黒っぽい桶片の模様が、やや赤く発光し始め熱くなってきた。
「熱っ! もう持てない。」
持てなくなった桶片は、水の入った桶の中に沈んでいくが、水は少し温くなった程度だ。
「今の私ではこんなところね。触れない位、熱くなるなら魔石を繋いでみようかな?」
炎の魔力を充填した魔石を線を繋ぐようにエンチャントしながら桶片に当て接続する。
すると魔石から魔力が供給され桶の中の水が沸騰しはじめた。
「やったー! 取り敢えずの実験は成功ね。 でも、これでは湯浴みなんて絶対に無理ね。
エンチャントが桶全体にいっちゃったのが失敗じゃなかな~。 制限できないかしら?」
エンチャントしていない桶片を手にとって考えていた。
取り敢えず、お母様に頼んでこの領内にある図書館での閲覧許可をもらえないか頼んでみよう。
また今度買い物に行く際に、職人さんに直接聞こう。
「マリアお嬢様、そろそろ作法の時間です。」
うぇっ、作法は嫌いなんだよな~。
すぐに叩いてくるから嫌。
「お嬢様はお貴族様なので、作法のお勉強は避けれません。 上の方に無作法ですと、下手をすると不敬罪で死罪になってしまいます。 そのような事が絶対に起きないようにお勉強は必要なんです。」
顔に出ていたらしくカリナに怒られてしまった。
「私は魔法とか剣術とかしたいな~、この間みたいに魔道具も勉強したいし…。」
「わかりました。セレシア様に勉強を追加してもらうように頼みましょう。」
「えっ! 入れ替えがいいな~。」
「ダメです! お嬢様は将来絶対に大きなお貴族様に嫁がれると思います。 ですので教養は大切です。」
「特に礼儀作法は大切で……って、聞いてますかお嬢様。 奥様にお聞きしましたところお嬢様に興味をお持ちになっている方が、遠い王都にもいらっしゃるとか、そのような……」
凄く長い時間に渡り、説教されました。
その後に作法の勉強をしましたが、部屋に入るのが遅れてしてしまい、こちらでもコッテリと叱られ、宿題をたくさん出され、湯浴み場どころでは無くなりました。
ぐすん。




