38話 襲撃
危険生物の勉強も済ませ帰るが、いつもの違う道を走っているようだ。
「なんかいつもと道が違うね、どうしたの?」
「道の舗装が壊れているようで修理中だそうです。」
進んでいくと人がほとんど居ない道になる。
「人少ないね。」
カリナの顔も少し険しくなる。
私はいつもと違う道が新鮮で、窓から外の状況を観察していた。
「あっ!危ない!」
人が飛び出してきて、馬車は急停止した。
どこに居たのかわからないが、周りから人が集まってきている。
護衛の騎士が笛を鳴らし制止しているが止まらない。
「近寄るな!いま警備を呼んでいる!」
飛び出してきた人がどうなっているかはここからでは見えないが、御者が降りて何かしている。
「ねぇ、人が集まってきたよ。あっ!あの奥の人と目があった気がする!」
「マリア様、大丈夫です。収まるまで待ちましょう。」
カリナは私を引き寄せそっと抱きしめる。
私はなるべく状況を確認したくて、外を見ているが、次第に馬車に石が当たる音がしだした。
ソーマは私の周りを警戒しながら、飛び回っている。
もう窓のすぐ近くまで来ている。
カバンに入れているタリスマンを出し、胸に握り、勇敢の魔法を使いう。
勇気を出す魔法だ。
お母様!わたし頑張るから!
私はまだ、安全なうちに魔法の準備することにした。
ドアが大きく叩かれている。
まだこっちは大丈夫。
「悪意感知。」
悪意があるものの位置が分かるが全員ではないようで、扇動している輩がいるようだ。
「探知。」
味方の位置をしっかり把握するが、すでに騎士は囲まれていた。
御者は馬車の上に逃げている。
ごめんね、間に合わなくて…。
悪意感知と連動してしっかりとした位置が分かる。
とりあえず、防御を固めよう。
「防御。」
騎士、馬車も含めて固めていく。小石程度じゃ抜けられないシールドだ。
馬車のドアを無理やり開こうとしている音がするが、すでに魔法により馬車は堅牢な要塞とかしている。
私はまだカリナに抱きしめられており、動けそうもない。
カリナは震えている。
「おい!このガラスもドアも破れねえぞ!」
外から叫び声が聞こえると、カリナはビクッと震えていた。
こいつら!カリナを怖がらせたな!
「おい!お前ら開けろ!出てこい!」
それで出てくるやつはいない。
「ソーマ!あいつを痺れさせて!私の指示、分かる?」
マリアは赤点の奴らの位置を伝える。
「わかった!」
空は曇っていないが雷が落ちる。
「「ぎゃあ!」」「「うわ!」」
次々と扇動している輩は倒れていく。
「やばいぞ。逃げろ!」
気絶しているやつを置いていきどんどん逃げていく。
「ソーマ!少しこいつらを懲らしめて!」
「了解!」
シュピッと敬礼のポーズを取り、周りにいるやつらが馬車を中心とした竜巻に巻き込まれて吹き飛ばされていった。
「毒雲(改)」
マリアは少し魔法を変化させ、麻痺毒を馬車中心に発生させる。
最後まで囲っていた輩はどんどん倒れ、動かなくなった。
「カリナ。終わったよ。」
しばらくすると衛兵達がやってきた。
「おい!一体何があったんだ?」
御者は降りてきて事情を説明していた。
「馬車の前に人が飛び出して来たんで止まったんですが、そしたら奥から人がたくさん出てきてあっという間に囲まれて、何とか今のような状態でした。」
「わかった。中には誰が?」
「はい。アレフ・ウェルズ子爵の長女のマリア・ウェルズ様が乗っております。」
「あの、マリア嬢か!中は大丈夫か?」
衛兵が馬車のドアをノックする。
「第6地区担当、部隊長のカインです。」
カリナが馬車のドアのロックを外し開ける。
「中は無事か?この度は私の担当地区での暴動、誠に申し訳ない。すぐに捕まえた奴を尋問し、原因を調査し報告する事をここに誓う。」
カインはすぐに頭を下げていた。
「して、このような地区に何か御用がおありで?」
カリナは図書館を出た後に、道の舗装が剥がれ工事中で、こちらは回り道していた旨を説明した。
「何かきな臭さを感じますね。 すぐに全体会議を開き確認して報告に伺います。」
「馬が暴動の際にいなくなっているようなので、すぐに馬車引きの馬をご用意しますので、暫しお待ちください。」
カインはすぐに馬の手配をし、暴徒を連行して事態の収拾を行なっている。
うちの護衛騎士は気絶していたが、起こされ状況の確認を行なっている。
換えの馬が来るまで衛兵達が見張っていてくれた。
倒れているやつらはみな連行されていった。




