33話 進級後の問題
適正試験は問題なく終わった。
私は当然受かっている、と言うか落ちる奴なんて居なかったらしい。
私は編入してきた人達に囲まれる毎日を過ごしている。
「マリア様、精霊達とはどうやって仲良くなられたんですか?」
「……。」
私は席に座っているが、周りの人が少し鬱陶しい。ずっと付いてくるのだ。
トイレにも付いてくる。
トイレは学校の許可を貰い、全て魔導式に変更した。臭く汚いのは嫌。
教員用を忘れていたら、泣いて頼まれた。
あと何故か精霊がたえず1体つくようになった。エターニアに聞くと連絡係兼護衛だそうだ。ソーマと名前をつけてあげたら喜んでいた。
私の家には沢山のお手紙が届くようになり、母が騒いでいた。
私は適正試験での事を聞かれたが、信じてもらえなかったので実演した。
エターニアは喜んでいたが、母はひきつっていた。
お詫びに沢山作って余っている宝石を使い、ブローチなどアクセサリーを沢山作ってあげた。
疲れにくいように補助魔法も付与したし、プロテクション系もバッチリだ。
ナイフ程度じゃ死ねないよ。
学校の授業は専門科になったので期待したが、4学年では1つだけ専門課程に別れるだけで、今までと同じだった。
ちなみに適正試験の時にこの国で発生した現象はマリアの奇跡と名付けられてしまった。
恥ずかしい…。
「おい!俺の妻になれ!」
無視だ。このような輩は無視に限る。
それに誰だ?こいつ、名前も名乗りやしない。
「おい!聞いてるのか?」
見ると後ろに取巻きが3人程いる。
こいつらも編入生だ。
今年度から生徒が1.5倍増えているが、こいつらもその中だ。
「無礼。次期女王。」
ソーマがあらぬ事を口走っている。
「こら、ソーマ。ダメよそんな事言っちゃ!」
何が次期だ。そんな事を吹聴されたら困る。
ソーマに何かされたらしく、上の空になっているので、席を離れることにした。
「ソーマ、ありがとう。鬱陶しいのから逃げれたわ。」
『あんな奴、追い出しちゃえば良いのに…。』
「そうなんだけどね。ほっとくしか無いわ。」
学校の図書室に向かう。
あそこならほとんど人が居ない。
扉をそっと開け覗くと知らない人がたくさん居た。
「ここもダメね。屋上行こうかしら。」
歩いているとスザンナを見つけた。
「スザンナ、助けて〜。もう鬱陶しくて嫌なの。」
「あー、あれね。沢山増えたものね。」
「…」
マリアは苦笑いである。
「一緒に屋上行こうよ。」
「良いわよ。」
屋上には誰もいなかったので安心だ。
「よかったー。…スザンナ、ごめんね。」
「ん?何?」
「スザンナにも変なの来るんでしょ?」
「うーん、…少し?」
マリアは弱いライトを作りソーマとキャッチボールして遊んでいる。
「その遊び、私でも返せるの?」
「やってみる?」
マリアはライトをスザンナに投げる。
「えい!」
スザンナの手を通り抜けてしまった。
「私のライトでやってみたい。」
ライトは術者の制御下にあるので、術者有利だと思ったのだろう。
マリアはニコっと笑う。
「どうぞ。」
「えい!」
掛け声とともにスザンナはマリアにライトを飛ばしてきた。
マリアはスザンナが飛ばしてきたライトを受け取り、投げ返した。
「あー。やっぱりマリアは凄いわ。」
「うん。私って凄いでしょ♪」
「スザンナ。…ずーと、友達で居てね。」
「当たり前じゃない、言われなくても友達よ。」
マリアの顔は赤く楽しそうだ。
「次の授業が始まるから戻ろ?」
スザンナはマリアの手を取り歩き出す。
教室に戻ると直ぐに先生が来て授業が始まる。
今日の先生はアンジェリーナだ。
なぜかあれ以来、学校に残り先生をしている。
王都の宮廷魔法師団は大丈夫なんだろうか?
「マリア様。今日は精霊について説明致します。」
おい、おかしいだろ。私を名指しした上に様付けなんて…。
睨んでいたら、ソーマが動いた。
ドゴッ!
アンジェリーナを吹っ飛ばしていた。
アンジェリーナはヨロヨロとしながら戻ってきた。
ソーマはマリアの所に戻っている。
みんなはソーマを目で追ってマリアを見ている。
目立ってる。嫌!穴があったら入りたい。
「ソーマ?アレは大丈夫なの?」
ソーマは直立不動のポーズをする。
『大丈夫です。エターニア様の加護がありますので。』
「そうなんだ。私は加護ないの?」
『必要ですか?エターニア様に頼みますか?』
「やっぱりいい。」
戻ってきたアンジェリーナはふらふらしながら授業を再開する。
「精霊を怒らせると私のように吹っ飛ばされます。」
1日の授業が終わり、私は剣術の訓練の補習に自己参加し騎士に負けないように練習している。人一倍訓練しないと、体力がつかないからだ。筋力はほどほどにしている。
ムキムキの男子を見た時は引いてしまった。
私はアレは好きじゃないし、なりたくないと本気に思っている。
敏捷さや、筋力、動体視力などは魔法で強化できる事を本で勉強した。
筋力などはそれで補うつもりだ。
「お前も訓練に来てるのか。熱心だな!」
ダニエルだ。授業後の補習仲間である。
こいつは私を特別扱いしない、いい奴だ。
たまには家に呼んでやろうかな。
「そう言うあなただって、別に補習受けなくても余裕でしょ?」
「はははっ!そうだが、俺はお前にまだ勝っていない。お前を超えなきゃダメだからな!剣術はお前以上にやらないと勝てない気がするからな!」
ダニエルは十分素質あると思う。
私はダニエルを見て頑張っているんだから、勝手にライバルにしてる。
なので、私は補修中や体を動かす授業の時はダニエルをよく観ている。
「なら、お互い頑張りましょう。」
技のマリア、力のダニエルである。
武闘大会出ても良いなら、ダニエルと勝負してやる!
補習が終わり、馬車での帰宅途中にある公衆浴場を見ると相変わらずの大繁盛ぶりだ。
屋台も増え通りが繁盛している。
ウェルズ家の金庫も随分と潤っており、お母様は更に教育に力を入れている。
「平和だな〜。」




