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3話 誕生おめでとうマリア

 ここ数日でわかった事を報告しよう。


 この家は小さな騎士の家らしい。

 母のセレシアが子爵家の出らしく相思相愛のようだ。

 私の名前の基になったアマリエ様というのは、父が仕えている辺境伯の女当主、アマリエ・マイスリーの事である。


 父はアマリエ様の護衛騎士であり、隊長らしい。

 まだまだ数日で、この動けない体での情報収集はこんなもんだ。

 暇なので魔力の訓練でもしよう。


「ばぶぅー」


 意識を集中して、体の中の魔力を感じ、それを体の中心に集める。

 これは魔力の訓練だ。

 この魔力操作を覚えると、魔法を使うのがはるかに効率よくなるし、魔力総量も増える。


 そして筋トレも欠かさない。

 短い手足をパタパタと動かし、少しでも早く動けるように…。

 今はまだ寝返りすらできないが…。


 しかしこの体は、すぐに腹が減る。

 しかも腹が減ると直ぐに体が衰弱してくるのだ。


 死ぬ~、生まれたばかりだとこんなものなのか?


「うぇ、うぇー、おぎゃぁ」

(助けて、死ぬー、お母さま)


 泣いていると、直ぐに母セレシアは授乳してくれる。 生れたばかりは大変だ…。


 そんな生活を繰り返す事1年、1歳の誕生日を迎えた。

 そして私は立って歩けるようになった。

 言葉も少しだけ喋れる。


「ママァ」


 ほら、この通り。えっ! 普通だって。 普通が一番。


「まぁ、私の可愛いマリア。 今日も元気ね。」


 そう言って私を抱き上げて頬に口付けをしてくれる。


「ほ~ら、パパにいってらっしゃいしましょ。」


 アレフはセレシアを抱き寄せ情熱的な口付けを交わしてた。

 そして、私のおでこに口付けをして、手を振りながら城に出勤していった。


 子供の前でなんて破廉恥な父親なんだ!


 父の出勤を見送った私は、直ぐに使用人のカリナに2階にある子供部屋に連れていかれた。

 私は子供部屋で一通り遊び、疲れて寝てしまうと、カリナは家の中の掃除を始めるようだ。


 私は起きた後、いつものように魔力操作の訓練を済ませこっそり書斎に行き、魔法などの本を読むのが最近の日課だ。


 本を読んでいるのをカリナに見られたが、読んでいるとは思っていないようだ、当然だろう…。


 さぁ、今日は魔法を使ってみよう。 これまでの訓練の成果を試すのだ。

 火魔法は危ないので水魔法からいってみよう。


「ついちぇいよてぇあにつとえ、おーた」

(水精よ掌に集え、ウォータ)


 うん、よく言えた。

 皿状にした両手から水が溢れるが、小さい手では受け切れず、お漏らししたようにビタビタになってしまった。

 思わず泣いた。

 とたとたと走る音が聞こえ、すぐにカリナがやってきた。


「あら?お嬢様。こんなに濡れるなんて、どんだけおしっこしたのかしら?」


 水は止めて風にしよう、風なら大丈夫だろう。

 そう思つていたが、どの属性を使っても結局何かしらの後処理が残り、カリナに不思議られることになったのであった。

 ちなみに筋トレは、たぶん普通の子並みにしかやっていない、歩いたりするだけだ。よく考えてみれば、骨格がしっかりできていない今はやめた方が良いと、昔聞いたことがある。筋骨隆々の女子も嫌だしね。

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