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25話 ウェルズ家の公衆浴場視察

大衆浴場が完成したため、マリアは従業員の募集を母に頼むためセレシアの部屋に向かっていた。


「ふんふ〜ん♪」

「カリナ?お母様はどこ?大衆浴場が完成したの。」


マリアは楽しそうに踊りながらカリナに話している。


「はい、セレシア様は部屋で仕事をなさっております。特に特別なものでは無いので問題無いと思います。」

「わかったわ、部屋ね」


そう言いマリアはセレシアの部屋に向かった。

ノックし部屋に入るとエルマーとエミーリアが寛いでおり楽しそうにしている。


「お母様、大衆浴場が完成した。」

「いつでも営業できますが、従業員の手配はどうですか?」

「そう、完成したのね。従業員は60人雇ったわ。来週からでも派遣できるわね。」

「ありがとう!ママ大好き!」


マリアは抱きつく。

エルマーとエミーリアも来て一緒にくっ付いた。


「うふふ。みんな可愛いわ。」

「マリア…。明日、みんなで見たいわ。」


猫のように母親にくっ付いていたマリアは母セレシアの顔を見てにこやかに笑い頷くのである。


「お父様は大丈夫なの?空いてるの?」

「えぇ、たまたまお休みよ。」


よし!お母様のために美容品の準備をしよう!


「分かった!部屋に戻って準備してくる!」

「えっ!そんなに早く準備しなくてもいいじゃない?」

「うん。でも早く準備したいから!」


マリアは元気に答え、すぐに部屋を出て行った。


「また、何かやりそうな予感がするわ…。」



マリアは部屋に戻りポンプを作ることにした。

ガラスで瓶を作り、鉄でバネと小さな球を作る。プラスチックはないので木材、金属、ガラスで作ろう。

ポンプはそれほど難しく無い。

ポンプヘッドを押す際は上の球が浮き溢れた液が口から出てきて、バネでヘッドが戻る際は下の球が浮き前室内に液が補充される。

逆さまにでは使えないよ。

次は化粧水と乳液を作ろう。ついでに日焼け止めもだ。

まずは台所に寄った。

オリーブオイルと軟骨、皮を回収っと。

部屋に戻り、軟骨を乳鉢にいれ魔力を込める。最近はインチキのように魔力で抽出している。だって便利なんだもん。

あっという間に、乳鉢にトロッとした液体がたまる。

次は皮だ。

同じように乳鉢に皮を入れ魔力を込め、別に容器を用意して分離させていく。

こちらは結構取れた。

次はオリーブオイルからワックス作りだ。

魔力を込めて分離させていく。

上澄み液を捨てる事を繰り返し結晶だけにする。

最後に宝石作りと同じで鉱石からチタンを集める。それを両手で持ち魔力を込めるとあっという間に白い粉になった。

うん。便利すぎて人に教えられないな。

大量生産する時はまた、エンチャントして魔道具化しないとね。

1瓶分位はあるかな。

さて、まずは化粧水だ。

ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、精製水を混ぜるだけだ。

次は乳液。

化粧水とオリーブオイル、ワックス。

オリーブオイルとワックスを入れ魔道コンロで温める。溶けて透明になったら化粧水を投入。

コンロから下ろし、白くなるまで混ぜる。

容器に移し、冷やして完成。

最後におまけの日焼け止めだ。

またまた、オリーブオイルにワックスを入れ温める。

水にチタンを入れ温め分散させる。

2つを混ぜてクリーム状になったら完成。

容器にラベルを貼り完成。

私の体で試してみよう。パッチテストだ。

腕にそれぞれ少量を付け待つだけ。

うん。特に害は無しっと。

使ってくれるかな?



次の日みんなで浴場に来た。

エルマー、エミーリア。驚け!これがお姉ちゃんの考えたお風呂だ!

というわけで、私とお母さんで選んだ厳選した家具やデザインをとくとご覧あれ〜。

入り口に入り、まずは受付…、まだ無人ですけど、何か?

お父様は裏方が見たいという事で、まずは裏方。

受付の奥の棚エリアを抜けると扉。

開けると廊下があり裏口、倉庫、スタッフルーム、ミーティングルーム、執務室、なんと社員食堂まで作った。

外の警備員は裏口から入ってもらうのだ。

お父様もビックリしている。これは親方達のアドバイスとの融合で作ったからね。

そして、1階エリアを順番に回った。

さあ、遊戯室に行こう。

まだ、スタッフが居ないので、自由に使えるトランプとルーレットで遊び、みんなでダーツ、エアホッケーで楽しんだ。

エアホッケーはエルマーとエミーリアに大受けだ。

チェスも置いたがルールが分からないと難しいだろう。

鼠レースは今でもできるので、頑張ってもらった。

鼠にはチーズをあげ労っておく。

一応、人気が出れば演奏できるようにスペースは空けてある。

食堂は当然稼働していないので、見るだけ。

お酒類だけ用意されている。カサンドラ商会が準備してくれている。

お父様、その1本はお風呂で飲むつもりか?

宿泊エリアも見ていく。家族で泊まりに来ようという事になった。将来は山奥の温泉旅館とかも作るぞ!

いよいよ、ずーと動きっ放しのお風呂エリアだ。

まだ、営業していないので、混浴で入浴だ。

寂しいでしょ…。

お風呂は基本家のものを大きくしただけだ。

配置は親方達と考えた。


「受付でもらうこのブレスレットに書かれている番号の扉が開くの。他にかざしても開かないわよ。」


エミーリア達は楽しかったらしく、色々にかざしている。

では、お風呂だ。みんなは入浴マナーを知っているのが、壁看板などの注意事項を読みながらやっているが、ここにはスタッフも見回らせる予定だ。

だって文字読めない人多いもん。


「ふふふ、エルマー、エミーリア。こっちに凄いのあるから行きましょう。」


マリアはエルマー、エミーリアを連れてスライダーに向かう。


「うわー!何これ!エミーリア行くぞ!」


エルマーは楽しそうに滑り始める。

ザパーン!

3人並んで一気に滑ると更に楽しい。

よく見ると露天風呂で、お父様とお母様は、先程持っていったお酒を飲んでいる。

もう1人位できそうだな。

みんなで、露天風呂になだれ込み、エミーリアと私はお母様に抱きついた。


「あらあら、甘えん坊さんね。」


母はうれしそうである。

エルマーは父のそばで入っている。

エルマーも一緒に甘えれば良いのに…、私より大人だな。


「お父様、お酒を飲むなら屋上がいいと思いますわ。あそこは景色を楽しみながらお酒を飲めるようにしましたから…。」

「そうか。後でみんなで行こうか。」


お父様もスマイルだ。よかったみんな楽しめて。


「お父様。この大衆浴場はお客さん来るかしら?」


私は作りはしたが、集客はしていないので、前評判はわからない。

今のご時世、入浴なんて上位貴族しかできないものだ。

現にマリンベル工務店にも注文は多くない。


「まあ、だんだん増えるだろう。値段安い日とか作れば来てくれるんじゃないか?」


うまくいきますように…。



さて、屋上のお風呂だ。

お酒はぬるくなったので私が冷やしてあげた。

ビックリしていた。


「うわー!ここは景色が良いなー!」

「朝日とか夕日とかも凄いからね。夜は真っ暗だけど…。」


マリアは夜景も期待してたが、よく考えると灯りなんか殆ど無い時世なので真っ暗だ。

とりあえず作ったスキンケアグッツを私と母で試すため塗って貰った。

効果を感じるのは少し先の話だ。


帰る前にキャッシュレスについて説明して欲しいとの事で説明する。

貴族用はツケで支払いをして、月に纏めて徴収する。

一般向けは入場時にお金を振り込んで、後であまりを返却する。

足りなくなったら近くのスタッフに言うと入金できるようにする。


「なかなか便利なシステムだな。街でも使えるよな。一度アマリエ様にも言ってみるか。」

「そういえば、魔道具がふんだんに使われているが、魔力供給はどうしてるんだ?」


マリアは固まっている。


「あー!お父様に頼んで貰うつもりだったのに、忘れてた!」


マリアはアマリエ様に頼もうと思っていた事を説明する。半強制的に魔力を搾取するか、充填させるようにしたい。当面は私が充填しなんとかする。

とは言え魔石を巨大にしたため、満充填状態なら1週間以上持ちそうだ。


「ちょっと魔石を見せて貰っても良いかな?」


充填エリアからは魔石は見えないようにしている。犯罪者はなんでもするからだ。

なので魔石はわからないように隠している。


「わかったわ。地下に隠してあるの。」


マリアは案内のため執務室に入り本棚の中に隠している認証機にカードを読み込ませると本棚が奥へスライドした。

床に現れた階段を降りると巨大な魔石が置いてある。

大きさは2m以上ある。それが奥にも1つある。


「凄まじいな、こんな大きな魔石をどうやって用意したんだ…。」

「ん、それは家で実演する。」


家にあるものの数十倍の大きさだ。

コツコツ集めて頑張って作った。

あまりの重さに動かせないのでここに据え置いた。

ふふふ、魔導科学ではこれに人工知能を組み合わせ都市核として使うの。

本来は地脈や龍脈といった源泉から魔力を供給して使うんだけど、それだと使いすぎちゃうと土地が弱る。

うまく人の魔力で回せるシステムが出来上がれば魔力の訓練にもなるしいいと思う。

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