18話 我が家の浴場
「マリアちゃん!ちょっと来て!」
もじもじしている子がおり、一生懸命に私を呼んでいる。
「よし!私が連れて行く。カリナいいわ。」
カリナがいこうといていたが断って私が行く事にする。
決して逃げるわけではないよ。
「アンゼルナ、行きましょう?」
恥ずかしそうな顔をしているので、直ぐに連れて行く。
さぁ、どんな感想をしてくれるかな?この魔道具について。
「私の家、最近厠は作り変えたの。椅子型の魔道具だから、使い方教えるね。」
「早くお願い。」
アンゼルナは男爵家の生まれだ。
でも、便器なんてものは、私のオリジナルだから知らないだろう。
とくとご覧あれ〜。
扉を開けると白い便器が鎮座している。
横にはお尻拭き用の紙が置いてある。
これはまだ固いので改良しなければいけない。
部屋の壁は白く魔石が嵌っている。
それを触ると、浄化魔法が部屋にかかり不快な臭いが消えるのだ。
便器には流すボタンとお股を洗うボタンがある。
流すボタンを押すと汚物は流れて行く。
洗うボタンを押すと洗ってくれる。
一通り説明してマリアは外に出た。
「きゃ!」
バタバタバタ、バタン!
扉が勢いよく開き息が荒く、赤い顔をしたアンゼルナが立っていた。
「何よあれ?」
「びっくりした?どう?凄い魔道具でしょ?」
ドヤ顔で鼻息が荒いマリアである。
「まあ、清潔で今までの厠が嘘のようね…。」
ふふふっ、中々良いものができたからなー。
宣伝に公衆トイレ作ってみようかな。
工事期間だけ置いちゃおう。
そのあとアンゼルナと他の魔道具の話をしていたら、浴場にも興味を持ったらしく、帰りに入って行く事になった。
会場に戻ると、まだ魔法の話をしていた。
「あっ、アリスちゃん戻ってきたよ、みんな。」
「精霊魔法もマリアちゃん使えるよね。」
今度は精霊魔法を教えて欲しいようだ。
「精霊魔法は、精霊にお願いして使う魔法なの。だから普通の魔法より魔力消費が少ないよ。」
精霊にお願いするので、親密度が高いほど効果が高くなり、消費魔力も少なくなるのだ。
私の場合だと…、喜んで手伝ってくれる。
「どうやってお願いするの?見えないよね。」
アリスはいつものように、顎に人差し指を指し考える。
「うーん。あっちの世界に居る感じ?精霊界?に居るから呼びかける?感じ…かな?たぶん…。」
「!?、どこの事?」
『お願い出てきて。』
仕方がないので、マリアは精霊語で呼びかけてみた。
『はい!』
精霊のシルフが出てきてくれた。パタパタとマリアの周りを飛んでいる。
『普通の精霊魔法ってどう使ってるの?』
『そうですね。属性が付いた精霊石を使って私達に呼びかけ、やって欲しい事をお願いする感じですかね。』
うん、触媒があると良いのね。
「みんな、ちょっと待ってね。」
そう言い、家に確保している魔石を持ってきる。
「じゃあ、いくよー。」
マリアはそう言うと、小さな魔石に風属性を付与し、魔石に口付けをした。
「お願い!枝を切り飛ばして!」
そう言って、庭に生えている木の枝を見ながら枝を意識してお願いする。
ドサッ!
イメージした場所の枝が綺麗に切り落とされた。
「どう?こうすると発現しやすい。」
「すごーい。私でもできるかな?」
「精霊に嫌われてなければできるけど、練習は家でしてね。」
魔法の話は終わらせ、私が作った魔道具の話になり、実物を使い説明する事になった。
最初にみんなを撮った写真機。
ざっくりと説明するが、よく分からないようだがみんなの写真をプリントして渡すと驚いている。
次は、最近作った便器を紹介しよう。
あまり綺麗な場所ではないが、厠を体験したいという事で使い方を説明して体験してもらった。
トイレは落ちそうになった人もいるみたいで、家に帰って相談するそうだ。
まだ、値段設定してないから、お母と相談して販売しなきゃね。
時が経つのが早く、パーティは終わり、最後に浴場体験をしていく事になった。
よし!このお風呂の良さを広めるチャンスだ!
残念ながら時間が無くて入れない方とは次に入る約束をしてお土産を持って帰っていった。
ふふ、お土産も頑張って作ったものだから、びっくりしてくれ!
「ごめんなさい、遅くなったわ。さぁ、みんなで浴場よ。カリナいい?」
「はい、マリア様、問題ありません。」
「よし、行きましょう。」
マリアは我が家の浴場が賑やかになる事が嬉しかった。
広くなり過ぎて少し寂しかったのだ。
「まず、ここが入口よ。」
日本の旅館のように暖簾がかかっている。
中に入ると脱衣所になっており、棚には籠が置いてある。
籠の中には沐浴衣と手ぬぐいを入れてある。
「みんな、沐浴と同じだから、わかるよね。」
みんなで沐浴衣に着替え、いよいよ浴場に向かう。
脱衣所から浴場に向かと、また部屋がある。
その部屋は脱衣所にあまり水気を入らないようにするためと、温度差を減らすため作った。
そこを出ると感動の浴場である。
浴場に入ると直ぐに大壺にお湯が張ってある。
これでかけ湯をしてお湯に慣れる。
次は壁際に作ってある洗い場にて、体と頭を石鹸で洗う。
さて、感動の石鹸を体験して貰おう。
「さぁみんな、ここを押すとお湯が出てくるから、この手ぬぐいを濡らして、石鹸を付けて泡立てて下さい。」
「うわー、いい匂い。」「えっ、何これ?」
ふふふ、良い返事だ。
マリアはみんなに見えない様に下を向いて黒い笑いをしている。
「さあ、体を洗いましょう。」
私はみんなに、この石鹸の良さを分かってもらうため、洗い方を実演して教える。
ふー、いつもより気持ちがいい。
「次は髪を洗いましょう。先ずはお湯で頭を洗います。」
「こっちの液体の石鹸を手の平に受けて、泡立てて下さい。」
マリアはみんなに見えるように、両手で軽く擦り合わせ泡立てていく。
「髪を洗いますので、泡を髪につけ、揉むように洗っていきます。」
「あっ!目に入ると少し痛いから気をつけてね。」
「後はよく濯いで終わりです。」
マリアはみんなの方を向き、満面の笑みで見る。
どうだ、みんな。気持ちいいし、いい香りだろう?さあ、感動の言葉を私に浴びせてくれ!
「わぁ、髪がいつもと違う気がする!」
「いい香り〜。いいなーマリアちゃん」
はー、やっぱりいいわー。
この感動して見られる感じ。
「ふふ、今わたし、公衆浴場を作っているの。完成したらみんな呼んで、試浴よ。」
さあ、こんな場所で立ち止まらないと、いよいよ浴場デビューよ。
感動の雨をまた降らして!
「次は湯浴みよ。凄いからね!」
まるで遠足のように進んでいく。
カリナもいるが楽しそうに私を見ている。
まずは檜風呂だ。
掛け流しでお湯を出しているので、湯気が凄い。
マリアは最初に風呂に入る。
他のみんなは恐る恐る入ってくる。
ふぅ、気持ちいい、私はやっぱりお風呂好きね。
「どう?ここは檜風呂て、外に出ると岩風呂があるわ。」
「他には蒸気風呂と壺湯、寝転んで入るお風呂とかあるから楽しんで来て。」
マリアは湯船に浸かると、もう溶けてしまった。感動を見るのも疲れてしまい、若干眠そうである。
「それでは、続きは私達がご案内します。」
そう言ってカリナとメイリーンは案内係を買ってくれた。
こうして、マリア主催のお茶会?は終了したのである。
この後、我が家の主人に問い合わせが増えたのは、仕方がない話である。
ふふふ、次は何を作ろうかな?




