17話 お茶会
トイレ設置の工事が始まった。
マリアは始まる前に、工事の方達に一つずつ魔石を渡した。
この魔石は浄化魔法が掛けられており、持ち主を絶えず浄化する。
これ一つで汚れ知らずの臭いつかずである。
この魔石は一週間位効果が続くため、後々大ヒット商品になる。
その為、市場の魔石の卸価格が上がった事から、冒険者達は大喜びだった事は、また別の話…。
直ぐに厠の解体が始まり、マリアが壁や床を魔法で綺麗にしていき、あっという間に便器が取り付けられ、外の処理槽に繋げられた。
その他に台所、浴場などの水場の排水もこの処理槽に繋げられた。
いよいよ処理槽とトイレの運用である。
処理槽は結局、元の場所に大きく穴を開け作り、もう一つはメンテナンス用として、交互に使用する事になった。
魔力に関しては、魔力補充用に大き目の魔石を準備し、時々誰かに充填する事を依頼する事にし、充填量は色で分かるようにした。
充填は月に1回で良い。
汚泥の回収は週に1回の予定である。
「お母様、いつでも入っていいのです。」
「マリア、今は恥ずかしいわ。皆様が帰ってからね。」
お母様の笑みが怖い。
「それではあっしらは帰ります。また御用がありましたらいつでも仰ってください。」
工事の方達がまだいる中での会話であった。
マリアは見送った後、お母に怒られ、カリナにも怒られた。
お茶会当日になった。
庭にはテーブルが並べられ、日除けのシェードがかけられた。
テーブルには花が飾られ、ケーキやクッキーといったお菓子を準備した。
後はみんながくるばかりだ。
ちなみに、ケーキはフリーズの魔法をかけた蓋で冷やしている。
「みんな早くこないかな〜♪」
マリアは椅子に座り足をパタパタしている。
待ちに待ったお茶会初デビューである。
ちなみに給仕は臨時で人を雇った。
「お嬢様、お見えになられましたよ。」
「きたー!うおっほん。」
「では、カリナ。お招きして。」
「了解しました。」
私ならできる、できる!
お客様1号はスザンナだ。
「アリス!本日はお招き頂きありがとうございます。」
「スザンナ!ありがとう。来てくれて私、嬉しい。」
「じゃあ、写真で撮らせてね。」
マリアは入り口に立ち一人ずつ写真を撮っていた。
写真機の魔石は複数の画が保存できるため、その場でプリントはしなくても良いことがわかった。
ほとんどデジカメである。
そのうちカラープリント開発しなきゃね。
全員の写真を撮り終わったので、写真はカリナに任せ、私は緊張の挨拶に向かう。
今日はクラスのみんなが参加してくれるので、挨拶をする事になったのだ。
また、今日のために服は新調した。
ピンクのワンピースドレスでスカートはフィッシュテールにした。
この時代では多分、稀な物を作ってもらったと思う。
本来は1ヶ月以上かかるが、お金を積んで1週間という、とんでもない短い期間でオーダーメイドのドレスを作ってもらった。
地獄の沙汰も金次第とはよく言ったものだ。
ことわざは、ここでは通じないけどね。
あと、頭にはヘッドドレス。
小さめのガーランドをアクセントとして髪につけた。
初めてなので結構お洒落したと思う。
「本日は…、お集まり頂きありがとうございます。お恥ずかしい話、私マリアは、学校に入学した当時は全く友達は作らずに、本ばかり読んでいました…。」
「最近はその時に勉強した魔法の力を借りて、このような沢山の方と巡り合うことができました事を嬉しく思います。あまり広い場所では無いですが、精一杯頑張ります。」
「あの、お菓子などを用意しましたので、ごゆっくりお過ごしください!」
パチパチパチパチ。
うれしい。みんなが私を見てくれる。
これから私はどうしたいか、分からないけど精一杯生きて、みんなを助けるんだ!
テーブルに戻ると、スザンナがお祝いをくれた。
「マリア!凄いたくさんの人ね。今日は誘ってくれて、ありがとう。そのドレスも凄く似合ってる!可愛い。」
「ありがとう、楽しんでね。」
さぁ、これから私は忙しい。
みんなの所に回って挨拶していかなきゃいけない。
ふふふっ。今日は我が家自慢の大浴場も体験して貰いたい。
なんとこの大浴場、公衆浴場を作ると決めた時の実験で大幅に大きくなっている。
勝手にやったから怒られたけどね。
そして、我が家のティーセット。
楽しくなって作ったら、なんとびっくり、親も認める高級セットになった。
とは言え、7歳児には分からないかもしれない。
そして、トイレ。
初めて見るトイレにどのような感動があるか楽しみである。
お茶会は母もやるみたいだから、その時に使いたいと言われている。
更にお土産のペアカップも頼まれている。
今度クリスタルグラスでも作ってみよう。
魔法万歳です。
ケーキを堪能し、クッキーを食べながらみんなと魔法について話している。
「ねぇ、マリアちゃん。どうやって魔法を覚えたの?」
うん、私は赤ん坊の時から魔法を使うべく、鍛錬をしていたから、どうしようかな…。
「うーんとね、家に簡単な魔法の本があって、それを見てたら使えるようになったの。」
集まってきた人からは本を見せてほしいと言われたので持ってきた。
「普通の初級の魔法の本だと思うけど…。」
机におくと、代表でスザンナが本を開く。
難しい顔をしてページをめくっている。
「マリアちゃん、この本は何才から読んでたの?」
私が悩んでいたら、代わりにカリナが答えてくれた。
「マリア様は1歳から見てました。」
「えー!1歳から読んでたの?」
「うーん。そんなの覚えてないよ。」
自分の話は恥ずかしい。
あの頃は一生懸命だったから…。
でも魔力訓練は辛くても欠かさずやってます。
「ねぇ、アリスちゃんの魔法って、同じ魔法でも全然効果が違うよね。」
「そう?慣れれば強くなると思う。けど、イメージが大切…、かな?」
「あと、呪文の節の意味を理解して、それぞれをイメージしたりするとより効果ぎ強くなるよ。」
マリアは人差し指を顎に当てながら話している。可愛いらしい癖である。
「例えば…、光球ね。『光よ集いて我道を照らせ』の、『光よ』の時にどんな光か考えるの、例えば色。」
「次の『集いて』の時には、光を集める事を強く念じるの。」
「あと、『我が道を』の時は照らしたい光の場所を決める。」
「最後の『照らせ』は何となく持続時間を決めるのよ、一瞬とかもできるわ。」
だんだん、みんなの輪が狭くなってくる。
「でも、マリアちゃん、詠唱あんまりしてないよね。」
「詠唱は口でしなくてもいいの。でも、口にした方がイメージしやすいから詠唱はした方が効果が高いよ。」
「へー。凄い勉強になる。」
「マリア様、本を読み始めてから、たまに全身が濡れていたのは、魔法の練習をしてたんですね。」
あの時はバレないように水生成ばかり使用していたが、今思えば光球や暗黒の方が良かった。
「凄い!そんな小さな時から魔法使っていたの?」
「う〜ん、覚えてないから…。」
だんだん囲いの輪が狭くなってきた。
「魔法はここで使うと危ないから、今度学校の訓練場でやろう?」
周りを見ると凄くみんなに注目されていてなんか恥ずかしい。
「い、今はお菓子食べて、お話しましょう?」
マリアは顔を赤らめながら逃げるのだった。




