16話 我が家の問題児
こってり絞られたが、便器は完成した。
だが、公衆浴場もそうだが、汚水を大量に作ると、下水処理問題が解決できない。
まずは処理法だ。
カリナに以前怒られついでに聞いたところ、家の場合、溜めておいて、流れの魔法使いに焼いてもらって処分らしい。
一般家庭では、自然任せのようで、たまに浄化をかけてもらうそうだ。
しかし、今回のように大量に汚水を作ってしまうと、焼いてしまうとかはできない。
水の方が圧倒的に多いからだ。
他の魔法に頼る場合は浄水か浄化だ。
浄水され水は綺麗にできる。
でも、汚泥は残るので回収しなければならないが、水の中になってしまう。
他に考えたのは、精霊に頼む方法だ。
確かに浄化は可能だろう。
ただ、永遠にやらせるのは恐い。
彼らは確かに自然の浄化を仕事にしているかもしれないが、人工物の浄化は制御が難しい。
下手したら全部自然に帰ってしまう。
最後に考えたのは、魔法に頼らない方法だ。
汚水を集め大きなゴミを取り除き、微生物の力を借りて処理をして水を綺麗にする。
そこに溜まる汚泥も、自然に返さないといけない。
下水処理施設が必要になる。
その場合、臭い問題もある。
当然汚水は汚れており、臭い。
よし!まずはトイレだけで考えよう。
簡単汚泥処理という事で、まずは大きな麻袋を用意してもらおう。
他には汚水を溜めておく場所だ。
とりあえず便器を作ったように粘土で作ろう。
「よし。ここにしよう。」
お風呂の排水近くに穴を開ける。
「掘削。」「掘削。」
土魔法で地面に大きな穴を開ける。
穴の床と側面を粘土化する。
「粘土生成」
次に魔石を嵌めて…。
「撥水。」
「吸水。」
よし、エンチャント終わり。
さて、実験だ。
まずは、水を溜めて魔石を触る。
「やった。水がなくなった。」
今日の実験は終わりだ。
便器を運んで!?重い…、動かない。
あとで運んでもらおう…。
その夜マリアは庭に開けた大穴についてお母にこっ酷く怒られた。
久しぶりに恐ろしくて泣いた。
お母様恐いです。
今度から勝手にやりません。
お母様を呼んで説明しながらやります。
ごめんなさい。お尻叩かないで…。
次の日、お母様やカリナが見ている中で続きを行う。
ちなみに麻袋は用意してくれた。
「えーと、お母様。これは便器です。」
「用を足す際に座るものです。」
「本来は下着を脱ぎますが、今はそのまま座ります。」
マリアは便器に座る。
「ここを触ると水が流れ、汚れが流れていきます。」
水が便器裏から流れてくる。
「本来は管でこの穴に繋げます。」
マリアは麻袋を持ってきて、袋の中に土を少し入れ、穴の中に落とす。
「えー、今は土を入れましたが、本来は排泄物などが入ります。」
マリアは壁にある魔石を触る。
「ここを触ると壁の汚れが落ち、麻袋内の水分が無くなります。」
麻袋を引き上げる。
「この通り、乾燥されます。」
麻袋を開け、中をみんなに見せ、説明した。
「この麻袋はこのまま、廃棄処分でも、畑に撒くでも良いです。」
「これで実験は終わりです。」
「何か質問はありますか?」
マリアは静観して動かない人達の顔を覗き込む。
「お母様?早速取り付けても良いですか?」
「えっと、マリア?ちょっと私も座ってみて良いかしら?」
「えぇ、どうぞ…」
「ふー。座りこごちは悪くないわね。それでこれを触るのね。」
母セレシアは、違うのを触ってしまった。
「あぁ!お母様!それは違う!」
シャー。
母セレシアの股部を水が襲った。
「きゃ! な、何?」
びっくりして飛び上がって濡れたお尻を触りマリアに迫ってきた。
「マリア!ちゃんと説明しなさい!」
マリアはすぐに謝り、説明する。
さて、取り付けても構わないという事ですが昔の物が臭くて邪魔です。
私たちでは、やりたくないという事で、久しぶりに親方に頼みます。
別に親方がやるわけでは無いよ。
親方の知り合いが来るのよ。
話が通り、お茶会前日に突貫で工事してくれる事になった。
急ぎなので、私が浄化魔法役である。
少し暇になったので、クリエイト系で遊んだ。
まずは、ティーカップ、皿、ポットである。
金貨を潰し金でデザインしてみる事にする。
魔力チートで、金、銀、銅、鉄を魔力で溶かしては模様をつけていく。
カップの内側には紋章を入れる。
我が家の紋章は、盾に両サイドユニコーンが支えており、盾の真ん中には二本の剣がある。
カップは昔見た高級カップをイメージして、描いた。
夢中になり、いつのまにか夜だ。
たくさん作った。
魔法で乾燥から焼きまで行い揃えてみた。
なかなかの良いものが出来た。
カリナが部屋に入って来た時ティーセットを見て非常に驚いていた。
マリアは知らない。今後このカップがもたらす大変な事件を…。




