13話 友達100人できるかな?
いよいよ2年生になる。
成績により、クラス替えがあり、運動系以外は成績優秀だったので、Sクラスになった。
今までは好奇心から、大人な仕事をしていたが、お父に言われた後、お母にお布団の中で説明された。
私はまだ子供であり、お金は持っているかもしれないけど、常識を知らない。
このままでは、世間知らずの我儘な嫌な娘に育ってしまう事になると諭された。
全くその通りである。
はっきり言って、学校は勉強をするところと勝手に思い込んでいた。
でも、常識を学ぶ場所でもあるのだ。
貴族なら貴族の常識。
平民なら常識以外に貴族に対する態度なども学べる。
1年生の時は全然興味が無く大人の振りをする超生意気なガキだった……反省。
まずは友達を作ろう……。
◇
……私はマリア、7歳。
いざ友達を作ろうとここ数日頑張ってみたが、すでにグループができており、中々中に入れない。
どうしようと講堂の机に座り一人で頭を抱え悩んでいた。
友達100人できるかな♩
歌が頭に流れてくる。
そして歌に突っ込んでいた。
「友達100人できる人格者だったら何でもできるよね。」
死んだ魚の目になっている。
「浄化」
おかしい、私の周りに人のサークルができている。
なぜ、二メートルくらい距離を取る?
私は前を見る、サッと視線を外される。
横を見る。同じように視線を外される。
こうなれば、営業スマイルだ!
ニコッ。
会心の笑みだ。
家ではこれをすると直ぐに抱きついてくれる…、私の武器だ。
周りのみんなはと言うと、
ビクッ!と体を震わせそそくさと、更に距離をあける。
何故だ!
おかしい、ここではこのスマイルも通用しないのか?
よ、よし。
こっちにも考えがある。ふふふ。
魔法の授業が始まった。
2学年からは魔法の授業が始まる。
「今日は生活魔法について、お話ししたいと思います。生活魔法といっても、私たちが『生活』と括っているだけで、他と同じ魔法です。大きく括りわけされているのは、今私達が使っている…」
この国での魔法について区分けについて説明されている。
質問してみよう。
「先生。」
「何ですか?マリアさん。」
こちらに向き直り質問を受け付けてくれる。
「精霊魔法は、精霊にお願いして各属性の魔法を使う事になると思うんですが、精霊は見えません。この教室にも居るんですか?」
「面白い質問ですね。」
「私でも見えません。精霊魔法は、どこに居ても発動するようですが、もし、そこら中に精霊が居るんなら、精霊に溢れすぎているという説があります。」
「なので、精霊はもっぱら精霊界に居て、精霊魔法で呼び掛けて、魔法を手伝ってもらう、という説が正しいと言われています。」
「でも、証明はされていません。もしかするとそこら中に居るのかもしれません。わかりましたか?マリアさん。」
「ありがとうございます。」
うん。知ってた。
伊達に転生を繰り返して無いからね。
研究まではしてないけど、どうもこの世界は共通の法則みたいだから、今度試してみようかな。精霊に嫌われて無いといいけど。
「それでは、生活魔法の実演に行きましょう。」
先生は水の入った桶を待ってきて、黒インクを垂らす。
「皆さん、良く見ていてくださいね。後でやってもらいますから…。」
『穢れを浄化せよ、浄化』
ゆっくりと水の濁りがなくなり、歓声が湧き上がる。
「わぁ!魔法だ!」
先生は柏手を鳴らした。
「はい!それでは魔法の練習です。前に来てください。」
みんな集まり、皆それぞれが浄化魔法を唱えている。
ほとんどの子が魔法を発動させれずにいた。
「落ち込まないように!何度も練習すればきっとできるからね。」
詠唱が上手な子もいるが、魔力操作ができていないようで、うまく発動させれないようだ。
私は今回は呪文を詠唱して生活魔法を使って終わらせている。
ふふふ。黒い笑いだ。
作戦通り、友達100人できるかな作戦開始だ。
わからない子たちに魔力の操作方法を教えてあげよう。
まさかこんなに居るとは思わなかったけどね。
「あら、魔力の使い方がわからないのね。」
使えなかった子達が私を見ている。
どんどん私を見て!
「まずは魔力を感じる事から始めるの。目を瞑って、集中して…。」
集中したくらいで分かるなら魔法は使えているはずだが、当然わからないだろう。
近くに居た女子の手を握る。
「今から魔力を送るから、感じてみて。」
女の子は私の手を握り返して、目を瞑り集中している。
「行くよ。ゆっくりと行くからね。」
魔力を少し流してあげる。
そうすると、女の子は一瞬体をビクつかせ目を見開いた。
「大丈夫よ。感じる?これが魔力よ?」
女の子は大きく頷いている。
「じゃあ、魔法使ってみて?魔力を感じながら使えばこの魔法なら発動すると思うわ。」
早速魔法を唱えている。
「穢れを浄化せよ、浄化」
桶の中の水がきれいになっていく。
「やったー!マリアちゃん、できたよ魔法!」
飛び跳ねて喜んでいる。私も一緒に喜んだ。
「よかったじゃない。えーと、スザンナ。」
初めて友達ができそうな予感がする。
よーし、友達たくさん作るぞー!
魔法ありがとう。次々いくぞー。
「教えてあげるから、円になって手を繋いで〜。」
私の手を取り、みんなが繋がっていき、最後に私に繋がって輪になる。
私の心の中はドヤ顔だ。
「いくよ。集中していて。」
右から魔力を流すと、左に戻ってくる。
戻ってきた魔力は色々混ざっていた。
念のため、左からも流す。
「みんな、どう? 魔力わかった? 分からないなら私の所に来て?」
少し残っていたが、私が両手で魔力を流してあげると、感じれたようだ。
「マリアさんは進んでますね。そのようなやり方で魔法が使えるようになるなんて、私は知りませんでした。さすが、技術申請している方は違います!」
「先生も教えて欲しいですね。」
「えへへ。 じゃあ、精霊魔法を試しても良いですか?」
顔がゆるゆるだ、笑いが止まらない。
「えっ!人族でも精霊魔法使えるんですか!」
「精霊に嫌われていなければ、いけるはず。」
みんなが注目している、成功させねば…。
「風の精霊シルフよ、呼び掛けに答え顕現せよ。」
魔力を込めた精霊語で呼び掛ける。
お願い。来てー!
『はい!呼びましたか?』
可愛い羽妖精が直立して浮いている。
「あら?あなたがシルフ?」
『はい、私は何をすれば良いでしょうか?』
丁寧だ。
「凄く丁寧だけど、いつもこうなの?」
『いえ、あなた様は特別です。私達から見ても神に近いとこまでいってます』
私は新事実を知って驚いた。
そういえば女神様にも言われたような気がする。
ちなみに精霊との会話は口ではなく、意思…念話?で会話している。
「あっ、えーと、みんなに見えてる?こちらが精霊のシルフ。初めまして…だよね。」
皆がビックリしている。
先生も固まっている。
「じゃあ、悪いけどシルフはこの講堂のゴミを風で集めてみて。」
『了解しました』
最敬礼である。
あっという間にゴミが集められたので、私はチリトリで集めゴミ箱に捨てた。
「ごめんなさいね。今回はみんなに紹介したかっただけだから、ありがとう。」
『いえ!いつでもご用命下さい』
そういうとシルフは消えた。
「すっげー!初めて見たよ!」「あれって精霊なの?」
居なくなると歓声が沸き起こった。
「マ、マリアさん?精霊魔法、使えるんですか?」
先生も動揺している。精霊魔法を使える人は人族にはごく稀であり、主に森に住むエルフが使う魔法だ。
精霊語なんて普通は喋れない。
「俺、ブリキッタ。今度魔法を「私はメアリーよ、家でお茶会しましょう。」教えてくれよ。」
私を囲って自己紹介してくれる。
よし!これで友達増やすぞー!
マリアは普通は使えない魔法を自重せずに披露して後々に父母を困らせる事になるのは、別の話…。




