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12話 実験でいろいろやらかす

 工事は時間がかかるため、たまに進捗具合と問題点を聞きに行く以外は親方達が進めている。

 資金は前払いで白金貨5枚渡しているが、足りなくなったらまた渡す事になっている。

 高級リゾートだが、趣味みたいなものであるため、採算度外視の庶民価格にする予定だ。

 店はテナント料制にして貸し出す。 ただし、区画は制限する。


 さて、学校を通いながら、また新しいものを作ろう。

 浄化装置だ。装置というが、生活魔法に浄化(クリーン)という魔法があるためその実験だ。

 まずは我が家の湯浴み場だ。

 石鹸を使った後の汚水を試してみようという事でこっそりと木桶にとってある。


「…浄化(クリーン)。」


 おぉー。濁っていた水があっという間に透明になった。


「それでは、まずは匂いから…。」


 気持ち悪いが、仕方がない。

 匂いを嗅ぐ……、が臭くない。

 嫌だが指を入れ、味を確かめる。


「おぉ!さすが魔法。普通に水だ!」


 では、次にやりたくないが厠に行こう……。

 実験だから仕方がない。

 昔、家の中を探検をしていた時に、凄く臭い場所を発見したんだ。

 あれを開けた時は、死ぬかと思った。

 まずは、鼻と口をマスクで塞ぐ。

 手ぬぐいで髪を隠し、長革手袋を嵌める。

 さぁ、いよいよ禁断の蓋をあけるぞー。

 パカ!……、ぷ〜ん。

 うぉ!マスク越しでも臭い。これは服も匂いそうだ。


浄化(クリーン)!」「浄化(クリーン)!」


 堪らずに自分にも浄化魔法をかけていた。

 禁断の穴の中を覗いてみるが、暗くて中が見えない。


「光よ。」


 光球(ライト)の魔法をかっこよく言ってみた。

 光球をゆっくりと穴の中に侵入させる。

 おぉ? 臭いは無いが、見た目は変わっていないような気がする。

 これは汲み出してみないと分からないな。

 仕方がない、取り敢えず長い枝を持ってくるか。


 周りを探すが、流石に掃除されており、そんな物は箒しかない……、箒しかないのだ。

 ドキドキ、箒で…、良いかな? バレないよね。

 マリアは挙動不審な感じで、コソコソと箒を持ってきた。

 キョロキョロと周りを見渡し、誰もいないのを確認してから、穴の中に箒の柄の部分を入れる。

 ここでマリアは重大なミスを犯した。

 周りをキョロキョロ見ずに、探知(サーチ)の魔法をかけるべきだった。

 しかし周りを見るだけなので、マリアは気付いていない。

 カリナが"家政婦は見た"ばりに、こっそり覗いていることを……。

 そして、後ろから、鬼のような形相のカリナが、近づいてくる、この危機を……。


「マリアさま〜! 一体……、何をされていますか?」


 あまりの驚きに箒を穴の中に落としてしまった。


「うぎゃー! カリナっ? 何でもないからー! 実験なんだからー!」

「何が実験ですか!! 箒は掃くためのものであって、穴に入れるものではありません! だいたい、入れた箒はどうなさるおつもりですか!」


 浄化魔法の実験だと説明するが、そういうのは家に呼んでいる講師、もしくは学校の先生に聞けば良いとの事……、まさに、その通りである。


「でも、百聞は一見にしかずって言葉の通り……」

「何ですか!その百聞は一見にしかずって! ダメな事を正当化しようとしてもダメですよ! 言い訳はダメなんです! ダメな事をした時は謝らないといけません!!」


 無茶苦茶、怒られた。

 こういう時は涙が出ないマリアである。

 ちなみに箒の先は臭くは無いが、触るのは躊躇わられたので廃棄された。


 後日、学校で先生に浄化魔法の効果範囲について聞いてみた。

 液体は飲めるようになるが、個体は個体のまま、臭いなどがなくなるようだ。

 毒液ですら飲める水になる、当然尿も水になる。注意点は香水に浄化魔法をかけると無味無臭の液体になってしまうので、雷が落ちる事になるそうだ。

 危なかった。

 浄化(クリーン)浄水(ピュア・ウォーター)清浄化(ピュアリファイ)は必要とする魔力量が違うが、似たような効果だそうだ。


 掃除は浄化(クリーン)で良さそうだ。

 お風呂の排水は、近くに川が無いと水が邪魔だ。

 いくら排水を浄化しても、水を何とかしないと、家の浴場で水が溢れてしまう。


 余談だが、水魔法で出す水は、場所によって消費する魔力が違うらしい。

 例えば森の中では簡単に水が出せるが、砂漠のような場所では相当な魔力を消費するらしい。

 水生成(ウォーター)では水が出せるが、逆に水を無くす魔法もあり、吸水アプソーブ・ウォーターが代表だ。

 先生いろいろ教えてくれてありがとう!


「先生、ありがとうございます。」


 こうして、マリアは少し賢くなり、人に聞く事を覚えたのだった。

 だって、カリナが凄く怖かったんだもの……。

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