11話 マリア公衆浴場を作り始める
公衆浴場の構想は、学校に通いながら考えた。たぶん、公衆浴場だけでは流行らないだろう。
なので、浴場以外を充実して良さを伝えたい。
ちなみに、補習も欠かさず受け、体力づくりにも精を出している。ご飯もたくさん食べているつもりだ。
でも……相変わらず結果が出ない。
一緒に受けている子達は、みるみる体力がついていくのに、私はあまり変わらない……理不尽を感じてしまう。
◇
建設現場に建てた事務所に集合して、今から親方達と打ち合わせだ。
事務所に入るとすでに親方達が待っていた。
席に着いてお茶請けを貰い、しばらくすると会議が始まった。
さっそく、親方に公衆浴場の構想を伝えると、 一同が難しい顔をしていた。
一筋縄にいかないようだ。
確認してみると、建物の地下開発の大変さ、排水する水の処理、芸術的な仕上げ等が難しいようだ。
排水する水の処理と、温泉のお湯はマリアが担当する事にした。
建物の地下については、小さな物置程度のものしか作った事がないようで、王都の知り合い等に相談して建設法など討論する必要があるらしい。
王都なら芸術的な建設も出来るだろう。 私も口を出すつもりだ。
会議も終わり、建設準備に入った。
さて、私はいつものように実験をしよう。
岩風呂のための実験だ。
どのように作るか、人差し指を顎に当てながら考えていた。
適当な石を2つ拾い、柔らかくなるようにイメージしながら魔力を流してみる。
流れにくい部分もあるみたいだが、柔らかくなりそうだ。
二つを重ねるがくっつかない。粘土のように柔らかいが、捏ねると混ざるだけだ。
「う〜ん、粘土と違うわね。 これじゃあ、石はくっつかな……。」
また、適当な石を拾う。
今度は流れる水をイメージしながら魔力を流してみると、持っている石が溶け、掌から流れ落ちた。
下を見ると水溜りのように広がり、固まっていた。
触ってみると、石の隙間が埋まっている。
「これでも良いみたいね。でも、この方法って、何でも溶けちゃうなら危険な気がするなー。」
試しに親方にやってもらうが、いくらイメージしても石の状態は何も変わらない…。
「あれ? なんで変わらないの?」
石を貰い確認するが、何も変化がない。
まさかと思い、魔石を渡し、同じように魔力を流してもらう。
「親方……、どう? 柔らかくなりそう?」
親方は顔を赤くして踏ん張っている。
見た感じ魔力は流せているようだ。
肩で息をしている親方に、少し形が変わった魔石を貰った。
「駄目です姉御。あっしでは少し変形するだけが、限界でさぁ。」
まさかの魔力不足。
技術申請したけど、嘘呼ばわりされないかなー?
「あれ? 私っておかしい?」
「いえ! あっしが素人なだけです!」
親方は申し訳ない感じで謝っていた。
どうしよう、私が異常だったら……。
やっと自分の異常性に気付き始めたマリアあったが、すぐに開き直った。
こうなったら、魔力をとことん訓練してやる!
毎晩、気絶する位まで頑張ってるんだ!
気を取り直し、親方に頼み粘土を用意してもらう。
粘土を伸ばし敷く。
立体の石のパズルをするのが面倒だったので、自重せずに、魔法で石をカットする。
粘土の上に平らになるように並べる。
水を多くした粘土を流し込む。
待つのが面倒なので、水魔法でゆっくりと脱水していく。
水をかけてみるが、水漏れはなさそうだ。
「親方!これでどう?」
「これなら、あっしらでもできますや、姉さん。」
「石のカットとか難しかったら呼んでね。」
こうして、建設が進んでいった。
時々、マリアが処理をしに来る事になった。
マリアは取り敢えずの確認が終わったので、家に帰る事にした。しばらくは様子見だ。
その日の晩の食事の時に問題が起きた。
「マリア、最近学校はどうなんだ?」
「勉強は簡単です。
「ただ、体力が無くて…補習もお願いしてるのですが、残念ながら力が付きません。」
だんだん声も小さくなってしまって、なぜかとても悲しくて泣きだしちゃいました。
「そ、そうか。勉強とかよりもだな…、その…、もっと友達を作ってくれないか? お父さんも色々言われていてな……。」
「その、なんだ……、公衆浴場も良いんだ。 でも、そっちはだな……大人に任せて……、マリアは今しかできない事をして欲しいんだよ」
「マリア? 友達が居ないと、大人になった時につまらないわよ。」
「うぅう、ごめんなさい。明日から学校で友達作る。」
「……ごめんなさい。」
「謝らなくても良いんだ。 まだ子供なんだからいつでも甘えておいで…。」
マリアに甘い父親である。
食事が終わり母と湯浴みをし、その日の夜は一緒に寝ました。
この体は、なぜかすぐに悲しくなるし…、感情が抑えられないなぁ。
弟エルマーと妹エミーリアが全然出てきません。
学校の人も出てきません。
この頃は引きこもって趣味に勤しんでおり、普通に家族してますが、描くほどのことをしてません。




