薄い揚げいも
「ポテチ美味いなぁこれだけ中毒性あって合法とかあり得るんか」
絶妙な塩加減が酒のつまみに合う、凛花にとってポテチは酒のつまみの最適解なのだ。
ポテチを頬張る私を見つめながらステフは凛花に話しかける
「まさかここまで人気が出る物になるとは思わなかったな」
「え?何急に。もしかしてまた回想いく感じ?」
ステフはアメリカのとあるレストランでサービスとして働いていた。この日は客が多く無理難題を言ってくる奴も少なくなかった。
ピークが過ぎひと段落していると小太りの男に呼び止められる。
「このイモ、厚くて食感が重たいんだ薄くしてくれないか?」
薄く切るだけならと思いシェフに伝えて薄くしてもらい再び提供する。
「まだ厚い」
再びシェフに伝え作り直す、それが何度か続き遂にシェフとステフがキレた
「そんなに薄いのが好きならこうしてやるよ」
シェフはそういうと紙の様に薄くイモをスライスし始める
シェフの意図を汲み取ったステフは邪悪な笑みを浮かべ新たな案を伝える
「油で揚げて油っこくしてしまえ」
「お前らやってる事ただの嫌がらせじゃねーか」
凛花がすかさずつっこむ
バチバチと音をたてイモの水分が抜けていき、カリカリになる。
「ちょっと待てそれポテチじゃね?」
極め付けにシェフは乱暴に塩を振る
「味付けなんて塩だけで十分だ!」
やってやったと言わんばかりの表情で高笑いする
「いや、ポテチやん。美味しくなってんじゃん」
シェフとステフの怒りの合作
油ギトギトのペラペラいも料理が爆誕した。
それを再び小太りの男に提供し遠くから2人でへっへっへっと様子を見る
男が怪訝な表情で薄いイモを口に運ぶ。
2枚、3枚と止まらない
男は感激する
「これだ!この食感だ!」
シェフとステフは顔を見合わせる
後にその商品は人気になりアメリカに広がっていき、今に至る
凛花はポテチを眺め一言
「これクレームから生まれたん?」
「あぁ、俺とシェフの怒りの合作だな」
「不満が起きると人間は新しい物を発明したがるからな」
「おもろ、じゃあ今当たり前にある物の中には誰かのイライラからできてんのかな?」
「どうだろうな」
「クレーマーに感謝だね」
「薄くし過ぎて最初かなりキレられたけどな」
「そうだろうよ」
クレームに対しての嫌がらせが、いつの間にか世界に愛される定番になっていた。




