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とばっちり

夜はいつも通り。

凛花はベートーヴェンの特集を見ていた

テレビよりあいつの方が知ってそうだそう思い凛花はベランダに出てすぐ言う。


「なぁ」


ステフは壁にもたれている。


「ベートーヴェンってさ」


「耳聞こえんくなっても作曲してたんやろ?」


ステフは嫌なこ事思い出した様な顔を向ける


「俺は知らなかった」


「は?」


「当時はな」


凛花は呆れる。

「お前さぁ…」



「うるさかった」


「第一印象それなん!?」


狭い部屋に紙が散らばっている。


ドン!!


机を叩く音。


「違う!!」


凛花が肩をすくめる。


「近所迷惑すぎるやろ」


ステフは頷く。


「実際迷惑だった」


ドン、ドン、ドン!!


足踏み。


机叩き。


紙ぐしゃぐしゃ。


「何してるんだ」


ステフは普通に声をかける。


男は振り向かない。


ドン!!


「ここだ!!」


凛花が真顔で言う。

「会話する気ゼロなのうける、てか近所かよ」


ステフは少しイラっとする。


「聞け」


声を強める。


だが、届かない。


ドン、ドン、ドン。


「……無視か」


凛花が笑う。


「だから聞こえてないって」


ステフは腕を組み少し考える。


「なら、分からせる」


凛花が嫌な顔をする。

「その発想やめろ」


ステフは近くの机を叩く。


ドン!!


床を踏む。


ドン、ドン!!


物をぶつける。


「どうだ」


凛花が即ツッコむ。

「悪化してる!!」


だが、男は止まらない。


ドン、ドン、ドン!!


むしろテンポが合ってくる。


凛花が笑う。

「セッション始まってんのよ」


ステフはのイライラは募る


さらに強く叩く。


ドン!!!


その瞬間。


ガンッ!!


扉が開く。


「うるさいぞ!!」


別の住人が怒鳴る。


凛花が吹き出す。

「そっち!?」


怒鳴られているのはステフ。


「さっきから何やってる!!」


ステフは少し固まる。


「……いや」


説明しようとするが、


横ではまだ——


ドン、ドン、ドン。


男は止まらない。


凛花は笑いながら言う。


「完全にお前だけ加害者やん」


少し間。


「で、あとで知った」


ステフが言う。


「耳が聞こえていなかった」


凛花が頭を抱える。


「全部無意味やん」


ステフは煙を吐く。


「そうなるな」


凛花は笑いをこらえながら言う。


「被害者やと思ってたら」


指を向ける。


「普通に迷惑側やん」

ぷーくすくすと煽り散らかす


ステフは小さく言う。


「……理不尽だな」


凛花は即返す。

「いや自業自得」


でも少しだけ、優しく言う。

「まぁでも」


肩をすくめる。

「ちょっと可哀想ではある」


ステフは何も言わない。



今日の夜は、街が少しうるさかった。

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