神が導く騎士
今日はいつもよりも季節外れの様に蒸し暑い、風も弱い
こんな日はビールが美味しいよね!
キンキンに冷えたビールを一口
「くぅ~悪魔的~」
そのままベランダへ移動する凛花
「なぁ」
ステフはいつものようにそこにいる。
「いつもビールを飲んでるな」
「いつもじゃないよー、こんな暑い日は飲めって神が言ってる」
「神の声、か」
ステフは少しだけ煙を吐いた。
「どしたん?話聞くよ?」」
凛花は笑う。
「……助けられたことがある」
「へー、そのわがままボディがあっても助けがいるのか」
ステフはそのまま続ける。
「捕まりかけた時だ」
「異端だと言われた」
凛花は眉をひそめる。
「何したん」
ステフは軽く言う。
「不老不死の話をした」
凛花は吹き出す。
「アホやろお前」
「そら捕まるわ」
ステフは否定しない。
「酒に酔って話した」
少しの静寂が訪れる
「で?」
凛花が促す。
ステフは感傷に浸る表情で遠くを見る。
火の気配がする場所。
人のざわめき。
その中に、少女がいた。
まだ若い。
でも目だけは妙に強い。
「あなた、追われてるの?」
ステフは少しだけ笑う。
「まあな」
少女は迷わず言う。
「こっち」
凛花は口を挟む。
「ちょいちょーい!誰?急に話進めんな」
「神の声が聞こえたという女騎士だ」
「絶対ジャンヌダルクやん」
「なんで助けてくれたのさ?」
ステフは少し考える。
「さあな」
「たぶん、自分の“声”を信じていたからだ」
「で、その後は?」
ステフは短く言う。
「彼女は捕まった」
「あっ.....」
凛花は思い出す、国の為に戦い、捕まりそして見捨てられた女騎士
そして最後は......
「火炙りだ」
風が急に吹き出す
凛花は缶を握る手に力が入る。
「お前さ」
「助けられたんでしょ?」
ステフは答えない。
「止めれたんちゃうん?」
その問いに対しても、何も言わない。
しばらくして、ステフが口を開く。
「止まらなかった」
「周りも、本人も」
凛花は小さく舌打ちする。
「最悪やな」
ステフは煙草を見つめる。
「信じられるものがある人間は強い」
「でも、その分止まらない」
凛花は少しだけ俯く。
「それ、救いないやん」
ステフはゆっくり煙を吐く。
凛花は何も言えない。
少しして、いつもの調子で言う。
「いやでもさ」
「不老不死の話したお前が原因の一部やろ」
ステフは少しだけ肩をすくめた。
「……かもしれないな」
蒸し暑い夜は変わらない




