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おかしな宇宙の物語

 つけっぱなしだったテレビの音がベランダまで漏れている。

凛花がふと顔を出す。

「なぁ、スターウォーズやってるで」


ステフは聞き覚えのある音楽を耳にする

「あぁこれかここまで有名になるとはな」


凛花は身を乗り出し問う

「まさか関わってないよな?」


ステフは息をするように煙草を吸い話始める

「バイト先にいたんだ」


「日本に来る前までアメリカに住んでてな」


当時、若い男がノートを広げ何かを必死に書いている。

ここんとこ毎日の様に店に通いコーヒ一杯で閉店近くまで粘る男。

男の元にステフは皿を運ぶ

「頼んでません」

頼んだ覚えがないのだから当然男は受け取らない


ステフは答える

「俺からのサービスだ、それより何を書いているんだ?最近毎日いるから流石に気になってな」


若い男は感謝を述べ質問に答える

「宇宙の話を書いてる、SFだよ」

「善と悪の戦いなんだ、けどいまいち盛り上がりに欠ける

そこで今いいアイデアが浮かばないか職場以外の所に来ているんだ

そうだ少し感想をくれないか?」


ステフは男から手渡されたノートに目を通し少し考える。

「確かにこのままだと弱いな」

「じゃあどうする?」

男は食い入る様にステフに尋ねる


この時のステフは軽い雑談のつもりで話しかけただけで必要以上に人と接点を持つつもりはなかった。

少し面倒になったステフは適当に言う。

「敵を“ただの敵”にするな、関係を作れ」


若い男は少し考え再び問う

「因縁の相手って事かい?」


ステフは答える

「ただの遺恨では駄目だそれだと驚きがない、物語には観る相手を考えるのは勿論だと思うが

視点を変えてみろ。物語のキャラクター自身も考えろ」


「!?」

男は面食らった表情でノートに何かを書き足す


あぁ、適当にそれらしい助言をしてしまった。素人の浅知恵で話が作れたら苦労はない


「すまないな偉そうな事を言って、忘れてくれ」

ステフはそう言い残し仕事に戻る




「それから若い男は店に来なくなり俺もその店を辞めたんだ」

「そして数年後、SFの映画が上映されヒットしたんだ、3部構成でな。

宿敵がまさかの自分の父親だという結末だった、あれには驚かされた」


「ちょい待ち、その若い男の名前は?」

さっきまで静かに聞いていた凛花が口を開く


「聞いていない、ただノートにはJ.Rと書かれていた


テレビからは主人公が「嘘だぁー」と叫んでいるシーンが流れている

凛花は吹き出す。

「ダースベイダー父親案お前ね!?」


「そこまで案は出してない」


「名作たい、ちょいちょい関わるなや」


ステフは静かに言う。

「大したことはしてない」


「いや十分すぎるわ」

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