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51・新たなる力と修行

 春達は買い物を済ませると、ふと思ったのかテリオスに質問をする。


「今のままじゃ七大迷宮にも挑めないよな。どうすれば強くなれる?」


 素朴な質問であり、誰もが思う疑問。テオリア人と地球人では差が違う。というよりも経験の差が違う。地球の学びでは到達できない境地まで存在する。


「まぁ、なくはないね。高速移動や常時威力上昇の方法があるよ」


 その言葉に春と里実は眼を光らせる。少なくとも今よりもっと、今よりずっと、今より先へ進むことが出来るという希望の満ちた答え。


「それ教えてよ!」


 春の眼の輝きは一段と輝き、テリオスに頼み込む。それもすべては地球の環境維持もあるが、誰よりも強くなりたいという意思が、覚悟が、信念が宿る。


 テリオスは春の瞳を見るなり頷き、二つの修行を出す。


「一つ、魔力循環高速移動、二つ、錬魔の技法、これを会得すればより強くなるよ」


 春達は効いたことのない修行方法だった。少なくとも地球では教わらない。


「そんなのあるのか」


「魔力循環高速移動、聞いただけでなんだかすごい技術ね」


「どこでやる!? この首都!? 競技場!?」


 春はワクワクしながらテリオスに駆け寄る。テリオスは「そうだねぇ」と考えながら騎士団専用の訓練場へと案内した。


 その訓練場は入り口こそ普通の建物。春達の探索者ライセンスを見るなり通過許可が下り、春達はそのまま訓練場内部に橋を運んだ。


「ここ意外と広いね」


 春は周囲を見渡し、日本のアリーナ並みの広さに驚きを見せる。この広さであれば、武器、魔法、体術と幅広く活用できる場所である。


「この広さなら、修行に持って来いね。腕がなるわよ」


 里実も周囲を見渡す。幾何学的かつ光り輝く壁と床、波の魔法では傷一つつかないであろうことを計算しつつ、里実は試しに手を向ける。


「触る限り相当な壁ね。これ伝説のオリハルコンとかと同質の素材かしら?」


 この世界テオリアではオリハルコンなど存在しない。アダマンタイトもヒヒイロカネも存在しない。あるのは違う物質のみ。この世界の武器はより強く鍛錬を極めれば伝説上の武器などバター同然となりえるのだ。


「オリハルコン、異世界ではよく聞く物質だけど、ここは違うよ。一種の迷宮構築を利用した壊れにくい訓練場、兼、避難所だよ」


 テリオスはそう言いながら、春の手を握る。


「まずは魔力を流し込む。循環させるから感じたら教えてね」


 テリオスの濃厚な魔力を春は受け取り、体内を駆け巡る。循環速度は速く、気付くには時間がかかる技術だ。


 仲守春の体をめぐる魔力は次第に加速させ、全身が微かに光り出す。


「なにか走っている感じがする。感覚は気持ち悪くないけど、なんだか不思議な感じがする」


 春はそう言いながら自ら魔力を循環させた。最初はゆっくりと動かし循環、次第に速度を上げrテイクと脳にまで魔力が循環していく。その時、


「動きがゆっくりと……動いてる」


 脳内にまで魔力が流れたことで、周囲の時間よりも早く動くことが出来る、まさに魔力循環高速移動だった。春はそのまま数歩進むが里実はそこから動かない。というよりスローモーションで動いていた。


「これが魔力循環高速移動か」


 その間に、テリオスとロウも魔力循環を行っていた。


「そうだね、よくできました」


「ガウッ♪」


「ちょ、いきなり声かけるなよ!!」


「ごめんごめん、春くんが魔力循環に耐え切れなかった時の保険で自分たちもやってたんだけど、大丈夫みたいだね」


 テリオスは春の実力を認め、循環の解除を教える。


「魔力循環を止めるには逆式循環にすると止まるよ」


 そう言われ、春は魔力循環を逆に流し始めた。ゆっくりとそして精密に、脳内まで流た魔力を逆流させる。


 ゆっくりと逆巡りをさせて魔力循環を正常に戻す。その際、春は体の異変を感じる。


「なんだこれ、頭がくらくらする」


 そして春は足元をぐらつかせて仰向けになった。


「春、どうしたの? 何かあったのよね?」


 里実が心配そうに春の傍に近付く。それもそのはず、里実の瞳に、脳に、映っていたのは魔力循環高速移動を使う前の春だからだ。何が起きたか検討もつかない。


「春くんはまだその体と年齢に馴れてないだけだから、少しだけ魔力が動いているんだよ。でも少し休めばもとに戻るよ」


 テリオスの言葉に春はホッとして壁際まで移動し、深呼吸。そのまま眼を閉じ少し休むことに。


「次は里実ちゃんの番だね♪」


 テリオスは容赦なく里実の手に触れ魔力を循環させる。さらに高速で循環させ、里実の体に覚えさせる。


「確かに感じるわ」


 その一言で里実は全身に魔力を循環させる、はずだった。


 感じていても魔力操作は極めて難しい。感じていても高速移動までは時間がかかるようだ。故に里実は踏ん張り、魔力の流れをより速く自らの意思で行い始める。


 里実の体からわずかに光る魔力が放たれ、高速移動が始まる。


 一歩一歩と進み、走り出し、跳躍する。その速度は通常ではありえない速度、100メートルを5秒で走り、跳躍も3メートルは超えていた。しかし春の魔力循環高速移動には遠く及ばない。


「これが魔力循環高速移動、オリンピックで金メダル取れる速度だわ」


 浮かれているが地球でのオリンピックでは魔力の使用を禁止されていた。


 だが肝心なのはここからだった。魔力循環を逆巡りに変え正常に戻す。この作業は里実にとってどう影響を及ぼすのか。


「じゃあ魔力循環高速移動を斬るよ。魔力の流れを逆流させよう」


 テリオスの指示通り、逆に巡らせるが中々うまくいかない。ゆっくりと行うも流れそのものを変えることに想像が追いつかない様子。


「川の流れを逆流させるんじゃなく、CDの回転を逆にするんだよ」


 再びテリオスからの助言で里実は実行に移す。


「CDの回転を逆にする方法ね、解ったわ」


 里実の体内をめぐる魔力循環はゆっくりと着実に遅くなりやがてもとに戻る。


「頭がくらくらするわね。そして頭痛もついてくるなんて、あまり使いたくないわ」


 里実がふらつきながら壁際に背を向け座り込む。


「里実も大変だよな。俺もようやく回復したところ」


 しかし表情は疲れた顔だった。なれない事はやるものじゃないと感じたのだろう。だが春はせっかく手に入れた技術を使わずにいられるほどの者ではない。むしろ使いこなす気で瞳は燃えていた。


「次は錬魔の技法だよ」


 テリオスは間髪入れずに笑顔で伝える。これがテオリア式訓練である。



入手マテリアルオーブ

火1水13地8風1光0闇0無6雷0


雑魚から取ったマテリアルオーブ32個


地球製ライセンスD

テオリア製ライセンスC


現金56万

テオリアでは1250万9000ゼル


入手鉱石

青いラトグラム鉱石9個

赤いマトリウム鉱石9個

緑のルナテウム鉱石9個


所持アイテム

メントドリンク10本

スピリアルドリンク20本

アブレコドリンク20本

パナシアスドリンク10本

リジェネスドリンク10本


乗り物

ライド・フォートレス・アルテミア号

6人乗りの魔巧ビークル

水陸空の移動が可能なマシンでBランク以上の探索者しか購入できない

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