ガリウルの忘れ物
水菜さんの店は順調だった。地球人はもちろんのこと、いろんな宇宙人が来るようになっていた。僕も受け入れられている気がした。
店の前に出来ていた屋台も人が少なくなったのか、いつしか無くなっていた。
店も繁盛し、僕たちは今日もたくさん働いた。
そんなある日の夜、水菜さんは僕を部屋に呼んだ。部屋へ行った。6畳半くらいの大きさだろうか。中へ入り奥に座ると彼女は少し不安げに口を開いた。
「ねえ、ガリウル。最近翔くん見てないけどどうしてるかな?」
僕は店のことでいっぱいいっぱいだった。完全に忘れていたのだ。翔くんと最後に会ったのはお金を借りる前だ。僕はお金を借りてたんだ。一つのことに集中していた為か、全部忘れていた。大切な友達も自分がしていたことも。
一週間に15万の利息分。もう何回も払っていなかったことを思い出す。いくら溜まっていることか。翔くんと別れて2ヶ月たっている。
「ど、どうしよう……。翔くんに何かあったのかな」
小さな声で僕がそういうと水菜さんはすぐに反応した。
「何かあったのかなってなんか知ってるの?」
僕は水菜さんの問いに答える事も出来ず、頭の中で考える。水菜さんは無視する僕の方を揺らし、名前を呼ぶ。問いには答えられない。これは僕の問題だから……。
あの男は翔くんと僕が友達だと言う事を知っていた。僕が返しに行かないから翔くんを人質と言うものにしているのか。そう考えるとじっとしてられなかった。
「ご、ごめんなさい! ちょっと行ってきます」
僕の体はもう動いていた。水菜さんの手を退け、部屋を出ていた。スマイル金融に向かうのだ。
「翔くんっ!!」
声をあげて翔くんの名前を呼び、ひたすらがむしゃらに走る。
「っ……はぁ…………」
近道をしようと僕は人混みの中を通っていた。町の大抵の人はもう僕のことを受け入れてくれてるようだった。来た時のような嫌がらせはいつの間にか無くなっていたのだから。
人にぶつかっては謝ってを繰り返し、人混みを抜けた。
「翔く……ん……待ってて」
僕はスマイル金融の事務所の前にきた。やっとついたのだ。
ここにいると言う保証はないが、可能性があったのだ。ここに入るのは不安があるが、翔くんがいると思うと入るしかない。
「ふぅ……」
大きく深呼吸を三回すると、ドアを開けた。
そこには翔くんが座り込んでいた。見るも無残な姿だった。
「……翔くん!!」
僕はすぐに駆け寄った。




