アズミの過去~監禁部屋
「私は、あの老夫婦の家の地下に監禁されていた。恐怖を与えるために。恐怖を与えて薬を抽出された子供は殺される」
「知らなかったなぁ」
「それで、どうやったと思う? 恐怖を与える方法」
「まあ、普通に考えたら拷問だね」
「ハルオさんは、幼い私に言った『君の両親は私が殺した。今頃天国に居る。ここに扉がある。この鍵をこの地下の部屋に隠した。見つけると天国に繋がって、両親に会える。しかし、一週間の間に見つけられなかったら、地獄に繋がって中から鬼が出てくる。そして、君を地獄に連れていく』そう言って、ハルオさんは、出入口とは他に存在している一つの扉を指差した」
「ほう。それは面白い暗示だね」
「そう。わたしは、その言葉を信じてずっと鍵を探したらしい。地下なので地面は土だった。だから、地面を必死に掘ったりもした。でも、鍵なんて、元からない。更に扉もただのハッタリの扉だったらしい」
「まあ、そうだろうね」
「その地下室は、二つの扉以外は何もない部屋で、遊びたい盛りの子供だった私にとっては、精神的にも辛かった。たまに、アーノルドがご飯を持ってきてくれたけど、アーノルドは私を敢えて無視していたらしい。そんな事をされると、私の精神は更に蝕まれていったんだと思う」
「時間をかけてとことん恐怖を与えるやり方だね」
「そして、運命の日ハルオがやってきた。『くくく……見つけられなかったらみたいだね。では、鬼が来る前に俺が……』。その時、扉が<ガチャッ>と開いた」
「えっ!? どういう事?」
「それは、私の思い込みが作った鬼だった。『お前を地獄に連れていく』『おい! どういう事なんだよこれ! ここまで恐怖を与えた大切な商品を簡単には引き渡したりはしない! お前! こんな事は起こるはずはない! この扉はハッタリなんだ! どことも繋がってないしそもそも鍵なんてない! ここは土に囲まれた空間なんだ!』」
「あちゃー。ここでネタバラシちゃったかー」
「でも鬼は消えなかった。私を拐おうと向かってくる。『助けてー! ママー!』 私がそういうと、ハッタリの扉がまた開き、弓を持った女性が現れたらしい。その女性は、弓で鬼を倒したらしい」
「それがアズミのお母さんだったわけね」
「うん。多分そう。私は覚えていないからわからないけど。それで、私は母親に抱きつこうとした時に鬼と母親は消えた。弓だけが残った。私は、それからずっと弓を大切に持っていたらしい」
「まあ、気持ちが落ち着いたんだろうな」
「その後、ハルオが扉を開けて出ようとしたが、出入口の扉は開かなかった」
「なんだって!?」
「ハルオが、『ここは土に囲まれた空間なんだ』と言ったから、そうなったんじゃないか? と言っていた。そして、ご飯の時間になってアーノルドが地下に降りる……でも地下への道は土で埋もれていたらしい。まるで、始めからそこが土で埋まっていたかのようになっていたらしい……」
「はははは……それは恐ろしいな」
「そこから、掘り起こされた私とハルオは餓死寸前だったと聞いた。その後、私はハルオとアーノルドに『怖い』という理由でどこかに捨てられた。」
「いやぁ。面白い話を聞いた」
「それを聞いた私は、あることを思ったんだよ」
「それは?」




