タカナ町
とりあえず、昼食を摂ろう。
料理店に入った。
「いらっしゃいませー」
店員の人が喋る。店内は凄く綺麗で洗練されている。
「こちらの席にお座りください」
席に案内される
「ご注文は何に致しましょうか? 本日のオススメは、チョウザメの卵スープです」
チョウザメの卵? 聞いたことない。
メニュー表があった。
「文字が読めない方はいますか?」
「いや、全員冒険者だから読める」
ノリが答える
「失礼致しました。それでは、ご注文がお決まりでしたらお呼びください」
メニューと価格が色々と書かれていた。
どれもかなりの値段がする。一番安くて1000ゴウ……キモリ町の相場の100倍近くの相場だ。
さっき言っていたチョウザメのタマゴスープは5000ゴウだ。果てしなくお高い。
「じゃあ、俺はこの『豚のしょうが焼き』で」
ノリが注文する
「私は、キノコと鮭のホイル焼き」
カエデが注文をする
「俺は、猪肉のステーキ」
ユージが注文する
「私は、親子丼で」
「かしこまりました。しばらくお待ちください。お待ちの間、ショーでもご鑑賞ください」
そう。この料理店では、舞台があった。その舞台で誰かが歌を歌っている
「~このせかいを~まもるためたちあ~がれ~じるんいよ~ まものを~ まおうを~ たおせええええぇぇぇ~」
これは、『魔王討伐』という歌らしい。冒険者をしている以上、こういった歌に鼓舞される。
そして、歌を聞き待っていたらそれぞれの料理が運ばれてきた。
そして、店員がそれぞれ料理の説明を行う。
とは言っても豚の餌に、何を使ってるとか尻尾を切らないとか、鶏は平飼いで育てたとか……糞を土壌として循環させているとか……そういった内容だった
つまり、餌とか飼育方法に手間や時間やお金をかけているから、お高いんだと言いたいのだろう。
そして、わたしの親子丼を食べてみた
肉の臭みが全くない……なんだこの肉は……そして、肉汁がしつこくなく胃にダメージが来ない……こんな鶏肉は初めてだ!
私が感動していると
「アズミ……どう? 違いわかった? 私、正直いつも食べる鮭と違いがわからないんだよね」
カエデがそう言う
「私の少しあげるから、カエデの少しちょうだい」
「いいよ」
そして、私はカエデの鮭を少しいただいた。
口の中で油が蕩けた。そして、やっぱり臭みが全くない。カエデはこれがわからないのだろうか?
「あっ。アズミの鶏肉も普通だね……」
カエデは私の鶏肉もわからないようだった。
「わたし、ここの肉は凄く美味しく感じるよ。鶏肉も鮭も」
「そうなんだ。アズミは味覚が凄いんだね!」
カエデはそう言ってくれた
他の人もいつもの肉との違いがわからないようだった。
でも、みんな凄く美味しそうに食べていた。
現実世界でも、食品添加物により食の二極化が進んでいます。
貧困層が不健康な物しか食べられないような世界が作られてきています。
今回の投稿は、小説を通してそのような問題に気付いてくれる人が一人でも居たらと思い投稿させていただきました。




