新たな冒険へ
キモリ町に着いたのは夜だった。
もうすっかりと馬の揺れには慣れて気持ち悪くならなかった。
「ユートさん、アイヒさんからこれをいただきました」
わたしは、ユートに白い粉を渡した
「アイヒのやつめ……相当あの子供が大事だったのか……」
ユートはそんな事を呟いていた
「それで、私たちの報酬は?」
「そうだな。一人3000ゴウ支払うよ。受けとれっ!」
私たちはお金を受け取った。かなりの大金だ。あの白い粉にこれ以上の価値があるのか? と思うと不思議でしかない。
そして、ノリとユージが寝ているベッドに向かうと二人とも回復していた。
「アズミ、カエデ! おかえり!」
ノリは私たちの顔を見ると満面の笑みで迎えてくれた
「……おかえり」
ユージもボソボソ声で出迎えてくれた。何か恥ずかしそうにしている。
「二人とも無事だったんだね。よかった」
私は二人の無事に安堵している。
「どうだったんだ? ここでの仕事は?」
ノリが聞いてきた
「うーん。まあ、労力の割にはかなり儲かるかな」
「今回、子供を届けただけなんだけど生き帰りは馬車だし凄く楽だったよ。それで3000ゴウだよ」
カエデも今回の仕事の凄さを興奮しながら話している。
「3000ゴウなんかで喜ぶなんて貧乏だな。」
ユージが憎まれ口を叩く
「もしかしてユージはお金持ち?」
カエデが聞く
「まあ、俺も親の仕事を手伝っているからそれなりには」
「すごいね! ユージ。あっ。昨日は大事な人の腕を斬ってまで私を助けてくれてありがとうね」
「まあ、あれは俺なりのケジメだよ。お前らの仲間になるってな。別にお前を個人的に助けたくてしたわけじゃない。」
ユージはなんだか素直じゃないけど、いい人なんだと思った。
「じゃあ、明日みんなでミナト町に行こう! 新たな仲間ユージを入れてバソニで働こう」
ノリがそう言う
「「「「おー!!!!」」」」
私たちは、ノリの掛け声で一つになった。
やっぱりノリがリーダーでよかった。
そして、私たちは一晩ユート組のアジトで寝た
ユートさんは
「ここをお前達の家だと思って使っていいぞ」
と、言ってくれた。一般人には厳しいが仲間には優しい人だ。その落差が凄いなと思った。
次の日、私達は朝食を食べて馬車を出してもらった。
今日は、ユートさんが馬車を運転してくれるみたいだ。
ユートさんの馬車捌きはタクさんよりも上手だった。全く揺れを感じない。そして、誰も酔わない。
「馬車って本当楽だなぁ。」
ノリがそう言う。
「そうだね。でも、昨日のタクさんの馬車は酔って疲れた。」
私はそう答えた
「はははは……馬車って面白いだろ! 運転する人によって全然違うんだよ。一応、タクも馬車の運転は上手い方だけど俺の方が凄いか! ありがと!」
ユートさんは上機嫌だ。
そんな話をしながら、ミナト町へ向かう
さて、ユート組編もこれで終わりです。
明日から、バソニ編となります。




