ユート組
カエデがわんわん泣いている
「ユートさん助太刀しますぜ!」
周りの人たちも加わると確実に勝ち目などない。
「いや、俺1人で十分だ。サクッと終わらせる」
私が弓を射る
『炎の矢』
『氷の矢』
『破壊の矢』
全て避けられる。
「へへへ。お前の矢なんて当たらないぜ」
ユートが接近してくる
私のような弓使いは後方支援型だ。距離を詰められるとまずい!
私は、ユートから距離を取る
「へへへ。逃げてばかりじゃ勝てないぜ」
ユートが追ってきた。
あのユージをここまでボコボコにした程の実力者だ。普通に闘っても勝てない。更に、1対1では武器の特性から不利だ。
ここまでか……
「諦めたか! では、成敗してやるぜ!」
その時、私が持っていた求人広告がひらりと落ちた
「んっ? 何だこれ?」
「そっ……それは」
「バソニか……お前達はこれに応募する為に金を借りにきたのか?」
「う……うん……」
「バソニは俺らの飼い主だ。邪魔立ては出来ねぇな。ミナト迄送っていってやるよ!」
「えっ?」
「俺の組……ユート組は、全員バソニの社員だ!!」
はぁ……私は命拾いをしてホッとしていると同時に驚いている
「バソニの仕事って……ユージさんの組はどんなお仕事されてるんですか」
「そうだなぁ。例えば……人攫いとか……あとはーー」
「いや、やっぱりいいです。聞きたくないです」
「そうかそうか……まあ、そうだよな。建物の修繕費なんだけど、10万ゴウくらいするけど3万ゴウでいいぞ」
「えっ?」
それでも高いけど火を点けたのは私だし仕方ないか。
「まあ、あそこで働くのなら1ヶ月で揃えられるとおもうぜ! 頑張れよ」
一ヶ月で3万ゴウ? それはびっくりするくらいの値段だった。
そして、私はカエデと合流してノリの処へ駆けていった。
「ノリ……」
カエデがノリの前で泣いている
ノリは動かない
「まあ、俺らがボコボコにしたからな」
シゲルがいう。
「でも、あの時火事がなかったら更にボコボコにしてたよ」
シゲルが続けて言う
「まだ息がある……」
私は、ノリがまだ息をしている事に気づく。
『ヒール』
カエデはノリに回復魔法をかける
「うっ……」
ノリが声を出した。そして、指先を動かしている
カエデはノリの手を握って
「ノリ……生きていたんだね。よかった……喋らなくていいからね。今、宿屋に運んであげるからね」
カエデはそう言った。やはりノリの事をまだ好きなのかな?
でも、今回の男性陣は格好良かったな……ノリも……ユージも……
そんな事を考えていた。
「アズミとカエデって言ったか? ここにも宿屋と同じ魔方陣があるベッドがあるからそこで休ませるか?」
ユートが意外な提案をしてきた
「「お願いします」」
私とカエデは、ユートの提案に乗った。
平和な正義感のあるお話はここまでです。ここからは、ちょっとダークな話になります。




