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そして、瞬く間にグロリアとカーティスは、卒業まで半年という頃を迎えた。
「カーティスのお陰で、とっても楽しい学園生活だったわ。お友達も、たくさんできたし」
「俺もだ。とても楽しかった。それに、グロリアの傍は心地がよくて、幸せを感じるから。みんなもそうなんだと思う。卒業しても、いい友、そしていい盟友として付き合っていけそうだ」
学園で、仲間と切磋琢磨し、笑い合った時間。
そして、花まつりや収穫祭、年越しの行事など、カーティスとグローリア、ふたりで過ごした時を思い出せば、自然と笑みが浮かぶ。
「それで、グロリア。話が、ある」
「はい」
緊張を感じて、グロリアも背筋が伸びた。
思わず、いつもより丁寧な返事が出ても、笑えない。
何を言われるのか、大体の想像はついている。
というか、恐らくそもそも、カーティスを自分の傍に置いたことこそが、カーティスをグロリアの婚約者に、という親族たちの思惑、グロリアへの配慮だろうと思っている。
そして、その前提を知ったうえで、カーティスが傍にいてくれたのだろうことも。
だが、カーティスが自分の隣を本当望んでくれるか、不安でもある。
「グロリア・・・その・・・今まで、君を貶めた者の精査は終わっているから。卒業までには、すべてのかたが、つく・・で・・それから・・・・・・」
「・・・ええ。カーティスが一緒に奔走してくれたお陰で、本当にきちんとできること、嬉しく思っているわ。で?それから、って?」
追い詰めるつもりはないけれど、きちんと、聞きたい。
口ごもってしまったカーティスを前に、そう、グロリアがどきどきしていると。
「グロリア。俺は、ずっと前から君が好きだ。それこそ、伴侶と望むほど。君は、その。俺を有能な相棒と思ってくれているとは、自惚れているが、その。伴侶としては、どうだろうか?」
グロリアとしては、まさかの告白、問いかけがあった。
「え、ちょっと待って」
グロリアは、かなり幼い時期に跡取りと認定された。
その時に、伴侶となる候補の話も聞いた。
結果、グロリアとしては、カーティスを望むと両親に伝えていたものの、王家の横槍でその話は流れた。
しかし、愚王子マーカスのやらかしで、再びの機会を得たグロリアは、学園生活において、カーティスの心を得られれば、そして、自分の気持ちも確かめられればと思っていた、のだが。
「意外だったか?でも、俺はずっと、それこそ子供の頃からグロリアが好きだったんだ。だから、あの愚王子とグロリアが婚約した時は辛くて、隣国に逃げようとした。けど!それから、色々なことを学んだ。領のことも、事業のことも。もう二度と、何があっても逃げないし、決してグロリアの足は引っ張らないと誓う。だから、俺のこと。伴侶として。考えては、くれないか?」
必死の形相で言われ、グロリアは懸命に声を出す。
「か、考えるも何も。それは、私の前提じゃない。子供の頃にカーティスと婚約したいって言ったのに、王家に邪魔されて。だから、その。今回はまた機会が巡って来たって、学園を入学する時に、嬉しい、って。思ったのよ?」
王家との婚約を白紙撤回して、何を嬉しいというのかと、グロリアを愚弄してきた者たちは言うだろう。
ただの、強がりだと。
だが実際、グロリアには、愚王子マーカスとの婚約白紙撤回など、喜びでしかなかった。
「グロリア。俺と、婚約したいって、言ってくれていたのか?」
「そうよ。ほら、子供の頃、私の婚約者は親族から、とか言ってお茶会したじゃない。その時に言ったのよ。カーティスがいい、って」
誰よりも格好よくて、幼いながらに紳士で、話もしやすかったカーティス。
王家の横槍で婚約者にはなれなかったけれど、一族の集まりで会えるのが、そして、色々な話をするのが、とても楽しみだったとグロリアが言えば、カーティスも同じだと頷いた。
「俺も。事業のことや、読んだ本のこと、感激した劇のことなんかをグロリアと話すのが、とても楽しみだった」
「それじゃあ。これからも、色々な話をしてくれる?その、私の、一番傍で」
「俺こそ、それを望むよグロリア・・・誰よりも愛している。俺と、結婚してほしい」
「私も、愛しているわカーティス。これからも、よろしくお願いします」
そうして婚約を交わしたふたりは、家へと報告し、当然と受け入れられた。
ありがとうございます。




