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「お財布さあん。今日もお、マーカスを取っちゃってえ、ごめんなさあいねえ。名ばかりとはいええ、お財布さんがあ、マーカスのお、婚約者なのにい。でもお、マーカスがあ、あたしの方があ、ずうううっとお、いいってゆうからあ」
「アメリアは優しいな。そんな奴にも声をかけるとは」
学園に入学した後。
予想通り自分を貶めるだけために接近して来るアメリアとマーカスを見、分かりやすいことだと思いつつ、グロリアは一応の訂正を入れる。
「わたくしと第三王子殿下の婚約は、既に白紙撤回されております」
「またまたあ。そんなこといってえ、気を引こうとしてもお、マーカスにはきかないのにい」
「俺に縋りたいだけだ。こんな惨めな奴に構うことは無い。さあ、行こう。可愛いアメリア」
「はいい。マーカスぅ」
侮蔑の言葉と視線を残して去っていく、愚王子マーカスとアメリア
「困ったな。俺のことなんて、眼中にもないぞ?」
「楽しそうね、カーティス」
「グロリアもね。少しでも悲しそうにするなら、俺も反論するなり何なり、頑張ろうと思うんだけど」
「あら。じゃあ、泣いてみる?」
笑い合いながら歩けば、イーデン家と同じ公爵家や、公爵家に次ぐ地位にある侯爵家、それに伯爵家や子爵男爵などの子息令嬢も会話に混ざって、楽しい輪が広がる。
「まあ、空しい。マーカス殿下に嫌われているからって、周り固めて無理しちゃって」
「言ってやるなよ。女として、完全にアメリアに負けているって認めているんだからさ」
「惨めねえ」
そんな、楽しい時にも聞こえてくる、いびつに歪んだ声。
「おお、おお。高位貴族に向かって、随分と威勢のいい子爵家と男爵家だな。お、あっちは伯爵家か?うちと同じじゃないか。分かっていないのか?まあ、事業も持っていないから、いいのか?」
「だとしたって、街道を使ったりはするでしょうに」
「そうよね。特産品の輸送だって、あるものね」
「自分で、自らの道を閉ざす。そうか。没落したいんだな。望みは、叶えて差し上げないといけないよな」
そして、物騒な会話を平然とするのは、グロリアやカーティスと会話をする仲間たち。
因みに、その筆頭はカーティス。
イーデン公爵一族のなかから選ばれ、グロリアの身を任されている彼は、嬉々として行動していた。
「カーティス。あれが、家としての見解なのか、個人の意見なのかは、きちんと判別してね。もちろん、ちゃんと私も動くから」
「分かっているよ、グロリア。一緒に頑張ろうね」
個人としてグロリアを、ひいてはイーデン公爵家を貶めているのか、もしくは、家そのものがそういった意見の家なのか。
グロリアとカーティスは、周りの学友たちの力も借りながら精査していった。
ありがとうございます。




