↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雑記  作者: とくめい
PR
7/42

天才伝説の毛二帝が好き

 天才伝説というゴルフ漫画があります。原作は自称中国系カナダ人傘張(サン・チアン)、作画はみのもけんじ先生。単行本には風の大地の坂田信弘先生が推薦文などを寄稿しています。

 カナダの最高峰、ローガン山の厳しい自然の中でゴルフをして育った少年ゲン・ローガン・アボット。

 休暇でローガン山のふもとに来ていた新聞記者の山科に見出されたゲンは、その驚異的な実力で全米オープン(デビュー戦)や闇プロゴルファーとの戦い(この世界では裏社会の権力者が闇ゴルファーに対戦させて世界情勢を動かしている)に身を投じていく、というあらすじの奇想天外な漫画です。

 突飛な設定にクマやギャングとの戦闘が挟まる展開、J・F・ケネディ元大統領暗殺の真相などが語られる大スペクタクル。

 なお、傘張の正体は坂田信弘先生本人です。本人は最終話まで隠し通せているつもりだったようですが、試合描写が風の大地そのものなので読者にはバレバレ。作画は違うのにラウンド中本当に風の大地にしか見えないのですごいと思います。

 自分の作品に自分で推薦文を書く、しかも「日本人には書けないようなスケールの大きな話」など滅茶苦茶褒める。坂田先生は本当に茶目っ気のある方です。


 さて、本題は毛二帝です。ゲンの育ての親、アル・アボットの因縁に決着がついた後の新シリーズ「天才伝説 第二章」に登場するゴルファーです。

 第一章の後、ローガン山に戻ったゲン。少し退屈になったプロゴルフ界に、中国が国家プロジェクトとして育てた四兄弟が旋風を巻き起こす。手始めに乗り込んだ日本国内で様々なトーナメントの表彰台を独占。日本プロゴルフ界の危機を救うため、山科は再びゲンを表舞台に呼び戻す。第二章はそういった展開になっております。

 さて、第二章のライバル、中国が国家の威信をかけて育成したゴルファーの毛四兄弟(毛一帝、二帝、三帝、四帝。名前が適当過ぎませんか?)は有力選手を狙って同じ組で回り、ラウンド中にプレッシャーを与え続ける戦法を得意としています。

 本編中、毛一帝はゲンの親友ジョン・デーリーと最終日まで同じ組でラウンド、四帝はゲン本人をマーク。四帝は終始ゲンを煽るも、逆にその圧倒的な技量に打ちのめされて三日目で棄権。最終日は四兄弟最強の三帝がゲンと鎬を削る。という展開で物語が進んでいきます。


 二帝は?

 

 二帝はラウンド中本当にずっと蚊帳の外。最終回までずっと物語にいなくても問題ない存在。三兄弟として出した方がよかったのでは?途中で構想とは違う展開になったのかな?などと考えてしまいます。けれど、最近そういう登場人物がいてもいいのではないかと思うようになってきました。

 現実の世界は主人公だけで動いているわけではありません。みんなに役割があるわけではありません。自分に存在意義を見出せない人だっています。でも、誰かに存在を否定されても法律上否定されるいわれはない。生きていくことを否定されてはいけない。むしろ個人の生存を否定する考え方こそ責められるべきだ。基本的人権の尊重という憲法の根底にある原理を思い出すと、二帝を見る目が少し変わりました。

 二帝はそうした基本的人権の尊重を体現するキャラクターだ。というのは言い過ぎかもしれません。ただ、話のなかで必ずしもすべての人物に役割が必要なわけでもないよなあという感情があります。

 現実世界は、表舞台で活躍する主人公たちの人生に影響を及ぼさずに生涯を終えるたくさんの人でできています。数えきれないほどの、私の人生に関わってこない人でできています。現実世界においてもそういう状況の方が自然だと思います。何もかもに意味を求めたり伏線を見出して考察したりすることはよくない。そう思います。

 妙に二帝を気に入ってしまったのは私の中にそういう思考があるからなのかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。