高齢者の多い自治体とDX
先日、PHPに重大な脆弱性が見つかり、世界中多くのウェブサイトが一斉にメンテナンスに入りました。
気象庁の統計情報などを公開しているサイトもメンテナンスに入っていたのを見て、数年前、豪雨災害が起きた時のテレビ報道で少し気になることがあったのを思い出しました。
豪雨に限らず、大きな災害が起きるまたは災害の予兆があると気象庁および各地の気象台は会見を開き、大抵NHKはそれを中継します。
その時は線状降水帯によってすでに被害が出始めているという段階で、更に雨雲の移動によって今後別の地域でも警戒が必要になってきている中、会見の中継が始まりました。
会見は気象台の職員がモニターに表示された資料を指して現状と今後の見通しを説明するという形で行われていたのですが、NHKのカメラはモニターではなく職員の姿ばかりを映していました。
確かに資料はインターネットで閲覧できます。しかしインターネットで情報を収集できないという方も大勢いるお年寄りの多い地域が被害にあっており、気象庁のサイトを見ろなんて言えません。NHKのカメラマンは執拗に職員のアップを撮影し続け、会見は終了しました。
腹に据えかねてNHKの窓口に意見を送付しました。その後改善したようには見えませんが。
ここ数年、民間企業だけでなく公共放送、地方自治体でもDXが推進され様々な市民サービスやインフラがインターネットの存在を前提に運用されるようになりました。けれど、そこに暮らす人は必ずしもインターネットというものに慣れ親しんでいるわけではありません。DXを推進する人はデジタルディバイドについての認識が甘すぎると思います。
高齢化が進む集落に住んでいるので最近はデジタルディバイドを意識することが増えました。例えばゴミ出し。台風が迫っていると当然ゴミ出しは中止になりますが、うちの市はその連絡を自治体のLINEアカウントからの発信で済ませるようになりました。以前は区長に連絡し、区長が集落内の放送で周知するという形式だったのに。しかも区長に対しLINEでの連絡に変更するといった通知は無し。LINEアカウントを持っていない人すらいるのに。
各集落だいぶ混乱があったようで、区長が偶然LINEアカウントをフォローしていたので放送してなんとかなったというところもあれば、収集があると思い込んでみんなゴミ置き場に出してしまい、一旦持ち帰ってもらった集落もあったそうです。出したごみがどの家庭のものなのかなんてわからないのに。
役所ではDXが進んでいるので職員と市民の間にインターネットインフラに関しての認識の違いが出ているのでしょう、これに限らず、LINEなどを使えることを前提とした市民の多くが高齢者であることを無視した施策を自治体が始めています。今はスマートフォンを使える人でも、将来認知症になってしまったらどうするという問題もあります。少なくとも行政がLINEとかXとかで済ませるというのはまずい。
ごみ収集に関しての運用を変えるとかの話はまだ聞いていません。市民に対して横柄なところがある自治体なのでよっぽど大きな問題にならない限り、そのままにしそうな気がします。
特に公共性のある事業では、必ずしも技術による効率化が正しいとは限らないのでしょう。




