散歩していたらツクツクボウシが鳴いていた
10月下旬なのに真夏日を記録するような時代です。
ペルー沖、赤道付近の太平洋の海面温度は平年より4度前後高い状態となっています。いわゆるエルニーニョ現象というものですが、今年は特に強い。今まで酷くても3度程度の上昇だったのが4度。
同海域は平年よりも海水温の高いエルニーニョの局面と海水温の低いラニーニャの局面を繰り返しており、それが世界中の気温や降雨に影響しているのではないかと言われています。エルニーニョそれ自体は自然の営みであり世界の気候のバランスを作る要素のひとつですが、今年は観測史上前例のない規模で起きてしまいました。
エルニーニョが強まると夏は太平洋高気圧の勢力が弱くなるため冷夏になりやすいのですが、今年はあまりにもエルニーニョが強すぎるのに世界的な海水温の上昇が重なったためか、太平洋高気圧がいびつな形で張り出してきて日本周辺の海域の海水温も高い水準を維持して冷夏にはなりませんでした。世界的にも海面水温は史上最高となっております。
太平洋高気圧が北側に偏って張り出したため偏西風が平年よりも北に寄り、結果として今年の夏は台風の進路も例年にないものとなりました。記憶に新しい8月の千葉の豪雨災害も、関東から西に抜けるルートを通った台風がもたらした湿った空気の流れが豪雨に繋がったからだそうです。その後9月にも千葉は豪雨の被害を受けており、前例のない気候変動がもたらす影響の大きさを実感させられました。
昔は夏日、真夏日というふたつの言葉だけで夏の昼間の厚さを表現していたのがそれだけでは間に合わなくなり、2007年に35度以上の猛暑日、今年から40度以上の酷暑日という言葉を使わなければ追い付かなくなりました。
一昔前までは温暖化自体を否定している人も多かった印象ですが、最近になると温暖化を否定するのが難しく、二酸化炭素が原因ではないとか太陽活動が活発になっているだけだと主張する人が増えてきたように思います。
太陽の表面には周囲よりも温度の低い部分、黒点と呼ばれる場所があります。黒点自体は温度が低いのですが、黒点の周囲は広く高温になるため、太陽から放出される熱量の合計は黒点の数が増えれば増えるほど大きくなります。つまり黒点数が多ければ多いほど活動が活発になっていると言えます。
その黒点数の推移ですが、約11年ごとに減少と増加を繰り返す波があるものの、100年くらい前からの変化を見ると大して変わっていないようです。つまり現在の温暖化は太陽ではなく地球上での何らかの変化によって引き起こされていると考えるのが合理的だと考えられます。
この100年間、地球上で起きた変化は多くの場合、人間の活動に起因するものでしょう。気象というのはわかっていないことの方が多いので断言はできませんが、温暖化を認識していて人間の責任ではないと考えるのはとても無責任だと思います。それを「自然の前に人間は無力」という言葉で正当化しようとする人すらいます。
技術の進歩でなんとかなるというテック加速主義的な考えについても、技術の進歩で現在の状況が作られているのに何でそんな楽天的になれるんだろうかと憤りの感情が湧いてきます。しかし私が憤ったところでどんどんAIデータセンターは建てられていきますし戦争で資源は浪費されます。一応個人的にできることはやっていますが焼け石に水でしょう。
11月12月にツクツクボウシの鳴き声を聞ける時代も近いのかもしれません。
2026年11月1日追記
今日もツクツクボウシが鳴いていました。さすがに死にかけで、「ツクツクボウシ」の名残をわずかに感じる程度の音でしたが。
11月にツクツクボウシの鳴き声を聴ける時代になってしまった。




