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雑記  作者: とくめい
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青いターバンの少女と真珠の耳飾りの少女

 フェルメールといえば青いターバンの少女や牛乳を注ぐ女に代表される人物を主題とした風俗画ですが、二点しかない風景画の「デルフトの眺望」「小路」も素晴らしいものだと思います。特にデルフトの眺望の静かで繊細な雰囲気が気に入っています。

 ところで、真珠の耳飾りの少女は昔、青いターバンの少女と紹介されることも多かったはずですがいつの間にやら真珠の耳飾りの少女に統一されました。どう考えてもターバンの方が目立ちますし、実際ラピスラズリを使用した高価な青い顔料を惜しげもなくターバンに使っているのに。

 この絵画は(存在したのかはわかりませんが)作者のフェルメール自身がつけた題名が現在まで伝わっておらず、所有者がつけた題名などに関しても同様に伝わっておりません。正式な題名が判らない絵画なので様々な呼び名で呼ばれていたようです。

 ターバンを巻いた少女とか真珠をつけた少女などと呼ばれることが多かったそうですが、1995年にマウリッツハイス美術館が「真珠の耳飾りの少女」という題名が適切であると判断し、世界的にこの名前で呼ぶよう働きかけるようになりました。それでも少なくとも2010年あたりまでは青いターバンの少女という題名は目にしていた記憶があります。


 しかし2014年、オランダライデン大学の理論天文学者で視覚芸術家ヴィンセント・アイクがこの耳飾りは真珠ではないと主張しました。

 https://www.ad.nl/wetenschap/meisje-met-de-parel-draagt-helemaal-geen-parel~a94f5515

 コンピューターシミュレーションと実験の結果、光の反射が明らかに真珠のそれではないことが判明したそうです。もともとサイズが真珠にしては大きすぎると指摘されていたようで、正確にはヴィンセントさんがもとからあった非真珠説に新たな証拠を提示したという形になると思います。

 フェルメールは「真珠の首飾りの女」や「恋文」など度々真珠を用いたアクセサリーを描いており、見比べると確かに「真珠の耳飾りの少女」における耳飾りの光沢は真珠とは別物のように見えます。Wikipediaのフェルメールの作品一覧で高解像度の画像が公開されていますので確認しやすい。便利な時代です。

 ではこれは結局どんな素材なのか、ヴィンセントさんによれば銀メッキ、磨かれたスズ、漆器や塗装されたガラスではないかということです。

 これに関しマウリッツハイス側は「もうこれで通ってるし『真珠の耳飾りの少女』について書かれた書籍が映画化しちゃってる。レンブラントの『夜警』だって昼間の絵だけどそれが判明しても題名は変えられていない」と既成事実化しているから仕方ないというスタンスを取っています。

 昔、日航機の墜落事故が高天原山系の尾根なのに事故直後の混乱の中で発表された御巣鷹山という誤報で定着してしまい、事故現場が御巣鷹の尾根(高天原山系)と命名されたという話を思い出しました。既成事実化って名前すら歪めてしまうので恐いですね。

 私は青いターバンの少女と呼び続けることにします。

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