↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【イタ☆恋!】新・江の島縁起〜なぜかイタリア出身の怪人として戦うことになった僕は、魔法少女に恋をした〜☆現代コメディ・ファンタジー☆  作者: 綿野草空希
23 横恋慕は真剣に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
95/142

23.2 最初の日射病2

 とても不可思議だが、なんにしても、今朝は機嫌悪くないようだ。


 (よし。なら今のうちに、昨日の誤解も解いちゃおうっ)


 「あの、青浜さん。昨日のことなんだけど、僕としてはね……ええと……ええと……」

 (あ、しまった。考えを纏《まと》めないで、話し始めちゃった……) 


 どう説明すれば、いいんだろう?


 「ええとぉ……あっ、昨日、龍巳さんも呼んでアイスを食べようと誘ったのは、[将を射んと欲すれば先ず馬を射よ]といった気持ちではなくて。てか、むしろ将は青浜さんであって、そのぉ……」

 しどろもどろに説明する。


 「へ? ShowをMeとHotすれば、不味いHorse(馬)??」

 青浜さんはキョトンとして、小首を傾《かし》げた。


 (うむむぅ。これは完全に通じてないな)

 てか、このままだと、青浜さんがルー青浜になってしまう。


 「えとね、とにかくね、僕は純粋に、青浜さんと仲良くしたいと思って誘っただけで、その……」

 今度は、分かりやすく言ってみると……


 「ああっ、うんっ。昨日はあたしもちょっと、言いすぎたと反省した。……その……ごめんな?」

シュタッ

 青浜さんは、綺麗なおデコの前で、片手を立てて謝った。


 「あぁ、ううん。こちらこそ」

 ホッとして、軽く頭を下げる。


 どうやら、誤解は勝手に、解けていたようだ。


 (良かったぁ~。全然、大丈夫だったよぅ)

 これなら今後も、アプローチを続けていけそうだ。


 (うむむっ。ならば、このままもう一度、お誘いしてみるのもアリかな?)

 それは性急すぎるだろうか? 


 (でも、機嫌が良い今が、チャンスな気が……)

 隣を歩きながら、内心で迷っていると……


 「あっ! あたし、もう行くなっ」

 少し先にクラスメイト女子を見つけた青浜さんが、パッと手を上げた。

 「じゃあなっ」


 「あっ……」

 僕が口を開く間もなく、行ってしまった……残念。


ダバダダダダバダッ

 「ででっ! 殿中で御座るぅぅぅぅーーーーっ!」

 青浜さんを見送って佇《たたず》んでいると、背後から奇声が聞こえたので、振り向く。


 低身長の男子が、バタバタと坂を上って来るのが見えた。


 ……朝から見たくは、なかったけどね。


 「はぁ! ハァ! ……ちぃぃ! 遅かりし内蔵助で御座ったかっ!!」

 左手首に包帯を巻いた一宮君が、息を切らしながら悔しがる。

 「青浜殿と猥褻《わいせつ》怪人を、二人きりにしてしまうとはっ! 何たる不覚っ!」


 友人は今朝も、失礼だった。


ドダバダドダバダドダバダ……

 「ふぅっ……フゥッ……ふぅっ……フゥッ……ふぅっ……」

 続けて、中肉中背も上って来るのが見えたので、止まって待つ。


 心底、嫌だけど。


 「ふぅっ……フゥッ……同志ジェラート由比里よっ! ふぅっ……フゥッ……今、青浜嬢にっ、猥褻《わいせつ》行為をっ、ふぅっ……していたなっ!?」

 何だか妙に、体が重そうな椎名君が言う。


 「おはよう。二人とも、濡れ衣で友人を愚弄《ぐろう》する前に、朝はまず[おはよう]だよね?」

 爽やかなイケメン笑顔で、友人に挨拶する。


 「チッ! おはよ」

 「ケッ! お早う、ジェラート殿」

 二人はソッポを向いて、適当(テケトー)にあいさつした。


 あいさつの前に、舌打ちするのは止めようね?


キョロリキョロリ

 二人はなぜか、歩き出さずに前後左右を見渡す。


 「あっ! 龍巳殿っ! お早うで御座るーーーーっ」

ぶんぶんぶんっ

 「おはよーーーう、龍巳嬢っ! フロント・ダブル・バイセップスッ!」

ビシッ!

 二人は人混みの中から、坂を上って来る龍巳さんを目敏《めざと》く見つけて、元気にポージング&手を振った。


 (あれ? 二人とも、龍巳さんに対して、口籠《くちごも》ってないぞ?)

 軽く驚く。


 もちろん、中肉中背の奇行には驚かない。


 (まあ、いいや……)

シュタッ

 「龍巳さん、おは……」

 僕も手を挙げて、イケメンスマイルで、龍巳さんに挨拶を……


スッ……

スススッ……

 僕が龍巳さんに挨拶している途中で、一宮君、椎名君が、僕の前を遮《さえぎ》るように立った。


 え? このフォーメーションはなに?


 ちなみに、中肉中背は、ポージングを崩していない。


 「あ、一宮君、椎名君……と、由比里君。おはよう」

 龍巳さんが一瞬、友人二人にブロックされて見えづらかった僕を確認してから、涼やかな笑顔で挨拶した。


 「龍巳さん、おは……」

 「やあ、龍巳嬢。今日は生憎の脂肪天気(マッチョ用語で曇り)だなぁ」

 「本日は随分と、青浜殿と離れましたなぁ? 何かあったで御座るか?」

 二人が僕の前にピッタリと張りついたまま、挨拶を遮《さえぎ》る。


 「えっ!? ……う、うん。今日の夏音ちゃん、なぜか凄く早い段階で走り出しちゃったの。ふふふっ、ちょっと珍しいかも」

 龍巳さんは、滑舌《かつぜつ》の良い二人とマッチョ用語に、少し驚いた顔を見せたが、すぐに上品な笑顔に戻って返事をした。


 「おーーいっ、桜花ぁーー!」

ぶんっぶんっぶんっ

 少し先で、青浜さんが女子たちと一緒に立ち止まり、こちらに向かって手を振っていた。


 「はーーい」

 それを見た龍巳さんは、僕たちに笑顔で軽く会釈すると、青浜さんの方へ小走りで行ってしまった。


 ……結局、僕は挨拶すら、まともに出来なかった。


 「……ねえ、何なの? このフォーメーション。嫌がらせ?」

 青浜さん、龍巳さんの背中を見送りながら、聞く。


 「いやいや、拙者共は猥褻《わいせつ》怪人ナポリタン付き戦闘員で御座るから、こうして寄り添い、緊急事態に備えているだけで御座るよ?」


 「そうそう、同志ジェラートに張り付くのは、神城岬教諭から任された重要任務。我々もイケメンになるために完遂《かんすい》せねばならん」


 「そんな建前じゃなくてさ、二人共、僕という友人を酷く誤解してない?」


 「誤解も何も、ジェラート殿は戦闘中に、敵に猥褻《わいせつ》プレイを強要する、破廉恥漢《はれんちかん》で御座ろう?」


 「どこぞの敵と乳繰《ちちく》り合うのは勝手だが、紛い物のイケメンを利用して、我らの[青春の象徴]の二人を穢《けが》す行為は、何としても阻止させてもらうぞっ。マッチョの名にかけてっ!」


 くそぅ、納得出来ない……が、完全な冤罪《えんざい》でも無いので、反論が出来ない。


 ピュア・シャイニングよ、昨日はおっぱいを、ありがとう。


 でも、ジェラートと呼ぶのは、もう止めて欲しい。


 あと、椎名君が名をかけるべきは、中肉中背だからね?


第23章「横恋慕は真剣に」

終了まで、あと4話



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。