21.4 DIRTY OLD BOY4
月、火、木、金、土の週5日、18時10分頃に、最新話を更新しますっ!
二人が僕そっちのけで、姦しく言い合い、盛り上がる……
(なんか個人情報を漏らしながら話しているなぁ……。二人がプライベートでも知り合いだっていうのには興味はあるけど、余計な詮索は危ないから、止めておこう)
それが悪の組織での処世術だ。
二人のガールズ? トークは聞いてないフリをして、ベットに座っておにぎりを食べ始める。
「ああ、そうそう……」
ジジジジジジーー
言い合っている最中、カラー1将軍がふと思い出したように、ボンデージの脇腹にあるチャックを開いた。
すっ
そして、中から封筒を取り出し、僕に向かって差し出した。
「今話したが、ナポリタン個人は敗北だったが、BIP全体は勝ちに等しい。そして、勝利に最も貢献したのは貴様だ。だから特別に、ボーナス20万が出た。受け取れ」
カラー1将軍はいつもの口調に戻り、そう言う。
「えっ!? いいんですかっ!?」
驚き、聞き返す。
「ああ、総統閣下からの、正式な勝利報酬だ。受け取れ」
「妥当な信賞必罰だろうな。まぁ、いらないのなら私がもらってやろう」
すすすっ
Dr.ヘッドランドが、横から封筒に手を伸ばす。
「ありがとうございますっ!」
ササッ
僕はさっさとカラー1将軍にお礼を言って、封筒を受け取り、Dr.から防御した。
「チッ!!」
ビシッ!
盗み損なったDr.が、白衣を翻し、平然と僕にローキックを入れてきた。
「痛っ」
何なんだこの人は。 自由人か。
シュン……
無意味に治癒が起きて、痛みが引く。
「ふふふっ、いいコンビだなっ。さて、そろそろ私は行くぞ。まだ書類仕事が残っているのでな。……ああ、挨拶はいい、貴様はゆっくり食べていろ」
カツ・カツ・カツ・カツ……
カラー1将軍は、立ち上がろうとした僕を手で制して、ヒールを鳴らして歩き出した。
シュィィン……
カラー1将軍が退室しようとすると、少し手前で自動ドアが開き、事務服にアイマスク姿の女性が、お盆を持って入って来た。
「しまぁーー」
女性が横に避けて挨拶すると、カラー1将軍は軽く手を上げて、そのまま退室していった。
「せんせー、賄お持ちしましたよー」
カラー1将軍を見送った事務員さんが、Dr.に向かって言う。
「おお、紗弥、サンキューなー」
「もー、ここでは名前で呼ばないで下さいよー」
Dr.と事務員さんは、そんな会話をしながら、お盆を受け渡した。
(プライベートの知り合いが多い人だなぁ……)
僕は、守秘義務を総スルーしているDr.に呆れつつ、おにぎりを咀嚼した……
……その後、Dr.ヘッドランドと二人で、無駄話をしながら、のんびりとおにぎりを食べた……
途中、Dr.から、さっき取られたきゅうりの一切れを、奪い返そうと手を伸ばしたら、また蹴られた。
なんてフリーダムな人だ。 貴女は、某合衆国大統領か。
――――――――――――――――――
お腹一杯でDr.ヘッドランドと一緒に治療室から出ると、冷たく静かな廊下に、背の低いアルバイト戦闘員一名がぽつねんと立っていた。
「ごじゅうにっ! ごじゅうさんっ! ごじゅうよんっ! ……」
その横ではもう一名、中肉中背の戦闘員がヒンズースクワットをしていた。
「「……あっ! Dr.ヘッドランドっ!」」
ダダダダダッ!
彼らは僕とDr.ヘッドランドの姿を見つけると、すかさず駆け寄り、バババッとアイマスクと目出し帽を外した。
この戦闘員二名の顔は案の定、椎名君と一宮君だった。
ただ驚いたことに、椎名君は頬にガーゼを、一宮君は左手首に包帯を巻いていた。
「待っててくれたんだっ?」
二人の友人の顔を見て、嬉しくなる。
「でも、二人ともその怪我はどうしたの? まさかアルバイトなのにピュア・シャイニングと交戦したの?」
一方、心配にもなり、質問する。
しかし、二人は僕の問いには一切答えず、目もくれず、Dr.ヘッドランドの前に立つ。
ババッ
そして廊下に膝を着くと、いきなり土下座をした。
「Dr.、どうか俺にもイケメン注射を打って下さいっ」
「拙者は怪人に相応しい人材で御座るっ。どうかブスッと注射を一本っ」
二人は大声で頼み、床に頭を擦りつける。
「は? 何だこいつら?」
Dr.ヘッドランドはドン引きし、冷めた目で二人を見下ろしながら、僕に聞いた。
「ポリタン、お前の知り合いなのか?」
「この二人は小動高の生徒で、僕の友人なんです。……あと、変な略し方はしないで下さい」
なんか、怪人名がポリタンクみたいじゃないか。
「なんか僕と同じ触手怪人になりたい……と、ゆーかイケメンになりたいらしくて、怪人化注射を打って欲しいと……」
しょうがないので、二人の目論見を説明する。
「おいおいおいっ、お前守秘義務って言葉を知らんのかぁ? お友達だからって、怪人化の話をベラベラと喋るヤツがあるかっ」
自分のことを棚に上げて、Dr.が僕を責める。
「いや、だって、ここまで見た目が変化したら、僕から話さなくても気づかれますってっ! この二人は、青銅の鳥居で記憶を取り戻した瞬間、そのことを突っ込んできましたからっ」
言い訳がましいが、反論する。
「それに、どうして怪人化したのかを、更衣室の前で簡単に説明しただけで、詳しい内情なんかは、話してませんから」
まだ頭を下げている二人を見ながら、Dr.と話す。
「はぁ~~~……ハイハイ、分かったよ。まっ、どうせこいつらは帰る時、また青銅の鳥居で、記憶が消えるんだからいいか……」
カツ・カツ・カツ・カツ……
Dr.はウザったそうに長い黒髪をモシャモシャとかくと、さっさと切り替え、土下座中の二人を放置して、ツカツカと歩き出す。
カツ・カツ・カツ・カツ……
「ポリタは体に異常はないから、そいつらと一緒にこのまま帰っていいぞ。あぁ、明日は夕方から、研究のための精密検査だから、詳しくはおってまた連絡……」
「まままままっ待って下されっ!」
「お待ちをっ!」
二人は立ち上がり、走ってまたDr.ヘッドランドの前に出ると、膝を着いた……
第21章「戦闘後と破廉恥ボーナス」終了
第22章は、「取引、密約、もう1人の怪人誕生!?」
(話数未定)です。
お楽しみにっ!




