22.1 DIRTY OLD BOY5
月、火、木、金、土の週5日、18時10分頃に、最新話を更新しますっ!
「まままままっ待って下されっ!」
「お待ちをっ!」
二人は立ち上がり、走ってまたDr.ヘッドランドの前に出ると、膝を着いた。
「拙者は今夜、魔法少女に一矢報いたで御座るよっ。武士の拙者なら、由比里殿より上手に戦えるで御座るっ!」
一宮君がもう一度、床に頭を擦りつける。
「俺のマッスルボンバーで、ブルーを吹っ飛ばしてやりましたっ。もちろん、俺は破廉恥なプレイなどは一切していないっ。フロント・ラット・スプレッドッ!!」
中肉中背が、座りながらポージングをして、ついてもいない筋肉を、Dr.にアピールする。
「なに言ってるんだ、こいつらは……」
行く手を阻まれたDr.ヘッドランドは、ウンザリした顔で僕を見る。
(ハァァ~、この二人、自分からピュア・シャイニングに挑んだのかぁ。そこまでしてイケメンになりたいんだぁ。……困ったなぁ。注射のことは、僕からお願いしておくって、言ったのに……)
ま、そんなことは、サッパリと忘れていたから、まだお願いしていないけどね。
「あのなぁ、コイツからどこまで話を聞いたかは知らんが、今回の細胞適合者はこの馬鹿一人だけで、適合しない者に打つと、最悪死ぬかもしれんのだぞ?」
「イケメンになりたいからと、軽々と打てるモノじゃないんだよ。一本あたりのコストだって、高いしなっ」
少し怒りがこもった口調で、諭す。
「ではっ、次の改良型が完成した暁には、是非とも拙者にっ!」
「俺に優先的に打ってくださいっ! フロント・ダブル・バイセップスッ!!」
一人はゴチンと頭を床に打ちつけ、もう一人はポージングを変えて頼む。
椎名君、それが人に物を頼む態度なの? おっかないなぁ。
「おおぃっ、お前ら今、人の話をちゃんと聞いていたか? しかも【完成した暁には】って! たくっ、簡単に言いやがって……」
Dr.ヘッドランドは、怒りを通り越して、呆れた顔をした。
「あのっ、二人とも、もうその辺で止めようよっ」
間に割って入り、諌める。
いい加減にしないと、Dr.ヘッドランドが本気で怒り出すかもしれない。
Dr.は変人なだけに、完全にキレたら、何をするのか分からない怖さがある。
見ていて内心、肝が冷える。
(二人の身を守るためにも、触手を使って拘束しちゃおうかな……)
友人にまた触手を使うのは気が引けるが、彼らもDr.ヘッドランドの逆鱗に触れるよりはマシだろう。
シルシルシルシル……
僕は、友人二人に向かって、指触手を伸ばし始める……
「…………あっ! いやいや、まてよ……。そうかっ、こいつらは丁度良いかもしれんな」
イライラして、煙草の箱を取り出そうとしていたDr.が、ピタリと止まり、そう呟いた。
「うん。……よし、良いだろうっ」
Dr.は一つ頷くと、土下座とフロント・ダブル・バイセップスをする二人に向き直った。
「お前ら二人を、次の汎用量産型触手怪人の最有力候補者にしてやろう。完成したら一番最初に打ってやる」
Dr.は一転して、承諾してしまった。
しかも、不気味なほどの、百万ドルの笑顔でだ。
「なんとっ!?」
「本当ですかっ!?」
二人が気色立ち、身を乗り出す。
「ああ。ただし、私が与える任務を完遂出来たらの話だがなっ。……どうだ、やるか?」
煙草をポケットに戻しながら、詐欺師の笑顔を浮かべて聞く。
「筋トレでも、何でもしますっ!」
「拙者にお任せあれっ!」
「よし。任務とはな、大学生の佐藤君を公私に渡ってサポートする役だ」
「「「誰ですか、それ?」」」
僕ら三人で、首を傾げる。
「お前らには、怪人ナポリタン付きの戦闘員になって、とある秘密保持の任務に就いてもらう」
「そして学校では影から、この馬鹿が何かヤラかさないようにと、サポートするんだ。来月頭に到着する予定の、重要物を守るためにな」
「「はあ……」」
二人は説明されてもよく分からないといった感じで、生返事をする。
「まあ、ここでは何なので、私の研究室で説明してやる。ついて来い」
バサッ!
Dr.はそう言いつつ、アイマスクを外した。
当然、アイマスクの下から出てきた顔は、小動高校の養護教諭の……
「「「えええぇぇぇ!!神城岬先生ぃぃぃぃ!?!?」」」
僕ら三人の絶叫が廊下に響いた……
「……て、いやいや、由比里は私の正体を知ってるだろ?」
「すみません……なんかつい、つられちゃって……」
第22章「取引、密約、もう1人の怪人誕生!?」(話数未定)
【予告】
次話は、月曜日の夕方に、投稿されますっ。
椎名君と一宮君の粘りが通じ、思わぬ展開にっ!?
乞うご期待!
それと、活動報告もほぼ毎日、書いております。
よろしければ、ご笑覧下さいm(_ _)m




