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新江の島縁起〜なぜかイタリア出身の怪人として戦うことになった僕は、魔法少女に恋をした〜【第2部スタート】  作者: 綿野草空希
20 よろしくジャンヌ・ダルク

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20.1 よろしくジャンヌ・ダルク13

 「♪ピュアなハートを~みんなを守る勇気に染めて~♪」

ポポンッ・チンッチンッ・ポポンッ・チーン

 ピュア・シャイニング親衛隊が声を枯らして歌い、汗を飛ばして踊り続ける。


 「♪ラ~ラ~ラ~、Forza(フォルツァ) ビ~アイピィ~♪ラ~ラ~ラ~、Forza(フォルツァ) カラー1将軍~♪ラ~ラ~ラ~、Forza(フォルツァ) ナポリタン~……」

 対抗するように、協力会員が即興のチャントを作り出し、応援する。


パシャリ パシャリ パシャリ 

 一般観光客が熱心に、スマホで写真を撮っている。


 「おりゃ! おんどりゃっ!!」

ビュン! ビュン! ビュン! ビュン! ビュン!

 そんな中で、ブルーが大量の光のボールを、カラー1将軍に浴びせかけていた。


 「チィィィ!!」

ブンッ! ブンッ! ブンッ! ブンッ! ブンッ! ブンッ! 

  カラー1将軍が舌打ちしながら、スチール製のチェーンを振り回し、全てのボールを叩き落とす。


 「まだまだあぁあぁーー!!」

ビュン! ビュン! ビュン! ビュン! ビュン!

 それでもお構いなしに、ブルーは光のボールを乱射する。


 そのため、その場に釘づけにされたカラー1将軍は、ブルーの後ろで治癒中のピンクを追撃出来ずにいた。


 当初と比べて、ピンクの治癒速度は、かなり遅くなっている。


 それでもピュア・シャイニングの二人は、カラー1将軍に手を焼きつつも、一向に撤退する様子は見せなかった。


 「――と、こんな感じのアイディアです。どうでしょうか?」

 三人からほったらかし状態の僕は、部隊内通信で閃きを手短に説明する。

 

 「……………よし、やりましょう」

 総統閣下は一瞬の思案の後、即決で了承してくれた。


 「では、ナポリタン、貴方は自身の準備を始めなさい。スギヤマン将軍の殿しんがり案は一旦中止。殿しんがりはムツゴロンのみとし、イソガニンさんは――」

 総統閣下は素早く、関係各位に指示を出し始める。


 (よしっ、僕も早く、準備に取りかかろう)

 通信に耳を傾けつつ、準備に入る。


ビリッ

 手にしているイタリアン・ジェラートの袋を開ける。


 やはり中は溶け出していて、甘ったるい匂いを放っていた。


 まずは左右の無限インフィニティ緊縛バインドの先を少し細めつつ、その最先端に窪みのような空洞を作る。


 (実は[先端が手の平になってたら便利なのになぁ]と、何度となく思っていたんだよね)

 思ったが、触伸臂しょくしんぴは、そこまで細かい形は作れなかった。


 (まぁ、仮に手の平を形作っても、触伸臂しょくしんぴには骨がないから、実際の手の平のようには機能しないだろうけどね)


パクッ パクッ

 (よし、上手く出来た)

 わずかな試行錯誤の末、ちゃんと先端に、ちょっとした空洞が出来た。


 「ナポリタンの奇襲作戦が発動すると同時に、イソガニンさんも攻撃を開始して下さい」

 通信で総統閣下の指示が聴こえる。


 (急ごう……)

 空洞が出来た右の触伸臂しょくしんぴを、ジェラートの袋の中に突っ込む。


パクッ……チュチューー……

 触伸臂しょくしんぴの先が小さく割れて、溶けたジェラートを吸い込んでいく。


 半分ほど吸い込んだら、続けて、左の触伸臂しょくしんぴを袋に突っ込む。


パクッ……チュチューー……ゾゾゾゾゾォォーー……

 全てのジェラートを吸い込み終わる。


 「よしっ、上手くいった」

 目の前に、完成した[ジェラートin触伸臂(しょくしんぴ)]掲げる。


 「さて、上手く動くかな?」

クッ

 試しに、先端に軽く力を入れてみる……


ぴゅぴゅっ

 思いの外、間抜けな音がして、先端の割れ目から、白いジェラートが少量、噴出した。


 (……あれ? 思った以上に、絵ズラが何か卑猥だぞ?)

 触伸臂しょくしんぴはつるっとした肌色で、形も何か……


 「カラー1将軍は、とにかく大げさな技を出すふりをして、ピュア・シャイニングの注意を引きつけて下さい」

 どんどんと、作戦の細部が決まっていく。


 (ヤバいっ、早くしなきゃ!)

 絵ズラのことは頭から追いやって、立ち上がる。


 「委細承知いさいしょうちしました。こちらはすぐにでも、開始出来ます」

 戦いつつ、ずっと通信を聴いていたのだろう、カラー1将軍は即答した。


 「はい、お願いしますね。……ナポリタン、準備は出来た?」

 総統閣下が聞いてくる。


 「準備完了しました。いつでも大丈夫です」

 ピュア・シャイニングに気がつかれないように、静かに歩きながら、総統閣下に応えた。


 「よしっ。では、怪人ナポリタンのジェラート奇襲作戦を開始しますっ。各員、かかれっ!」

 総統閣下が下知を下す。


 「ええぃぃらちが明かんっ!! こうなれば江の島が吹き飛んでも構わんっ。私の禁術の封印を解いてやるっ」

ジャラランッ!!

 そう叫んで、カラー1将軍が紺瑠璃のチェーンを投げ捨てた。


 「この必殺技で、ここにいる全ての者共々、小娘どもをほふってくれるわっ!!」

ダタンッ

 大声で宣言すると、大きく後ろに跳んで、戦闘から離脱した。


 「なっ!? 禁術の封印を解くっ!?」

 「えっ!? 全て者を屠るっ!?」

 ブルーとピンクが、驚きの声を上げた。


ざわざわざわざわ……

 歴戦の大将軍の不穏当な言動に、場外の人々が狼狽うろたえて、ざわめく。


 (よしっ、無限インフィニティ大蛇スネークっ)

シルシルシルシル……

 全ての注目がカラー1将軍に集まる中、僕は一人静かに、触伸臂しょくしんぴを地面にわせた……


第20章 「よろしくジャンヌ・ダルク」

 終了 & 第1部完結まで、あと3話



【三つ目の戦闘和歌の解説を加えましたっ!】


新江の島縁起 戦闘和歌集

https://ncode.syosetu.com/n7071ml/


✾お時間があったら、こっちも見てねっ✾

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