14.2 エロティック・セブン EROTIC SEVEN7
ちょっとだけ登場人物紹介 下ネタ大好きなCPさん
このCPさん、以前に登場した、Dr.と仲の良いアルバイト事務員の茂倉紗弥ではありません。
ちょっとしか登場しませんが、実はモブキャラでもありません。
記憶の片隅に覚えておくと、面白いかも?
(あぁ……なんで僕、自分自身の好物を、ポージングしながら力一杯叫んでいるんだろう?)
ポーズを取ったまま、人生の理不尽さに思いを馳せる。
ポポン……
チーーン……
静寂に耐えられなくなったのか、それとも僕には鳴り物が無いことに気を使ったのか、少し遅れてピュア・シャイニング親衛隊の一団から、小鼓とトライアングルの音が鳴った……
しーーーん…………………んんんんんんんんんんんっ!!
「「「……んんんんんんぅぅううおおおおおおおおおぉぉぉぉーーーー!!」」」
突如、地鳴りのようなどよめきに、広場が包まれた。
「いっ、イタリアだとっ!?」
「おおおぉぉぉ……」
「凄げぇ、凄げぇ、凄げぇ、凄げぇ……」
「ちょっ、ちょっと、それは反則なんじゃないかっ!?」
「マジかっ!? イタリアの怪人なんて初めてだぞっ!!」
「くぅぅぅ~~、カッコイイーーーー!!」
「やばいぞっ!!やばいぞっ!!」
協力会員とピュア・シャイニング親衛隊の面々が揃って、一斉に驚嘆の声を上げる。
(え!? ナポリタンだよ? みなさん、どうしちゃったの?)
ポージングのまま、逆に僕が驚愕する。
「なあぁぁ!? イタリア怪人だとおぅ!? BIPはイタリアから怪人を呼び寄せたのかっ」
ブルーまでも驚きの声を上げて、ジリリと後ずさりした。
「もしや助っ人外国怪人なのか? ……しかもイタリアのナポリからの? ……英語ならちょっとは分かるけど、イタリア語なんて話せないぞ……」
ブルーさんはびっくりするほどに狼狽ている。
この子は色々と大丈夫だろうか? と心配になる。
「私、外国のお客さんの、接客は苦手で……」
ピンクも微かに驚いた様子を見せて、なにかを呟き後ずさりする。
僕はとてもへっぽこな怪人名だと思うのだが、なんだか意外と周りは高評価だ。
皆さん色々大丈夫だろうか? と、日本が心配になる。
「ピュア・シャイニングが、外国怪人が現れたと思って動揺しているわっ、そのままイタリア人のフリをして心理的優位に立ちなさいっ!」
通信で総統閣下が激しい無茶振りをしてくる。
(ううぅ、もう破れかぶれだっ!)
僕はポージングを解くと、ピュア・シャイニングに向き合う。
「そっ、ソウデーース。Buona sera!(こんばんは)」
「ワターシは総統カッカーに呼バレテぇ、イタぁーーリアからキタ、怪人ナッポーーリタンなのデーース」
行きつけのイタリア料理店の店主であるフィリッポさんの喋り方を真似して、片言で喋りつつ、もう一度マントをバタバタと翻して見せる。
(うわぁ、我ながら酷い演技だなぁ。これはさすがにバレるよなぁ……)
やってから、自身の行いを後悔し、羞恥で身を縮こませる。
まるで、胡散臭い外タレのようだ。
これで騙されるほど、世の中、チョロくはないだろう。
「やっぱり、BIPは外国怪人を呼んだのかっ!! 地域クラブの癖に生意気なっ!」
ブルーさんは一際大きく、怒気を孕んだ声を上げた。
この子は存外チョロい。
「ええと、イタリア語で和菓子はなんて言うんだっけ……」
ピンクは小声でなにかを呟き、アイマスクの色つきレンズの奥の目を泳がせている。
こちらも存外チョロい。
大丈夫か? ピュア・シャイニングよ。
ちなみに、アイマスク奥の瞳は、薄っすらとしか見えていません。
「カッコ良い~……」
「BIPもいよいよ、グローバルになったなぁ……」
協力会員たちはとても感心している。
皆さんなぜ、あの演技で騙されるのか?
そして日本人はなぜ、こんなにも外国人にコンプレックスを持つのか?
「ん? なんでぇ、あの皮被り小僧わぁ、南蛮人だったのけぇ?」
無線の向こうの味方も一人、騙されていた。
あと、剥けてます。
「ふふふふふっ、我ながら今のはかなりの好判断、好指示だったわね。ピュア・シャイニングは激しく動揺しているし……この戦い、取ったわっ!」
総統閣下が声を高ぶらせて、自画自賛をなさる。
「さあっナポリタン、準備は良いわねっ。動揺している間にこのまま一気に押し切るわよっ! カラー1将軍っ、戦いの合図をっ!」
グダグタの展開はもう終わりと言わんばかりに、力強く命令を出された。
トクン……トクン……
ドクンッ!!
その総統閣下の命令を耳にして、一瞬で心臓が跳ね、脳が熱くなり、血液が血管の中で濁流となって、体中の細胞がざわめき出す。
なぜか酷く、気持ちが高揚してくる。
(……いよいよ戦闘か……よし、やってやるぞ)
この場にいたって、自分でも驚くほどに恐怖心が薄れて……いや、消えていた。
恐怖どころか、目の前のピュア・シャイニングを見ていると、沸々と闘争心が沸いてくるのだ。
これは怪人の本能、総統家の細胞の影響なのだろうか?
強敵であるピュア・シャイニングから目が離せない。
「御意。……ふふふっ、ナポリタン、貴様は戦闘になると存外良い表情をするじゃないか。安心したぞ」
カラー1将軍も気持ちが高揚してきたのか、悪の組織の大幹部らしく、口元をいやらしく歪めて囁いた。
「ギャハッハハハハハハハハハハハハーーーーーー!! 臆したかっ!? 小娘共がっ!!」
カラー1将軍は一転、ことさら大仰に、キレたような下品で悪辣な高笑いの演技を見せる。
「イタリアから呼び寄せた最強の怪人ナポリタンが、このまま貴様らを地獄に送ってくれるわぁっ!!」
鞭をビュン! と振った。
「いけっ! ナポリタンっ!!」
「シマーーーー!!」
号令一下、僕は興奮状態で、ピュア・シャイニングに向かって走り出した……
第14章 「今晩の主役はナポリタン(晩御飯の話じゃないよ)」
終了まで、あと1話




