13.5 エロティック・セブン EROTIC SEVEN5
ちょっとだけ登場人物紹介 BIP親衛隊
普段の彼らは、とあるお金持ちの家で、警備や警護を担当しているそうです。
そして、親衛隊隊長の武道家は、警護もお任せのスーパー執事さんだそうです。
彼らの得意であり、唯一の間合いである近接格闘戦が出来なくなった親衛隊員たちは、成す術なく、劣勢に立たされる。
「アレが魔法攻撃……かなりのスピードですね……」
あの攻撃は、アルバイト戦闘員の時代は、遠くからしか見たことがなかった。
今は近いし動体視力も上がっているから詳細まで良く分かるが、以前遠くから観戦した時はただ、光の筋が飛び交っているだけにしか見えていなかった。
「いや、アレは魔法攻撃と呼ぶほどのモノではない、単純な飛び道具だ」
僕の独り言のような呟きに、カラー1将軍が答えてくれる。
親衛隊員たちが飛び跳ねたり、地面を転がったりして、必死に回避を続ける。
「あの白弓に変化したワッペンは使用者によって色々な形に変わるのだが、基本形は魔法のステッキでな、小娘らはそのステッキを使って多彩な魔法攻撃を繰り出すのだ」
戦闘から目を離さずに、カラー1将軍が解説を続ける。
「本物の魔法攻撃は、威力も桁が違うものなのだが……腹立たしいことに、戦闘員はおろか怪人にすら、あまり出さずに戦闘を終えることが多いのだ。おそらく親衛隊員たちに対しても、このまま飛び道具で終わらせるだろうな」
「そうですか……確かに僕、アルバイト戦闘員の時代には、これ以上の攻撃は一度も見てないです……」
イソガニンさんなんかは、ただただブルーに殴る蹴るの暴行を受けて終わっていた。
「どんな攻撃なのか……ちょっと不安です」
「案ずるな。仮に貴様が前総統閣下と同程度に無限触手を使えるのであれば、早々小娘らに遅れを取ることもあるまい……ま、[使えれば]の話だがな」
ヒュン…………ふわり……
広場の外、観光客に向かって飛んで行った光の矢が、フワッと光の粒子に変わって霧散する。
注意して見ると、光の矢も光の球も、全て遠くで霧散していた。
「あれは……途中で消してるんですかね?」
「いや、どうも目標から外れると自動で消えるようだ。あれも小娘共の魔法の特徴だな」
「そうそう、それからあの白弓に変化したワッペンだが、経験則から言うと、あまり複雑な形状には変化出来ないようだな。私の知る限りでは弓、剣、槍、棒なんて物ばかりで、例えば銃や大砲のような物に変化したことは、一度もなかったな」
カラー1将軍は、さすがはベテランといった感じで、経験を伝えてくれる。
「なるほど。……それは少し、よい情報……なんですかね?」
「どうだろうな? まあ、貴様しだいだろ」
カラー1将軍が素っ気なく、肩を竦めた。
「でしたね」
愚問だったようだ。
「サドンデス・シューート!!」
ブルーが一際、強烈なキックで光球を放った。
それは狙い澄ましたように、芝生で足を滑らせて体勢を崩していたボクサータイプの親衛隊員に向かって飛んでいく。
ドゴンンンッッッ!!
ボクサータイプの親衛隊員に、ブルーが蹴った光のボールが直撃したっ!!
光球は、ぶち当たると爆発するように光の粒子が弾け飛んだ。
「ぐがあぁぁ!!」
直撃した親衛隊員は後ろに数メートル吹っ飛び、翻筋斗打って転がり伏せた。
「……シ、シマぁ…………」
強いダメージを受けた親衛隊員は、起き上がることが出来ずに、そのまま戦闘不能となる。
ドスッ!
「うぐっ!」
続けて、柔道家タイプの親衛隊員の胸に、光の矢がヒットした。
パワースーツが硬化したお陰で、かろうじて刺さらなかったようだが、内側で強い打撲傷になったのだろう、痛そうに胸を押さえて、フラつく。
「チャンスッ!! Vゴールシューート!!」
それを見逃さなかったブルーが、情け容赦なく光球を放つ。
ちなみに、サドンデスとVゴールの球筋の差は、全く分からなかった。
ドゴンンンッッッ!!
柔道家にも光球が直撃し、激しく爆ぜた。
「ぐがあぁあぁあぁーーーー!! …………シ、シマァ……ァ……」
彼も吹き飛び、ボクサータイプの親衛隊員と全く同じ運命を辿った。
「「シマアァァァァーーーー!!」」
それを確認した残りの二人が咆哮し、ピュア・シャイニングに向かって猛然と走り出した。
おそらく、このままではジリ貧であることと、仲間を倒された怒りとで、一か八かの突撃を決断したのだろう。
武道家タイプを前列にして、二名一列縦隊で走る。
だが、それは無謀極まりない蛮勇だった。
ドスッ! ドスッ! ドスッ! ドスッ! ドスッ! ドスッ!
「がっ!! ぐっ!! おぐっ!?」
ピュア・シャイニングに辿り着く前に、武道家タイプの親衛隊員に無数の矢が浴びせられて、次々に当たってしまう。
ヨロけ、体勢を崩して、膝をつく。
ドスッ! ドスッ! ドスッ! ドスッ! ドスッ! ドスッ! …………
「ぐおぉぉおおおぉぉ……」
そこに、さらに容赦なく浴びせられる、無数の矢。
「……ぐっ……お……嬢さ……ま……」
偉丈夫な武道家は、ドサリと音を立てて、倒れ伏した。
「シマッ!」
武道家の後ろから、最後に残ったレスリングタイプの親衛隊員が飛び出して、走る。
ドシッ、ドシッ、ドシッ、ドシッ……
あまり足は速くはないが、仲間の捨て身の突撃のお陰で、ブルーのすぐそばにまで肉薄することが出来た。
「捕ったっ!!」
ずさささっ!!
思わず[シマ]以外の言葉を発してしまったレスリングタイプの親衛隊員が、地を這うような超低空のタックルで、ブルーに襲いかかる。
「ふっ……」
その刹那、ブルーが微かに笑った。
ガンッ!!!
鈍い、嫌な音がして、親衛隊員の体が、時が止まったように静止した……
全てが静止した中で、ブルーの青い髪だけが、風でサラサラと揺れる。
「……………………」
ブルーの形の良い膝が、親衛隊員の顔面にめり込んでいる……
ドサッ……
カウンターで、顔面に膝蹴りを合わせられた親衛隊員は、声もなく崩れ落ちた……
第13章 「魔法少女ピュア・シャイニング参上!」終了
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次は第14章 「今晩の主役はナポリタン(晩御飯の話じゃないよ)」(3話)になります。
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お読み下さり、ありがとうございました。




