3.1 C調言葉に気をつけて1
二話目に、小動高校前駅は、腰越駅と鎌倉高校前駅の間にある駅だと、書き足しました。
小動高校を、鎌倉高校とイメージしていた方がいたら、ごめんなさい。
今後は、完全な架空の県立高校という設定で、物語が進みます。
翌日 火曜日の朝
(うぅぅ、気持ち悪い……体がだるい……)
朝の陽射しが部屋に入るなか、僕はベッドで寝返りを打つ。
(うぅ、凄く喉が渇いたなぁ……でも、起きるのは辛い……)
昨晩、体調がイマイチと感じたので、帰宅後すぐ就寝した。
だが、朝、目が覚めたら、体は回復しているどころか、さらに悪化していたのだ。
(食欲もないし、これは、本格的に風邪でも引いたかな?)
ちょっと、学校には行けそうにない。
タタタタ……パタパタパタ……
「檸檬ちゃん~。学校遅れるから、お兄ちゃんを起こしてきてくれる~?」
「キモいから嫌」
「あらあら、じゃあ、しょうがないわねぇ~」
なんか、一階から会話が聞こえてくる。
「昨日はどうせ、徹夜でオタクゲームでもしてたんでしょ? 放っておけば、勝手に起きるんじゃないの?」
「う~~ん、そうよねぇ~……」
パタパタ……トントントントントン……
誰かが、階段を上がって来る足音がする。
ガチャ
「是陽く~ん、もう朝よ~」
母さんが僕の部屋のドアを開け、声をかけてきた。
「う、う~~ん、体がだるいぃ~~、風邪、引いたかもぉ~~」
「今日は学校、休むぅ〜〜」
僕はタオルケットを被ったまま、手だけ出して振り、そう訴える。
「あらあら、大変~。これが噂の、引きこもりへの第一歩、なのねぇ~」
「……違います」
息子がオタだからって、偏見を持つのは止めて下さい。
「本当に、具合が悪いんだってぇ~。汗が凄いし、食欲はないし~」
改めて、訴えてみる。
「あら~? 汗はいつも通りだけど、食欲がないのはおかしいわねぇ~~。これはホントに、風邪かもしれないわぁ~~」
「……そうですね」
ご理解頂き、嬉しいです。
「それじゃあ、学校に[今日はお休みします]って、連絡しておくわねぇ~~」
「うん」
「なにか欲しいモノはあるぅ~~? ナポリタンとかぁ、ナポリタンサンドとか~~、ナポリタン粥とか~~?」
「要らな~~い。それより、風邪薬と水を持って来て欲しいなぁ。なんか凄く、喉が渇いてきたよ……」
「分かったわぁ~~。じゃあ、気が向いたら、持って来るわね~~」
パタン
母さんはそう言い残して、ドアを閉めた。
「お電話、お電話ぁ~~……」
トントントントントン……パタパタ……
母さんのスリッパの足音が遠ざかった。
「……お母さん、今日、パートでしょ? あんなの放っておけばぁ?」
「今日は遅めだから、大丈夫よぉ~~。ええと、小動高校の電話番号は……」
なおも、一階から会話が聞こえてきたが、僕は具合の悪さに負けて、再び眠りに落ちた……
……………………
「うぅ……」
ふいに、目が覚めた。
まだ、体調は最悪のままだ。
横になったまま、部屋を見回す……
窓の外は明るいが、少し陽射しが弱い。
今は夕方より、ちょっと前くらいだろうか?
ふと、視線を近くに戻すと、いつの間にかベッドの傍に、段ボール箱が置いてあることに気がつく。
2リットルのミネラルウォーターが、六本収まる箱だ。
さらにその上に、風邪薬が乗っている。
どうやら、母さんの気が向いてくれたようだ。
「ぐぬぬ……」
ベットから手を伸ばし、段ボール箱を弄る(まさぐ)。
なんとかペットボトルの水を掴み、半身を持ち上げて飲む。
ゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッ……
喉が渇いていたので、半分ほど、一気に飲んでしまった。
「ぷぅぅぅぅぅぅ~~~~……」
少し落ち着く。
風邪薬を取り出して、適当に口に放り込み、残り半分の水で胃に流し込む。
「ううぅんん……」
飲み終わるとまた、急激な睡魔が襲ってきたので、再び横になり、眠りに落ちた……
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