表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新江の島縁起〜なぜかイタリア出身の怪人として戦うことになった僕は、魔法少女に恋をした〜  作者: 綿野草空希


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/47

2.10 遥か国神の島10

五分後……


 「……………………何も起こらないなぁ……………………」

 

 白衣をババンとひるがえしたポーズのまま、Dr.ヘッドランドが呟く。


 「……ふぇすねぇ……」


 僕は口を塞がれたまま、答える。


 「……体調とかに、何か変化はないか?」


 ババンのまま聞いてくる。


 「……ふぉくひは……ひぃへひゅへはふぉにゃははすひたくらひす……」


 「えっ? 何て?」


 Dr.ヘッドランドが聞き返しながら、キーボードを叩く。


 シュン! と、口のベルトが外された。


 「今、何て言った?」


 「特には。強いて言えば、お腹が空いたくらいです……と言いました」


 「チッ……まあ、もう少し様子を見よう。もう少しすればきっと、ババババンと大いに変化して、触手怪人になるはずだ……絶対に……多分」


 Dr.ヘッドランドはキーボードから離れて、わざわざババンのポーズを取り直し、僕をジッと見つめた……


……………………


それから一時間後……


 「……………………Dr.ヘッドランド、煙草吸い過ぎですよ。後、貧乏揺すりを止めてくれますか?」


 ベットに横たわりながら言う。


 「うっさいっ! バイトのくせに指図するなっ! お前が変化しないから、こっちはイライラしているんだっ! さっさと怪人に変われよっ!」


 とっくにババンのポーズを止めて、椅子に座ったDr.ヘッドランドが、スパスパと煙草を不味そうに吹かしながら答えた。


 「そろそろ、体に違和感の一つでも感じないのかっ!?」


 半ギレで問いかけてくる。


 「……特には……強いて言えば、お腹が空いたくらいです……」


 問いには、素直に答える。


 「お前はソレばっかだなっ!」


 Dr.ヘッドランドは、不味そうにスパスパーと煙草を吹かしなが、そう吐き捨てた……


……………………


それから、さらに、一時間後……


 「わわっ、何ですかそれっ!?」


 全身のベルトが解除されて、ベットに腰かけながら聞く。


 「ん? ハマグリの炊き込みご飯だぞ? ほら、真ん中にデカイはまぐりが入っているやつだ」


 「お前、食べた事無いのか?」


 Dr.ヘッドランドが部下の研究員に持ってきて貰った、まかないのおにぎりをパクつきなが答えた。


 「僕は、シラスとワカメのおにぎり以外、食べたことないですよ~~」


 炊き込みご飯のおにぎりを、ガン見しながら答える。


 「ああ、コレは幹部用だったか……バイト用とは、違うんだなぁ……」


 Dr.ヘッドランドは意外に整った唇で、パクリとかぶり付く。


 「いいなぁ、僕のこのシラスと、交換して下さいよ~」


 「嫌だねっ。お前が腹減った腹減ったとうるさいから、わざわざ持って来て貰ったんだ」


 「さっさとバイト用のまかないを喰って、怪人に変身しろっ」


 そこでDr.ヘッドランドは、ふと思いついたように言う。


 「そうだよっ! お前、怪人になれば 幹部用のまかないになるんだぞ~。好きな物をリクエストすることも、可能なんだぞ~」


 「本当ですかっ!? ナポリタンもOKですかっ!?」


 「……お前、本当にナポリタンが好きなんだな……ああ、怪人のリクエストはかなり聞いて貰えるぞ、何てったって戦闘の要だからなっ」


 「怪人になれば、まかないだけじゃなく、時給だって今の倍以上になるぞ」


 「で、戦闘に出れば危険手当もつくし、敵を倒すか撤退させれば、勝利ボーナスも出るぞ」


「……なんと、ボーナスはその場で20万円取っ払いだ」


Dr.が、最後は声を、潜めて言う。


 「マジですかっ!? そーゆーことは、早く言って下さいよぉーー!」


 そうなると、話しは別だ。


 食い入るように、話しを聞く。


 「怪人になると、福利厚生で江ノ島内の幾つかのホテルやスパが、無料で使える特典もあったなぁ」


 「毎月、給料日に一本[海苔羊羹]も貰えるし……そうそう、怪人なら当然、幹部正社員として、BIPに就職も出来るぞ。結構、給料良いぞぉ~」


 「ぬおおぉぉ! 我が触手よっ伸びろぉぉぉーーーー!! のーびーろぉぉぉーーー!!!」


 がぜん、やる気になって立ち上がり、気合を入れて、体のアチコチに力を入れて、踏ん張る。


 「無限触手ぅぅぅぅーーーーー!! 細胞超複製ぃぃぃーーーー!!」


 声を張り上げて、ババンのポーズを取る。


 「……………………」


 そんな僕の様子を、Dr.ヘッドランドは無言のまま、マスクの奥からジト目で見つめる。


 「……………………ふう~、駄目だ。気合入れたら、お腹が空いてきちゃった……」


 僕はアッサリ諦めて、座ってシラスおにぎりを掴む。


 「あっ、そっちは何です!?」


 「はぁぁぁ~~~~……コレは丸ごとホタテチャーハンのおにぎりだよ」


 「ええぇ~~~!? いいなぁぁぁ~~~~」


 「はぁぁぁ~~~~……」


 Dr.ヘッドランドは、盛大に溜め息をついた……

……………………

 続きを読みたいと思った方はブクマを、

面白いと思った方は星評価を、

忘れずに押してください。


 押しても、副反応はないので、ご安心を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ