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【イタ☆恋!】新・江の島縁起〜なぜかイタリア出身の怪人として戦うことになった僕は、魔法少女に恋をした〜☆現代ラブコメ・ファンタジー☆  作者: 綿野草空希
32 新装備慣熟と新能力

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151/163

32.1 神様からの贈り物1


じりりりりりんっ!

 しばらくすると電話が鳴る。


 相手はDr.ヘッドランドで、三人で個人研究室へ来るよう、命令された。


 僕は[恩師へのお土産(悪戯アイテム)]を、中身が見えない黒いビニール袋に丁寧《ていねい》に包んで、それを手に個人研究室へ向かう。


 僕の企みを知っている友人二人は、クスクスと忍び笑いを洩らしながら、ついて来た……


――――――――――

―――――

―

Dr.ヘッドランド個人研究室


 「Dr.お土産です。水曜日、イソガニン准将にちょん切られた[僕のアレ]を持って来ました。どうぞ、研究に使って下さい」

 Dr.ヘッドランドに対面した僕は、早速、太くて長いアレが入った[黒いビニール袋]を、恭《うやうや》しく差し出した。


 「何っ!? そんな報告は、ヤツから受けてないぞっ!? 昨日、一昨日の昼、お前もそんな話は、してなかったじゃないかっ!?」

 Dr.ヘッドランドは驚きながら、恐る恐るといった様子で、受け取るために手を出す。


 「いやぁ~僕、アレを切られたなんて、恥ずかしくて報告出来なくて……。でも結局、コレの処分に困って、思い切って今日、持って来ました」


 「ふうん。イソガニンも本気でちょん切るとはなぁ……存外《ぞんがい》、冗談の通じない男だったな……。で、アレはすぐに生えてきたのか?」


 「ええ、まあ」

ドサッ

 照れ笑いを浮かべつつ、Dr.ヘッドランドの手の上に、ビニール袋を落とした。


 黒いビニール袋は、ずっしりとした重みがあった。


 「うっ!? でかっ!! ……お前って、巨根だったんだなぁ。このサイズは、ちょっと引くぞ?」

にぎにぎ にぎにぎ

 Dr.ヘッドランドは、しかめっ面で、ビニール袋の上から感触を確かめる。


 「ええ、まあ」

 僕はさらに、照れ笑いを浮かべる。


 「お前は元々、股間に触手をぶら下げていたんだなぁ……。しかしコレは、勃起時に切られたのか? イソガニンと二人で、どんな状況になったんだよ? お前らは、そっちの趣味だったのか?」


 「ええ、まあ」

 僕はますます、照れ笑いを浮かべる。


 「いや、そこは否定しろよっ。頼むからっ」

ガサササッ

 そう突っ込みを入れつつ、Dr.ヘッドランドは恐々《こわごわ》と、袋を開く。


 「うわぁ~、あいつ(晴一)以外の膨張したモノ、初めて見るな――」

 Dr.は躊躇《ためら》いつつ中を、覗き込む――


 「――って、何だよっ! コレっ、ハムじゃないかよっ!」

ガサゴソソッ

 驚きの声を上げた後、袋の口を大きく広げて、手を突っ込んだ。


 「いえ、イタリアンサラミです」

 笑顔で訂正する。


 「名前なんて、どっちでもいいっ!」

ガサッ!!

 Dr.ヘッドランドは、とても立派なサラミを取り出した。


 「くそっ! 地味に手の込んだ悪戯しやがってっ。こっちは相当に[グロいモノ]を見る覚悟をしていたんだぞっ」

 その吐き捨てた声音には、かなり安堵《あんど》の音が含まれていた。


 「「……くくくくくっ……」」

 なりゆきを黙って見ている友人たちが、微かな忍び笑いを漏らした。


 それでも一切、尻馬に乗って口を挟まないのは、彼らの処世術なのだろう。


 「イソガニンさんに変なことを吹き込んだ、仕返しです。お金のかかった悪戯ですが、後悔はしてません」

 僕は笑顔で、いいねっ! と親指を立てる。


 「昨日、藤沢の高座ハム販売店でこのお土産(悪戯アイテム)を買いました。いらないのなら、引き取りますよ?」


 「ふんっ! いるよっ! もらってやるっ! 高座ハムは鎌倉ハムに並んで美味いからなっ。最高の酒のつまみだっ」

にぎにぎ にぎにぎ

 太くて長いサラミを触りながら言った。


 「でもソレで呑むと、巨根を酒の肴《さかな》にしてる気分になりませんか?」


 「ゆーなっ」

にぎにぎ にぎにぎ


 「僕はソレに、元Claudio(クラウディオ) "Claude(クロード)" Mazzini(マッツィーニ)って名前を付けてみました。モロッコで手術した、イタリア系アメリカ人男性です」


 「やめろっ、サラミやソーセージに男の名前を付けるなっ。てか、Claudio(クラウディオ)って誰だよっ? 実在するのかっ、そんなヤツ?」


 「いや、なんか今、急に頭に思い浮かんだ名前に、プロフィールを付けてみました。怪人の本能が知ってた……、みたいな?」


 「ド阿呆」

ビシリッ

 Dr.ヘッドランドは、勢いよく、僕に中指を立てた。


挿絵(By みてみん)

【挿絵 命名 Claudio(クラウディオ) "Claude(クロード)" Mazzini(マッツィーニ)】


バカリッ

 そして、机の隣にある小さな冷蔵庫を開くと、大事そうにサラミを仕舞った。


 僕は、やっとDr.ヘッドランドに悪戯出来て、気分がスッキリした。


 「くくくっ。しかしモロッコで手術とは、何とも古う御座るなぁ」


 「はははっ。だなっ。同志由比里は平成の香りどころか、時々、昭和の香りをさせるからな」


 一宮君と椎名君がDr.ではなく、僕の方を笑う。


 「全くだな。怪人名を[昭和レトロ怪人喫茶店のナポリタン]にすれば良かったんだよ」

 二人の話を聞いていたDr.ヘッドランドが、こちらに戻りながら言う。


 「さすが、小生意気な由比里と違って、椎名と一宮は良いことを言うな」

ビシリッ

 Dr.ヘッドランドが、再度、僕に中指を立てつつ、友人二人を褒めた。


 「でへへっ。そうで御座いましょうっ。そうで御座いましょうっ。お奉行様」


 「そうでげしょ。この似非(エセ)イケメンは最近、調子に乗って困るでごぜーますなっ」


 素早く二人がジョブチェンジして、Dr.ヘッドランドに媚《こび》を売る。


 「ちっ」

 僕は軽く舌打ちして、友人たちを睨む。


にやにや

ニヤニヤ

 だが二人は、どこ吹く風でニヤつくだけだった。


 「ふふんっ。……さて、由比里の下らないお遊びに付き合うのはここまでだ。そろそろ、仕事の話をしようか」

 Dr.ヘッドランドはヨレた白衣を直し、珍しく姿勢を整えて、話し出した。


すっ……

 その雰囲気の変化に、僕らも自然と、姿勢を正す。


 「通達する。昨晩、総統閣下よりピュア・シャイニング殲滅(せんめつ)作戦が発令され、貴様らの本作戦への参加が決定された」


 「「「シッ、シマァーーー!!」」」


 数日前から[作戦準備]が進行していることを、Dr.から聞かされていたので、驚きはしなかったが、それでも緊張で声が上擦《うわず》った。


 「作戦開始は明日の18(ヒトハチ):00(マルマル)。接敵《せってき》は18(ヒトハチ):40(ヨンマル)頃と想定されている」


 「シマァーーー!!」


 「作戦の詳細は、午後のブリーフィングで説明される。私とナポリタンは怪人以上のみが参加する幹部ブリーフィングに出るぞっ」

第32章「新装備慣熟と新能力」

終了まで、あと5話



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