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【イタ☆恋!】新・江の島縁起〜なぜかイタリア出身の怪人として戦うことになった僕は、魔法少女に恋をした〜☆現代ラブコメ・ファンタジー☆  作者: 綿野草空希
29 ジョブチェンジ・ランチ

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131/163

29.3 女呼んでブギウギ3


 「いただきます」

 見た目はかなり美味しそうなので、早速、箸を掴んで、弁当へ向けた。


ぱく……ぱく……


 「……あ……美味しい……」

 二口、三口食べて、思わず本音の感想が漏れた。


 帚木《ははきぎ》さんのお弁当は、見た目を裏切らない美味しさだった。


パアァァ

 帚木《ははきぎ》さんの顔が輝き、不安げに縮込まっていた背筋がスッと伸びた。


ポアァン

 牧さんがドヤ顔を見せて、ボリューミーな胸を張った。


ぱくぱくパクパク

 とても、箸が進む。


 正直、クラスメイトの[ざわざわ]視線を忘れるほど、どれも美味しい。


 付け焼刃ではない、料理に慣れた人のお弁当だ。


 (では、ナポリタンも……)

 個人的には、大本命のナポリタンに箸を伸ばす――


ちゅるるんっ

 (――あぁぁ、いぃ。これは良いナポリタンだぁ……)


もぐもぐもぐ

 感涙しながら、咀嚼《そしゃく》する。


 ナポリタンは非常にオーソドックスなモノで、僕の琴線《きんせん》に触れるものだった。


 (コレコレ。ナポリタンはこうじゃなきゃねっ)

 フィリッポさんの、トマトピューレを使った魅惑のナポリタンも大好きだ。


 が、やはりナポリタンはケチャップ味が効いた[ジャパニーズ・ジャンク・パスタ]が良い。


 (あぁ、今、ちょっと幸せかも……)

 帚木《ははきぎ》さんが、急に神々しく輝いて見えた。


 (今度は、帚木さんの作ったナポリタンを、お腹一杯、口の周りをケチャップでベタベタにしながら、食べてみたいなぁ)

 一口で食べ終わってしまったので、ふと、そんなことを考えてしまった。


 どうやら僕は[男は胃袋から掴め]との格言を、身をもって体験したようだ。


 「ぐっふっふっふぅ~~~。お奉行様、お味はどうでがしょ?」

 牧さんが、女子高生から越後屋にジョブチェンジして、尋ねてきた。


 「ウチの里奈は昨日も、なぜかお弁当を作りすぎたのでごぜぇますよぅ? そしてそして、今後も時々、作りすぎるかも? かもかも、でごぜぇますですよ?」


 「ちょっとっ、和泉子っ! 余計なこと言わないでっ――」

チラッ

 帚木さんが、牧さんを可愛く睨む。


 「えっ?」

 それはつまり[昨日もお弁当を作って、僕に渡そうとした]ということだろうか?


 そして[今後も僕へのお弁当を作る]と、暗に示唆《しさ》しているのかな?


かぁぁぁ……

 ただのクラスメイトだと考えていた帚木さんから、強い好意を向けられていると知り、思わず顔が赤くなった――


――タタタンッ!


 その時、ふと軽快な足音が耳に入ったので、何気なく、そちらに目を向ける。


 と、足音の主は、何個もパンを抱えた青浜さんで、今、教室に入って来たところだった。


 「「あ……」」

ピタリ

 僕と青浜さんの目が合い、どちらとも、体が固まる。


ぽかん

 青浜さんは立ち止まり、女子二人と食事中の僕を見つめて、口を開けて佇《たたず》んだ。


すっ――

 が、それも寸刻、青浜さんはスッと表情を失くしてしまう。


ツカツカツカツカ

 静かに歩いて、龍巳さんグループがいる、並べた机に向かった。


すとんっ

 「お待たせ。でも、先に食べていいって、いつも言ってるだろ――」

 青浜さんは、龍巳さんたちと会話をしながら、着席した。


ギギィィィーー

 そして、まるで僕に背中を向けるように、お尻で椅子の角度をずらした。


 青浜さんは背中を向けたまま、こちらに一切の視線を送らずに、机に幾つものパンを並べて、黙々と食べ始める。


 (ぁぁぁ……。また僕は、勘違いされる行動を取ってしまったのかぁ。渡り廊下の誤解だって、まだ解決してないのに……)


 正確には、友人たちに嵌《は》められて[勘違いされる行動を取らされた]、だが。


 (まずいな……。友人の妨害工作で、交際へ進展どころか、どんどんと後退していくぞ)

 今回はまんまと、彼らの思惑《おもわく》通りに、事が進んでしまった。


チラチラ

 見る度に抱き締めたくなる、青浜さんの背中に目をやりながら、自分の迂闊《うかつ》さを呪う。


 (次からは、お昼は無言で、教室を飛び出そう)

 僕はまだ、友人たちの悪巧みを、舐めていたのかもしれない。


 幸いなのは、まだ友人二人が、僕が青浜さんと龍巳さんのどちらを狙っているのか、判別してないことだ。


 それなら、上手に動いて、かわしていけるはずだ。


 (とにかく、早いうちに挽回しないと)

 嵌められたことを呪っても、もう遅い。


 大切なのは、今後、どう動いて挽回するかだ。


 (そう、挽回せねば――)

 箸を動かしながら、内省していると――


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 (――うっ!? 何だ!? 凄い悪寒がするぞっ!?)


ブルルルッ

 ふいに、奇妙で恐ろしい気配を感じ、身震いがした。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 なぜか、某奇妙な冒険風の物凄いプレッシャーが、廊下から感じられた。


チラッ

 顔を動かさずに、恐る恐る、目だけでそちらを窺《うかが》う――


ジッ

 ――と、前のドアの廊下側から、芹園さんがこちらを見ているのが、視界に入った。


 こちらを覗き込む芹園さんの美しい顔は、無機質な仮面のように、冷たく固まっていた。


 (うおおおぉぉおおぉぉ!? なにっ、あの顔っ!? なにっ、あの気配っ!? もうっ、ホラー映画並みに、怖いんですけどっ!!!)


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 その姿は、某JoJoに出て来るキャラクターの[某山岸由花子]を彷彿《ほうふつ》させていた。


 「「うっ!?」」

 「「ぐおっ!?」」

 クラスメイトの何人かも、廊下から覗く恐怖に気がつき、声を上げた。


ドドドドドドドド……

 (うぅぅ……怖いよぅ……)

 [某岸部露伴]のような、傍若無人の強心臓が欲しくなる。


 もう恐怖で、誰かさんのように、失禁してしまいそうだ。


 時間的に、芹園さんは学食で食事をしないで、こちらに来たと思われる。


ドドドドドドドドドドドド……

 が、芹園さんは、再度、学食に向かうでもなく、微動だにせず、こちらを見つめ続けている。


ドドドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 「ひぃぃっ!?」

 帚木さんも、廊下のホラーに気がつき、声を上げて顔を引きつらせた……


第29章「ジョブチェンジ・ランチ」

終了まで、あと3話


―――――――――【祝4ヶ月!】―――――――――

2026年10月5日

人生初の、小説の投稿&本作品の連載開始から、丸4ヶ月が経ちましたっ!

皆さまの☆評価、ブックマーク、そして日々小説のページをめくって下さったことが、連載を続ける原動力となり、ここまでやってこれましたっ。

ありがとうございますっ!


この物語はまだまだ途中、気を抜かずに、精一杯書き続けていきたいと思いますっ。

これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m


最後に、お祝いで☆を入れてくれたら、嬉しいなぁ…って思ってますっ。

↓の☆ボタンを連打してみて下さいっ。


1回で2pt、2回で4pt、3回で6pt、4回で8pt、5回で10pt、そして6回で0ptにリセットされますっ。

さあ、皆さん、試しに6回ボタンを押してみようっ!


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