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新江の島縁起〜なぜかイタリア出身の怪人として戦うことになった僕は、魔法少女に恋をした〜  作者: 綿野草空希


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2.6 遥か国神の島6

 謁見の間から警戒待機室に戻る。


 赤いマフラーの正社員戦闘員(中隊長)が、急造二個小隊12名のアルバイト戦闘員の前に立った。


 「えー、本日は第一小隊がグッツの梱包作業、第二小隊がCブロック7番倉庫の清掃となりました」


 「Cブロックは日用品の備品倉庫なので、危険物等はないと思われます」


 「が、見慣れない物が見つかった場合は、触らずに報告して下さい。技術班が確認しますので」


 中隊長が、作業の注意事項などを伝えてくる……


 湘南の情勢が大きく動こうとも、結局、僕ら末端のやることは変わらない。


 今日は僕、椎名君、一宮君とも、第二小隊に入ったので、倉庫の清掃となるようだ。


 アジトは広大なので、掃除する場所には事欠かない。


 なのでこの作業も、もう慣れたものだ。


 ちなみに、この前に倉庫を掃除した時は、懐かしの[初期型MDウォークマン]というレアアイテムを二つも発見した。


 それを技術研究部に報告したら、彼らはとても興奮して、盛り上がっていた。


 「……ふるさと納税の返礼品に選ばれたお陰で、グッツの売り上げが、かなり伸びています」


 「今後益々、梱包作業が増えると思われますので、皆さんには可能な限りシフトに入ってもらえると、ありがたいです」


 あらかた話し終えた中隊長が一拍置くと、ふいに僕を見つめた。


 「それから戦闘員8712号に、技術研究部から出頭命令が出ています」


 「総合研究室じゃなくて[Dr.ヘッドランド]の個人研究室に、直ちに出頭しろとの命令です」


 「ほへっ!? 僕、ですか?」


 戦闘員8712号とは、まぎれもなく僕のことだ。


 突然のことに驚き、聞き返す。


 椎名君たちも[何だろう?]といった様子で、こちらを見ている。


 「僕だけが呼び出しですか? 何でですか?」


 「理由は伝えられていないので、分かりません」


 「総合研究室じゃなくて個人研究室ですけど、場所は分かる?」


 中隊長が淡々と話す。


 「……はい」


 頭が混乱したまま答える。


 「よし。じゃあ、ミーティングが終わったら速やかに向かってください」


 「遅れると意味もなく、改造手術をほどこされるからね……じゃあ、戦闘員8712号、復唱っ」


 「えっ!? あっ……直ちにDr.ヘッドランドの個人研究室に出頭しますっ! シマァーーーー!!」


 慌てて、鯱張って復唱した。


 「はい。ではミーティングを終えます。今日も無事故で頑張りましょう。シマァーーーー!!」


 「シマァーーーー!!」


 全員が声を合わせて返事をし、ミーティングが終了した。


 僕は、椎名君達と話そうかと思ったが、やはり一秒でも早く向かった方が良いと、思い直した。


 二人に軽く手を振ると、急いでDr.ヘッドランドの個人研究室に向った。


 女幹部[Dr.ヘッドランド]は本拠地[江ノ島アジト]の研究室長。


 BIPの超科学力を支える、稀代の天才マット・サイエンティストだ。


 彼女は気まぐれで改造手術をほどこすことでも有名だ。


 この前もネコアレルギーの戦闘員が[ネコアレルギーが完治する代わりに、犬アレルギーを発症する]という意味の分からない改造手術をほどこされていた。


 ドタドタと早足で廊下を歩く。


 (しかし何の用だろう?……この前の健康診断で、なにか、おかしな病気でも見つかったのかしら?)


 僕のような末端の人間が呼び出される理由は、このくらいしか思いつかなかった。


 一週間ほど前、BIPで加入が義務化されている[日本秘密結社共済](戦闘時の怪我などで、一時金や入院費などが出る共済)の無料健康診断? というモノがアジト内の治療室で行われた。


 なにか怪しげな診断だったが、正社員から、アルバイト戦闘員まで全員が、強制的に受けさせられたのだ。


 その時、Dr.ヘッドランドに血液をガッツリと採られて、凄く痛かったことを、よく覚えている。


 (僕、血糖値とか、コレステロール値とか、ヤバそうだもんなぁ……ちょっと怖いなぁ……)

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 押せば判るさ、迷わず押せよっ

ありがとーーー!

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