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【イタ☆恋!】新・江の島縁起〜なぜかイタリア出身の怪人として戦うことになった僕は、魔法少女に恋をした〜☆現代ラブコメ・ファンタジー☆  作者: 綿野草空希
28 リア充ノリが分かんない僕

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127/163

28.8 メリージェーンと琢マッシーーン8

月、火、木、金、土の週5日、最新話を更新しますっ!


☆本作品は2026年7月29日にランクインしましたっ!☆


第4 位   [日間]コメディー〔文芸〕 - 連載中

 応援してくれた皆さん、ありがとうっ!


 その後も、コメディーの日間、週間、月間、四半期ランキングにて、トップ100圏内を、よくウロウロしてますぅ

 重ねて、皆さんありがとうっ!


 「こいつは、鎌倉夜叉狐内でも、最・要注意人物とされたヤツだ」

 イソガニンさんが説明を始めた――


 ――[狂気のイエロー]とは、わずか数ヶ月前にアースジャスティスの五人戦隊[Wave(浪武) Five(五人衆)]に加わった新人戦隊員[Wave(浪武) イエロー]に対して、鎌倉夜叉狐がつけた、二つ名なのだそうだ。


 初めは、目についた物――例えば店先なら椅子、テーブル、看板、パラソルなど――を、手当たり次第に掴んでは振り回す戦い方から、すぐに[凶器のイエロー]と、あだ名されるようになったそうだ。


 が、次第に、あまりに器物損壊が酷く、一切の情け容赦のない、箍《たが》の外れた戦い方が目につくようになる。


 戦闘では鎌倉夜叉狐の主力、五人組女怪人[五夜女狐]の一人に背後から忍び寄り、拾った鉄パイプで後頭部をフルスイング。


 ――幸いこれは、[五夜女狐]の装備する、特別製の[浮世傘]で防いで、事無きを得たそうだ――


 器物破損については、一般人への人的被害さえ出す始末の狂乱ぶり。


 そんな滅茶苦茶なやり口から、次第に[凶器]から[狂気]のイエローへと、呼び名に変わっていったそうだ……。


 「――とんだイカレ野郎ですね。よくそんな男が、正義の味方なんて名乗れるもんですねぇ」

 あまりに呆れてしまい、自分が悪の怪人であることを忘れて、つい正論を言ってしまう。


パタパタパタパタパタパタパタ……

 「ああ、本当にイカレてるな」

 説明の途中から再度、蟹スーツの上部を開いて、頭を扇《あお》いでるイソガニンさんが同意した。


パタパタパタ……

 「だが、一つ勘違いしているぞ? 資料の写真では分からないが、紅夜叉の所感では、[Wave(浪武) イエロー]は男ではなく、小柄な女なのだそうだ。しかも声の感じから、相当、若い女性だと推測しているそうだ」


 「えええっ!? 女なんですかっ!?」

 驚き、思わず大声を出して、資料の写真をマジマジと見る。


 資料の写真は、まるでTVの特撮ヒーローのような、色とりどりの甲冑風のバトルスーツを着た五人だ。


 それが、採石場跡地らしき辺鄙《へんぴ》な場所で、背後に爆発を背負いながら、格好よくポーズを決めているモノだった。


パタパタ……

 「ああ、フルフェイスのヘルメットを被っているから、あくまでも推測になるそうだが、おそらくは女らしい」


パタ 

 「だが、その資料写真のイエローは、件《くだん》の[狂気のイエロー]ではないぞ。ちょっと古いんだよ、それ」

 団扇《うちわ》で資料を指す。


 「へ?」

 資料から顔を上げる。


パタパタパタパタパタ……

 「アースジャスティス公式ファンクラブのホームページに、新長官に代替わりした際に撮られた写真が掲載されていたのを、ウチが勝手に、資料に借用したモノなんだ」


 「ああ、そうなんですか……あのぅ、最近の写真とか、それこそ動画とかは、ないんですか?」


パタパタパタ……

 「うん、それがないんだよ。ウチの諜報部の状況は、さっき説明しただろ?」


 「はい」


パタ……パタ……パタ……

 「でな、アースジャスティスが所属している正義側の協会は、ヒーローの商業化を嫌っていてな、協会が運営する公式ファンクラブの内容も、お世辞にも充実しているとは言えんのだよ」


パタパタ……

 「だから、公式ファンクラブを覗いても、ろくな情報は取れなかったそうだ」


 「なるほど、そういう事情なんですね。しかし、正義側の協会も色々ですねぇ……あ、そー言えば、ピュア・シャイニングの協会公式ファンクラブも、充実していないって、聞いたことがあります」


パタ……

 「ふむ」


 「ただ反面、非公式ファンクラブの熱量は、凄いそうですね。ピュア・シャイニングが個人でやってる非営利の公式ページも、かなり人気があるらしいし」


パタパタパタパタパタパタパタパタパタ

 「そうだな。まぁ、商業化にオープンな協会に所属しているヒーローは、バトルスーツに、企業ロゴが書かれていたりするからな」


パタパタパタパタパタパタパタパタパタ

 「さすがにアレでは、見る側はもちろん、戦う怪人側も興ざめだよなっ。商業化を嫌がるのも、割と理解は出来るな」


 「そうですね。そうそうっ、確か、ヒーローが名乗りの最中に、通販番組のように長々と商品を宣伝して、SNSで炎上した正義の組織がありましたねっ。名古屋かその辺でっ」


パタッパタッパタッパタッパタッパタッ

 「はっはっはっはっ、あった、あったっ! それで結局、そのヒーローが謝罪会見を開いていたなっ。アレは前代未聞で笑ったなっ! はっはっはっはっ!」


 「ははははっ、ですねっ! ……あっ、そうだっ。鎌倉夜叉狐のホームページや公式ファンクラブに、アースジャスティスの資料はないんですか?」


パタッ

 「うん? いや、そっちは現在、閉鎖されていて見れないそうだ」


 「あっ、そっか。もう壊滅してますもんね。だから紅夜叉さんの口伝頼りなんでしたっけ……」

 しょうもない質問をしてしまった。


パタパタパタ……パ

 「そういうことだ。ま、映像はなくても、当主本人の口伝は貴重だ。……おととっ。時間がそれほどないのに、少々、脱線してしまったな。話を戻すぞ」


 「はい」


 「昔からアースジャスティスの五人戦隊[Wave(浪武) Five(五人衆)]には、なぜか時々、女のフリをした男が混ざるそうだ。が、件《くだん》の狂気のイエローは、本物の女だ――」


 ――五人戦隊の紅一点といえば、やはりピンクだ。


 が、なぜか現在の[Wave(浪武) Five(五人衆)]にはピンクは存在せず、イエローが女なのだそうだ。


 前長官時代は、リーダーがレッドで、ブルー、グリーン、イエローと続き、紅一点のピンクが、女性のフリをした男で、全員男性の五人戦隊だったそうだ。


 が、数年前に長官が代替わりしてからは、リーダーがホワイトになり、ピンクなしのレッド、ブルー、グリーン、男のイエローの五人戦隊に変更。


 そしてさらに数ヶ月前に、ピンクが増えないまま、イエローを男から女に入れ替えるという、不思議なメンバーチェンジが行われ、今日に至るそうだ――


パタパタパタパタパタパタパタ……

 「……それでな、ここからが本題の、鎌倉夜叉狐が壊滅した時の話になるのだが……」

サラサラサラ

 団扇の風に煽《あお》られたイソガニンさんの髪が、揺れる。


 「はい」

 僕は髪を見て[少し薄めだなぁ]と思った。


パタッ

 「紅夜叉の話によると、端的《たんてき》に言えば、鎌倉夜叉狐の本部地下アジトに単独潜入した狂気のイエローが、本部内の事務員たちを襲って人質に取り、鎌倉夜叉狐側を抵抗出来なくしたそうだ」


 「…………はい?」

 思わず自分の耳を疑って、聞き返す。


 だが、イソガニンさんは、僕の反応は織り込み済みだったようで、そのまま話し続ける。


 「その後、アジト内に残りの[Wave(浪武) Five(五人衆)]メンバーが雪崩れ込むと、狂気のイエローは人質を他のメンバーに任せて、アジト内の無抵抗の人も怪人も、そしてアジト建物自体も関係なく、破壊し尽くして回ったそうだ」


 「鎌倉夜叉狐は五夜女狐を中心に、甚大な損害を出しながらも、何とか事務員全てを奪還《だっかん》。修復不能のアジトの完全放棄を決断し、自爆装置を作動させて、総員で潰走《かいそう》撤退をした……。これが、壊滅の真相だそうだ」


第28章「リア充ノリが分からない僕」

終了まで、あと1話


☆作品のブックマークが徐々に増えてますっ!☆

 皆さん、ありがとうっ!

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