結局、天川沙耶とは何者なのか
趣向変えその2
時系列めちゃくちゃで申し訳ないですけど、優美が最上級生で、まだ現役だったころの話
笑梨と笑理は、昔、マリア様がみてるというラノベを分析する、という企画をやっていたのですが、そのときに登場させた、小説を描くのが好きな姉と、本を読むのが好きな妹、という二人からの派生で誕生した姉妹
笑梨:はいどーもー!珠乃笑梨でーす!
笑理:どもー。珠乃笑理ですー。
笑梨・笑梨:二人合わせて、お笑い姉妹ですー。
笑梨:自己紹介のときに、笑うという漢字に、梨田昌孝の梨で、笑梨でーすって言うと、クラスの人たちが首をかしげます。姉の笑梨です。
笑理:自己紹介のときに、笑うという漢字に、吉井理人の理で、笑理ですーって言うても、誰もわかってくれません。妹の笑理です。
笑梨・笑理:二人合わせて、お笑い姉妹。
笑梨:初めての人は、名前だけでも覚えて帰ってくださいねー。
笑理:んで。今日はなにをするんや?
笑梨:今日はやな。謎の多いあの伝説のキャプテンの秘密を解き明かそう思うんや。
笑理:伝説のキャプテン言うたら……。ちばあきお先生の野球漫画やな?
笑梨:また渋いとこ持ってきたなぁw ちゃうちゃう。ウチらのチームで伝説のキャプテン言うたら、あの人以外におらへんやろ。
笑理:ああ。沙耶先輩やな。
笑梨:せやで。ウチらも一緒にプレーしたけどもやな。実質、半年くらいしか一緒におらへんかったやろ?
笑理:私らが入部したときは、沙耶先輩は三年生やったからな。あっという間に卒業してもうたな。
笑梨:せやから、いったいどんな人なんやろってのが、イマイチわからへんのや。
笑理:卒業してからも、都市伝説的に噂話が増えていってるからなぁ。
笑梨:てことやから、今日は、沙耶先輩の噂の真偽を確かめていくで! 題して! 伝説のキャプテンは実在した!? 天川沙耶の謎を追え!
笑理:おおげさすぎて、やらせ番組みたいなタイトルになっとるで。
笑梨:こういうのは、おおげさなくらいでええんや。
笑理:まぁ、わかりやすくはあるか。
笑梨:ともかく。とりあえず、なんでウチがこんな企画をやろ―思ったかっていうきっかけから語っていくで。
笑理:はいはい。
「いやー。それにしても、改めて沙耶先輩ってバケモンですねぇ」
笑梨は、パソコンの画面を凝視して、うぅむとうなった。
「笑梨。着替えてからにして」
陽菜が注意をした。
笑梨は、練習着を脱ぎ捨てて、下着姿で備品のパソコンをいじっていたのだ。
「まぁまぁ。考え始めると止まらなくなるのは、キャッチャーの性なのよ」
「里見先輩。これは、二年生同士の問題です」
例え三年生だろうと、口出し無用。
一番打者としてチームの斬り込み隊長を務める陽菜は、上級生相手でも、ズバッと意見を述べる。
「はいはい……、っと。笑梨。陽菜もこう言ってるし、さっさと着替えちゃいな」
「はーい」
と素直に応じる笑梨に、陽菜はやや不満顔だ。
自分が注意したときは、すぐに動かなかったくせに。と、頬をふくらませた。
「しかたないよ。笑梨は智花になついちゃってるからね」
陽菜の頭を撫でながら、優美。
同じキャッチャーというポジションを務めている智花と笑梨は、なにかと二人でいることが多い。
試合中にどこに目をやるかとか、どのようにピッチャーをリードするかとか、キャッチャーをやってみないとわからない苦労話とか、キャッチャーあるある話とか……。
そんな意見交換をしているうちに、仲が深まってしまうのは自然なことだ。
陽菜だって、副キャプテンを務めているうちに、自然とキャプテンの優美になついてしまっている。
誰だって、その立場になってみないと、その人がなにを考えているかなんて、わからないのだ。
笑梨は、スポーツブラを外して、フリル付きのピンクのブラジャーに付け替えた。
どうせ練習があるのだからと、登校時から下校時までスポーツブラで通す部員も多い中、笑梨には、なにかしらゆずれないものがあるらしく、毎日、必ず着替え用のブラジャーを持参していた。
たいして胸も大きくないのに。
などと言うのは無粋なのだろうと、誰もツッコミを入れることはしない。
きっと笑梨は、下着に対して並々ならぬ愛着を持っているのだろう。
笑梨は、ブラ紐に人差し指をひっかけてしならせ、肩にぶつけて、ぺちぺちと音を鳴らしていた。
手持ち無沙汰になったときの、笑梨の癖だった。
「里見先輩。沙耶先輩を抑える方法ってあるんですかね?」
んー……、と思考を巡らせながら、笑梨はワイシャツを着込んだ。
「もちろんあるよっ!」
智花は力強く応えた。
彼女にこの類の質問を投げかけると、だいたいこの応えが返ってくる。
「出た。逆オオカミ男」
姉と智花の会話を聞いていた笑理が茶々を入れた。
逆オオカミ男とは、おとぎ話のオオカミ男に登場する、オオカミが来たぞとネガティブな嘘をついて回った少年とは逆で、智花はいつも、できる、やれると、ポジティブな言葉しか口にしないので、むしろ信憑性が低い。ということである。
「いやいやいや。本当にあるって」
「じゃあ教えてくださいよ」
ニヤつきながら言う笑理に、
「インコース!」
智花はずばりと応えた。
「沙耶先輩、めっちゃインコース強いですよ?」
しかし笑理は首をかしげた。
笑理はピッチャーなので、キャッチャー陣ほどまじめにバッターを観察していないけれど、沙耶がインコースのボールに強いことぐらいは知っている。
「データの裏付けもあります」
さっきまで、マネージャーたちの努力の結晶が詰まっているパソコンのデータベースを閲覧していた笑梨も、妹を擁護した。
データ的にも、沙耶はインコースのボールを、ことごとく打ち返していることは明白だ。
「長所と短所は紙一重。インコースのボール球でカウントを稼いでおいてから、ボール球で釣ればいいのよ」
強打者を相手に、バカ正直にストライクを投げる必要は無いと、智花は得意気に言うが、
「いやまぁ、それができたら理想ですけども……」
ワンピースタイプの、ジャンパースカートの制服をするっとかぶった笑梨は、チャックとボタンをしめながら、周囲を見渡した。
笑理を含め、二人の会話を聞いていたピッチャーたちが、軒並み、簡単に言うんじゃないよという顔をしていた。
「難しく考えること無いでしょ? キャッチャーのサインどおりに投げて打たれたらキャッチャーの責任。コントロールミスしたらピッチャーの責任。それだけよ」
智花は、湿気ゼロパーセントの、カラッカラの笑い声をあげた。
「キャプテン。どう思います?」
笑梨は、沙耶とつき合いの長い、優美に意見を求めた。
そんな単純明快な理論で、沙耶を攻略できるものなのだろうか。
優美は、うーんと視線を漂わせながら、シャツの襟元に黄色の紐リボンを巻き付けて、慣れた手つきで蝶結びにした。
「そんなに単純なものじゃ……。いや、むしろシンプルに考えたほうが……?」
手をあごに当てて考え込む優美。
「キャプテンでもわからないんですか?」
優美の顔を覗き込む陽菜。
「そりゃそうだよ。あたしは、沙耶先輩じゃないんだから」
陽菜の頬を突っつきながら、ちょっと遠くを見るように瞳を細めた。
「そっか……。キャプテンでも、わからへんもんなんですねぇ……」
笑梨が、緑色の紐リボンをワイシャツにかけたとき。
「おーい。そろそろ帰りなさいよー」
部室の外から、友恵が声をかけてきた。
「いけない。すみません監督さん!」
優美はドア越しに友恵に謝り、部員たちに早く部室から出るように促しながら、部室から出て行った。
その後に続いた笑梨の胸には、なにやらモヤっとした感覚が残ったのだった。
笑梨:っていうことや。
笑理:コレさぁ……。
笑梨:うん。
笑理:ノキさんが、私らのキャラを把握するために書く、いつものやつやん。
笑梨:そういう見かたもできるなぁ。
笑理:そういう見かたしかできへんやろ!w 姉ちゃんの性格とか癖とかきっちり描写しとるし、制服のタイプとか紐リボンの色の違いとか、めっちゃ細かく描いとるやんw
笑梨:おぉー。よう見とるやないか。笑理もキャッチャーやるか?
笑理:やらへんわw あと、お茶を濁そうとすんな。
笑梨:まぁ、ぶっちゃけ笑理が言うたとおりや。いつもの短編ってことや。
笑理:せやろ?
笑梨:ちなみにスカートは、膝丈のプリーツスカートや。「ワンピースタイプの制服」、「プリーツスカート」の二点は、マリみて一門としてゆずれへんみたいや。
笑理:勝手に変な派閥作んなw
笑梨:このタイプの制服は、脇にしかチャックが無い場合は、上からかぶるようにして着るみたいや。左右どっちか片側の胸の辺りからスカートにかけて、チャックとかボタンが付いとる場合は、上からかぶってもええし、下から履くみたいに着てもええんやと。ただ、ここは部室やから、下から履くには地べたに制服をつけなアカンってことで、ウチは、上からかぶるみたいにして着た。ってことや。
笑理:細かいなぁ……w
笑梨:そろそろ寝よーって部屋の電気を消したときに、あれ? 制服の着かた、あれで合っとるか? って気になって、ジャンパースカートの制服について、めっちゃ調べとったで。
笑理:探求心が強いって言えば聞こえはええけど……。紙一重やな。
笑梨:それと、ウチと笑理の名前が似とるから、ちょっと読みづらいかもしれへんなーってところが気になったみたいや。
笑理:あー。それはあるかもな。
笑梨:あと、ノキさん自身が混乱しとる。描いててめっちゃ気ぃ遣うみたいや。
笑理:それは、自分で責任とってやとしか言えへんw
笑梨:さて。伝説のキャプテンは実在した!? 天川沙耶の謎を追え! 次はいよいよ、噂の検証に入っていきたいと思います!
笑理:おぉっ? いったいどんな噂が出てくるんや?
笑梨:それは……!
笑理:それは……?
笑梨:あぁっと残念! お別れのお時間となってしまいました!
笑理:おぃぃっ!w そんなんアリか!?
笑梨:しゃーない。ちびちび消化していかんと、ネタが続かへんのや。
笑理:メタいわw
笑梨:ということなんで、正直、続編があるかどうかも怪しいですけども、期待せんと待っててください。
笑理:やりたい放題やな、しかしw
笑梨:いろんな描きかたを模索していかんと、読んでる人が飽きてまうやろ。
笑理:うんまぁ……。そうやけど……w
笑梨:てことで、今日のところはこの辺で。お相手は、珠乃笑梨と。
笑理:珠乃笑理の。
笑梨・笑理:お笑い姉妹でお届けしましたー。




